ふるたにこどもクリニックホームページ(2011年12月)

ウイルス性胃腸炎


1)特に冬場に乳幼児がかかる嘔吐下痢症は症状が強く注意が必要です。主に
ロタウイルスやアデノウイルスなどが原因となります。他にも流行性の強いウイ
ルスがいろいろあります。 

2)症状について。嘔吐が症状のはじまりである場合が多く、最初の半日〜1日
は吐き気が続きます。次第に下痢の回数が多くなり、食べたり飲んだりするた
びに出るようになります。悪化すると形のない、水のような便になります。ロタウ
イルスが原因の場合では米のとぎ汁のように白くなってきます。
 風邪症状を伴う場合もあります。全体の経過は1週間程度で、嘔吐のみられ
る最初の時期さえ乗り切れば,あとは適切な食事療法で自然に回復します。
 ウイルス性胃腸炎で最も注意すべき合併症は脱水です。少しずつ、こまめに
水分をとらせて下さい。外からみてわかる脱水の目安は肌が乾燥して汗をかか
ない、元気がなく顔色が青白い、口唇が乾いて口の中の粘膜がべたべたする、
尿量が少ない(乳児ではオムツが濡れない)、目が落ちくぼむ、乳児で大泉門
が陥没するなどです。これらの症状が出ているときにはすでに脱水は進みかけ
ていますので急いで受診するようにして下さい。脱水がひどいときには、外来点
滴か入院が必要になります。
 便に血液が混じっている場合は細菌性胃腸炎の可能性があります。抗生物
質が必要になります。
 頻回の下痢では肛門周囲の皮膚炎で不機嫌になっている場合があります。

3)治療の第一は食事療法です。絶食にして水分補給を中心にお腹の負担にな
らないように栄養をとりながら、ウイルスで荒らされた腸の粘膜が再生するのを
待つことが目標です。 吐き気が少しおちついてきたら、水分を少しずつ飲ませ
はじめます。コツは「少量ずつ、回数を多くして」です。最初はスプーン1杯から
根気強くとらせていきます。吐き気のないことを確かめて、15分〜30分間隔で
水分量を増やします。嘔吐の強い時には嘔吐止め座薬が使われます。与える
水分は、室温のスポーツドリンクが手ごろでよいでしょう。嘔吐が止まって下痢
だけになったら 便の様子を見ながら少しずつ消化の良いものを与えていきま
す。必要に応じて整腸剤など薬を使用します。
 イオン飲料は有用ですが、病気がなおればやめましょう。続けているとむし歯
の原因になります。


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