ふるたにこどもクリニックホームページ(2011年12月)

発熱

1)子どもの発熱について 

 発熱は病原体に対する一種の体の防御反応です。炎症をおこしてのどが赤く
なるのも、体の免疫システムが病原体と戦っているからです。ですから、熱をさ
げることが病気の治療の主目的ではありません。
 子どもの場合、平熱は大人よりも高めで、37.5度くらいまでは平熱と考えてよ
いでしょう。全身状態がどうか判断することが大切です。機嫌よく、食欲もよけれ
ばそれほどあわてることもないでしょう。
 熱の高さだけで重症度が決まるわけではありません。微熱が長引く場合も重
大な疾病が隠れている場合があります。
 熱がでた時には、その原因によって対応が異なります。実際にはただの風邪
(急性上気道炎)が大半です。肺炎や気管支炎、中耳炎、膀胱炎などの尿路感
染症が原因の場合もあります。高熱の原因では髄膜炎が最も重大な疾病です
が、けいれんや意識障害、嘔吐、元気がないなど随伴症状もみられます。
 子どもでは急に40度近くまで熱があがることがよくあります。座薬を入れても
すぐに反応しないこともまれではありません。受診の際には、熱の高さだけでな
く、一日の中の熱の変化やその他の症状の確認が重要です。

2)対応の仕方
 熱がでたら、まず安静にして様子をみます。 安静がやはり第一です。
 熱の上がりはじめは「悪寒」があります。寒気があって顔色が悪く、がたがた
震える場合があります。このような時は、温かくして布団を多めにします。
 熱が上がりきって顔色が赤くなり、体が熱くなって発汗してきたら、布団を薄く
して熱を外に逃がします。 汗をふいて、下着を取り替え、嫌がらなければ蒸しタ
オルで体を拭いてあげるとよいでしょう。
 氷嚢や氷枕なども嫌がらないようならやってみましょう。脇の下など太い血管
の近くを冷やすと効果的です。おでこに貼るだけの商品がありますが、それほ
ど効果的ではありません。 
 熱が高いと体から水分が多く蒸散します。水分を少量にわけて回数を多くして
とらせましょう。冷たいものの方がとりやすいでしょう。飲み物の種類は、赤ちゃ
ん用イオン飲料、麦茶、湯冷ましなどが適しています。イオン飲料はむし歯の原
因になるので、病気がなおればやめましょう。

3)解熱剤 
 解熱剤(座薬など)で病気が治るわけではありません。解熱剤の目的は、楽
にさせて水分や栄養を補給しやすくすることです。熱が高くても機嫌よく食欲も
よい場合や水分をしっかり補給できてよく眠っている場合は、すぐに解熱剤を使
わずに様子をみてもよいでしょう。38.5度以上の熱が続いて、水分補給も不十
分でつらそうにしている場合は解熱剤を使ってもよいでしょう。
 解熱剤の間隔は普通は6時間あけるようにし、1日3回までを目安にします.
解熱剤の種類によっては熱が下がりすぎたり、肝臓に負担になったり、思わぬ
副作用がでることがありますので、注意が必要です。医師の指示に従って下さ
い。



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