このごろごく一部で話題の『デジャ・ビュ』をようやく読み終わる。毎日こつこつと通勤中の電車の中で読んで。 帰りの電車の中で読み終えたんだけど、あまりのくだらなさ、だめさに胸が熱くなった小説はこれが初めてだった。 ラストページはおもわず「ぐは」とか「う〜っ」とか上を向いたりして小さくわめいてしまったので、まわりからはやばいヤツだと思われていたかも。
『デジャ・ビュ』(桜井亜美著・幻冬舎文庫)
まずは巻末のあらすじから。
「生まれついた階級が全てを決定する世界。ツバサは「Cマイナス」という出自を呪い、そこから抜け出すために猛勉強をしている。
劣等感を忘れさせてくれるのは、盲目のピアノ調律師とのセックスだけだ。
ある日、階級制度に反対するテロリズムを目撃したツバサは、自分の中で何かが動き出すのを感じた。
希望と自由の意味を探る書き下ろし小説。」
まずここからくらっとくる。なんでいまさら階級制度?それを忘れる手段がセックスだけ?困ったもんです。
物語は、人の遺伝子の解明が全て終了した未来が舞台。富めるものは自分の子供に優れた遺伝子だけを持つようにし、貧しいものは産まれたときからすでにハンディを持つようになった社会。
社会の最下層に産まれてしまった主人公のツバサはそんな閉塞した状況からぬけだそうと、必死に勉強し難関高校の試験を突破して、いつか宇宙飛行士に選ばれて、宇宙からいままで自分を見下してきた社会を見返してやろうとしている。
だがどんなにツバサが頑張っても、もともと優れた頭脳財力体力をほこるAプラスの人間には太刀打ちできず、さらにレイプまでされて徹底的に敗北してゆく……
のだが、なぜかいつもピンチになるとカンニングが成功したり、Aプラスの男子がお金を援助してくれたりしてなんとかなってしまう。
主人公は、じつはかなり恵まれているはずなのに、自分は不幸だ不幸だとポエミーに思いこみ、調律師の「no eyes」とセックスしまくる。
ここまでのかなり困った展開に頭痛がしたが、後半で彼女が大学生になってからは、さらにいきあたりばったりの展開が待っている。
夢に破れて失意の主人公に、いきなり意味ありげな感じで近づいてきた人物が、さも重大そうなことを語りかけるがそれはまったく意味がなかったり、
かなり冒頭から意味ありげに登場していた人物が、なんの脈絡もなく殺されたり。こら、あんた、この小説に飽きたからさっさと終わらせようとしてるんだろ!と言いたくなってくる。
なんだかんだでぼろぼろになった主人公が最後になぜか愛にたどりついて、ものすごく陳腐で恥ずかしいポエムのような真実に気づいて終了。ほんとに困ったもんだ。
最後のページはほんとにだめになってしまいそうだった。
ストーリーはこのようにポンコツだが、設定もものすごくいいかげんだ。少しでもまともに遺伝子のことを調べたら恥ずかしくて書けないようなことも平然とやってのける。
おい、いちおうSF言ってるんだから、せめてイーガンくらいは読んでから書いてみてくださいよ、ほんと。
だが問題はこれだけではない。この作品はさらに小説の文章としての表現力、そのものにも問題があるのだ。まともな文章センス、生活をしている人間ならとてもこうは書けないだろう。
たとえば、主人公がライバルによって陥れられようとしているときに、それに対抗しようと、主人公が心に「刺に覆われた部厚い自己防衛のモビルスーツ」を着ようとする。
「モビルスーツ」?謎である。さらに自己陶酔に陥った主人公は、よくポエムを口ずさむがこれはどれも正気の沙汰とは思えない恥ずかしさに満ちあふれている。
さらにこの作品の感想で良く話題になっている、やたらと長ったらしいカタカナ言葉が登場し、それによって登場人物と作者の趣味の良さを引き出そうと試みていることは、まったくの逆効果しかあげていないのも痛い。
このように、設定、ストーリー、キャラクター、描写、基本テーマ、どれをとってもひどく完成度が低い。唯一の慰めは、小説自体がそれほど長くないことぐらいか(400字詰め原稿用紙295枚)
朝の通勤途中に読んだ日は、気分が悪くなり仕事もはかどらなくて困ってしまった。これで長さが原稿用紙2000枚以上なら、あの『カムナビ』すら越える問題作となっただろう。
こうした本が支持され、次々と同じ作者の新刊が出ている状況は、ぼくにはどうしても理解できない。まぁ、これにひどいダメージを負ってしまったぼくの足腰がずいぶん弱っているだけかもしれないけれども。
明日が年内最後の資源ゴミ回収日なので、バイトが終わると速攻で帰り、頑張ってたまった漫画雑誌を片づけ始める。 ほとんどエロ漫画ですが。このごろ部屋が狭くなったなぁと思っていたら、雑誌の日付から1年間片づけていなかったことが判明。 ずぼらに磨きがかかってきましたなぁ。
とりあえず保存するものといらないものをより分ける作業を開始するが、 この手の作業でありがちなおもわず読み直してしまうことがたびたびで、なかなか選り分けが進まず。 さらにずっと放置してあった雑誌の上には、とうぜんほこりがたまっており部屋中がかなりたいへんなことに。 そんなこんなで休み休みやっていたせいか夜中になっても終わらず。しかも深夜の部屋に響きわたる掃除機の音。まわりのみなさまごめんなさい。 ひさしぶりの雑誌縛りで腰をかがめてやっていたせいか、曲がったのをのばすと背中と腰が悲鳴を上げる。 いつまで続くか心配になってきたところでなんとか形がついた。もう深夜2時過ぎ。ひとけが無いのを確認してこっそり外に運び出す。いつもまわりからはどう思われてるんだか。 とりあえず片づけたが、まだまだ雑誌は3分の2以上残ってしまっている。まぁこれは来年に向けてぼちぼちやりますか。 明日から続くであろう筋肉痛と腰痛におびえつつ寝る。
ぼんやり寝ているうちにみんな帰る。さらに眠る。夜になって電話で起こされる。ふぢーさんから、にくのお誘いだった。 「金がないんですが」と言うと、つれのかねちゃんが持っているから大丈夫とのこと。さすがは同人界のプリンスである。 大急ぎで待ち合わせ場所へ。何度も迷ったあげくようやく到着。もう第一ラウンドを終えたふたりを後目に食いまくる。 いやぁ焼き肉で、ひとに肉を譲られまくるってのは得難い経験ですなぁ。無茶してかなりの量を食べる。 腹一杯になったあと、飲みながらこのごろ(一部で)話題の桜井亜美の文句を言っているうちに終電が無くなる。
しょうがないのでそのままふぢーさん宅におしかけて、ビデオ鑑賞会。ギャラクシークエスト吹き替え版と椿三十郎を見る。 どちらも何度も見てるけど、やはり面白かった。こうやって文句無く楽しませてくれるものはなかなかないもんですな。
バイト終了後、サークルの忘年会に参加する。ひさしぶりの面子と会って、飲んで、すき焼きを食う。 ちょっとだけど後輩とも話ができてなかなか愉快だった。ただ、こちらのあまりにヲタクな話題についてこれなかったようで、その節は失礼しました。 ひとしきり飲み食いしたあと現役生と別れ、仕事があけて合流したOB面子を加えて2次会。で、飲んでまたアニメ話。 いいぐあいに酔っぱらったあと、帰れなくなった面子でアニメ鑑賞会。もちろんオレのウチでである。まぁいつものことですが。
ケーブルTVをつけたらなぜかやっていた特撮もののゴッドマンのあまりのへたれぶりにあきれ感動し、マジンカイザー、デジキャラット、エイリアン9、劇場版吸血鬼ハンターD吹き替え版(ややこしいのう) とアニメを見続ける。そのまま日曜朝のセーラームーン、パワーパフガールズときたところで全員くたばる。 Dを見て改めて山寺宏一の芸達者ぶりに感動する。
ふいに鍋が食いたくなって、ふぢーさんに「鍋を食いに行きましょーっ!」と力強く宣言する。 ふたりで鍋をつつくのでは寂ししぎるので、うしぴーくんに声をかける。 うしぴーくんは昼間ディスプレイを購入したので、さすがに夜の今から動く気はしないとのこと。 でも、近所の三鷹でやるなら参加するとのこと。けっこう面倒くさそうなふぢーさんを強引にせき立てて、さっそく移動する。
三鷹でうしぴーくんと合流し、鍋をやってそうな飲み屋を物色するが、 途中からどうせ行くならふだんは行かないようなとこに行こうという話に。 いつも行くような安酒場をパスして、ちと高そうな創作料理屋さんにチャレンジしてみる。 古い日本家屋を改装して、わりとおしゃれな感じがしている内装に一抹の不安を感じつつも腹が減っていたので、ビールと一緒にいろいろ注文してみる。 残念ながら、鍋物は要予約だったので今回は断念。 さて、メニューの料理はおしゃれな名前がどれにもついていて、どうなることやらと思っていたら、 かなりいい加減に注文したのに出てくる料理がどれもこれも工夫されていておいしい。 ひとくち食べるたびに3人で顔を合わせて、「うまいですね〜」と言い合う。 もともとかなり濃い味付けが好きなおれは、ふぢーさんとうしぴーくんがすごくうまいという料理の微妙な味付けが 酔いも手伝ってさっぱり分からず悲しい思いもしたけど、なんとなくでもおいしかったので良しとします。 心配していた値段もわりとリーズナブルで楽しめました。 またお金を貯めていってみたいお店でした。
ビール2杯とサワー1杯で、かなり酔ってしまったオレは面倒なのでうしぴーくん宅に泊めてもらうことにする。 そこでDVDの『メトロポリス』を見せてもらう。
メトロポリス
2001年。日本映画。アニメ。
手塚治虫の原作を映画化。ストーリーは、単純労働がすべてロボットに任され、高度に機械化された都市にやってきた少年が、
都市の影の支配者の願望によって創り出されたロボットの少女とふとしたことから出会い、彼女をめぐる陰謀に巻き込まれていくというもの。
画面構成、作画の質、背景美術は、現在おそらくこれ以上望むものは無いというほどすばらしい出来です。音楽もいい感じです。ただ演出が3流、脚本が4流でせっかくの画面のレベルの高さが
ぶちこわしだったのが残念。どうしてプロデューサーがあの脚本を見た瞬間に、「まずっ」と思わなかったのかが謎だ。
なんかうっとり自分の才能に酔った中学生が書いたような台詞と、あまりにご都合主義ででたらめでぶつぎりのストーリー展開に
何度も怒りがこみ上げてきた。
鹿島と磐田がチャンピオンシップのため、今日に延期されていた天皇杯3回戦磐田対駒沢大学をTVで見る。はじめはぼんやりと見てたけど、そのうち引き込まれてしまった。けっこう見応えのある試合だった。
ジュビロ磐田対駒沢大学 3対2
駒沢大学のチーム戦術は、かなりシンプルだったけど徹底されていて見事だった。
巧みな4バックのライン押し上げと前線からのきびしいプレスでボールを奪い、奪ったら前へシンプルにボールを運び、
センタリングやロングボールを長身FWがポストプレーで落として、そのこぼれ球を狙う。
とくにこぼれ球をひろう役目の駒沢FW深井がよかった。
1点目のDFを背負っての見事な反転シュート。
2点目のこれもDFを背負ってのバックヘッド。
ほんとに大学生か?って感じのすごさでした。
あと駒沢キャプテンのDFも見事なライン統率だった。
ああ、こんな選手と戦術がVFKにもほしいのう。
後半にジュビロに2点先制され、試合も終わったかと思ったら駒沢が2点とって追いつき、延長前半も駒沢ペース。
こいつらの体力はほんとに大学生かと思ってしまったよ。
さすがに延長後半になると駒沢の体力と集中力が切れたのかジュビロに押し込まれ、DFのファウルからPKで駒沢が負けたけど、
控え選手が多く、さらにチャンピオンシップの疲れからか動きが鈍かったとはいえ、
あのジュビロをあそこまで追いつめた駒沢大学の戦いはすばらしかった。
このごろ、お気に入りのまんが家「こがわみさき」の単行本を買う。 2、3日前に部室に遊びに行ったときに置いてあった『しあわせインベーダー』(エニックス)にすっかりまいってしまったからだ。 で、自分用に『しあわせインベーダー』を探すが、なかなか見つからない。 かなり意地になって神保町を探し回るが、そもそもこがわみさきの単行本が置いてないとこがほとんど。 やっぱ版元エニックスだと、ちときびしいのか。 あきらめていると、もともとこの本をすすめてくれたしみけんくんが買ってきてくれる。 ありがたやありがたや。しかし彼もよくもまぁ、いろんなまんがをこまめにチェックしているもんですな。
うちに帰ってから、『しあわせインベーダー』を探しているときに買った同じ作者の『魅惑のビーム』(エニックス)を読む。 この本は『しあわせインベーダー』よりも前に出た短編集で、はじめのうちはまだまだ絵も洗練されていなくて、あんまりたいしたことないなと思っていたが、 後の作品になるにつれて、作者のシンプルな線とときおり挿まれる絶妙なギャグ顔、大胆で雰囲気を感じさせる構図、 たくみなコマ割りがどんどんうまくなってきて魅き込まれてしまった。 どの短編も基本は、10代の少年少女が織りなすどこかあたたかい感じのラブストーリーなのだが、 上記の作者の特徴が組み合わさって、じっくりふんわり読ませる。 最初の短編から徐々に魅き込まれていって、最後のあとがきでがっちり自分は捕まってしまった。 あとがきにこれまでの作品の主人公の少女たちが総登場しているのだが、この娘たちのカットがもうほんとにどの娘もかわいいのだ。 あ〜オレもうだめです、ハァハァ。ああああ、ほんとどうしたらこう描けるんだろうなぁ。 軽く描いてるようで、びしっと決まってるもんなぁ。
今日は天皇杯の2回戦が甲府である。休日だけどこれがVFKを見る最後になるかもしれないので、がんばって早起きして出ていく。実は前夜からハードディスクを再インストールしていて、ようやくうまくいったと思ったら朝があけていた。電車の中で寝過ごさないか心配である。 案の定、寝過ごし中央本線の大月から河口湖方面の単線路線に行ってしまった。ついうっかり寝てしまって、川口湖方面の単線路線の方に行ってしまった。起きたときは途方にくれるも、なんとか戻りの電車が早く来たので復帰も割とスムーズだった。 しかし気づくと切符をなくしてしまっていた。幸い初乗り料金分しかもってなかったので、こちらも最小の損害ですむ。徹夜明けに甲府行はきびしかった。 予定より遅れたので、なかむくんとの合流に遅れてしまった。シーズンと違って小瀬への臨時増発バスがないので、しかたなしにタクシーを使う。
ヴァンフォーレ甲府対アローズ北陸 1対0
いきなり北陸ペースでなかなかVFKはボールを奪えず。前線、中盤、DFラインがバラバラで、チームとして全く機能していなかった。攻めは個人のおもいつきでなんとかしてる感じで、点が取れそうな気がしない。北陸の方がよっぽどいいサッカーをしていて、チーム全体で奪ったボールをすばやく前線に配球していた。ただフィニッシュが雑で点にはならず。
VFKは後半になってMF美尾を投入し、少し攻撃がよくなるも一瞬でまた北陸ペース。しかしさらにFW吉田悟を投入した直後、いきなりのチャンス。そこをベテランらしく決めて、甲府が先制。その後、何度もピンチを招きながらもなんとか守りきり勝利。
甲府の期待の星、MF藤田ははじめはサイドMFのポジションだったが、激しくポジションチェンジしつつ、何度も攻撃に絡むもなかなか点を奪えなかった。後半になって美尾が入ってからは、右と左のサイドバックを行き来しながらなんとかチームバランスを保とうとしていた。むういい選手ですな。来年もなんとかチームに残ってほしいもんです。
試合が終わって帰ろうと歩いていると、スタジアムの外に見慣れたジャージ姿がある。誰だったかなーと顔を見ていると甲府FW宝示戸だった。思わず目があってしまって、お辞儀をしてしまった。さらにMF倉貫とFW松島も一緒にいる。ここ何試合かベンチからはずれているとはいえ、いちおう前半の主力選手が試合後のミーティングにも参加せず、観客と一緒に帰ろうとしているのはどうですか? セキュリティとかな。まぁ、レプリカユニフォームに倉貫のサインがもらえたからラッキーだったけど。サインをした後、倉貫はそのまま駐車場に止めてあったレグナムワゴンに乗って去っていった。ん〜いい車乗ってるなぁ。給料少ないはずなんだけどなぁ。
どんどん寒くなってきて、体調を崩す人が続出。バイト先もいろいろ事情が重なって、あわや正規店員がいなくなりそうになったり。日頃の体調管理は重要ですなぁ。あとアパートがケーブル導入したので、とうとうオレもケーブルTVに加入。ぼんやりとアニメを流しまくっております。ダメですな。
先週からチャンピオン系「アレ」漫画強化週間中。『エイケン』『ななか6/17』『しゅーまっは』『花右京メイド隊』をつぎつぎと購入。『ななか』が往年のラブコメ路線でいい感じです。ストーリーとその見せ方がきっちりしているのがいいです。しかし他のとくらべても『エイケン』のいきっぷりはすごいです。こまったもんです。でもなぜか好きになってしまったよ。終わり人間度加速中。