カザグルマ

風の吹く街で 広がる空を見上げた
ゆれる心に水を差す 飛行機雲

迷いを傷に変えて守った明日は
消えない願いと君の声が響く世界

ああ 泣いていた
針が巡るは 僕らのため
ただ 幼かった
気づかないように過ごしていた

晴れ渡る丘で 震える肩を抱えた
寂しさだけでこんなにも冷えてしまう

未開の土地に連れて装った言葉も
夢か幻か 君に声が届く期待

ああ 咲いていた
梅雨が間近だと 知らないで
ただ 輝いていた
その儚さが美しかった

でも 手を伸ばした
崩れないように そっとそっと
塗り替えるキャンバスは
まだ僕らだけのもの
形にできないものだったんだ

ああ 泣いていた
針は巡って 渇いていく
ただ 傷が残る
膿になる前に 渡らなくちゃ

ああ 手を伸ばした
届かなくても震えていても
あの空のキャンバスに
大きく描いたんだ
忘れないその笑顔

今 花が咲く
色に宿るは 僕らの夢
移りゆくキャンバスの
変わらぬ一つのもの
かつて約束した未来だ

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