アマヤドリ

教室に陽が差し込む
すがすがしい日の始まりだ
"今日、実は雨が降る" と
クラスメイトの子が神妙に

そんな話 真実味もなく
デタラメなんだと割り切っていたけど
吹き込んだ風 少し冷たくて
ツバメは低く飛んでいた

いつの間にか薄暗い空
日はまだ長いのに
手をかざして確かめてみる
今はまだ大丈夫
ああ 何かこみ上げてきた
早く君に会いたい

足元がぬかるんでく
帰る人波がせわしない
やむを得ず雨宿りと
屋根付きベンチに腰掛けた

あの雲より高く飛べるような
羽があったなら 雫 浴びないのに
こんな場所に私は一人で
君の声を待つ 蛹

泣きじゃくって目を腫らしても
荒れた空は晴れずに
「はじめまして ボクは嵐だ
今日はキミをさらいに来た」
ああ 誰か助けに来て!
連れて行かれそうだよ

気がつけば君の声が
私の目を覚ましてくれた
君の手が暖かかった
私の心 包んでくれた

雨は今も止むことはない
今度のは嬉し涙
歩き出した 君の隣で
こんなに近くにいる
ああ ずっとこの傘の下 共に歩きたいんだ
ほら君と 同じ音を同じ場所できいてる

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