静脈内鎮静法

 鎮静法とは意識を失わせることなく、不安感や緊張を和らげる方法です。

 静脈内鎮静法に使用する薬は数種類あり、鎮静の効果が出るまでの時間や、鎮静の効果が持続する時間は異なります。持続時間の短い薬ですと、鎮静の効果が現れるまでに1〜2分、鎮静効果が最も強く現れるのに5〜10分かかります。持続時間は40〜60分です。
 静脈内鎮静法に使用する薬には健忘効果があり、治療中のことは忘れてしまいます。しかし、鎮痛効果は全くないため、処置によっては局所麻酔薬の併用が必要になります。
 手順としては、事前に心モニターで管理し、目の状態や会話に対する反応をみながら腕の静脈から鎮静効果が現れるまで、ゆっくりと薬を注入していきます。鎮静効果が現れたら歯科治療を開始します。もし処置が長引くときには、それぞれの薬で定められている量を追加して注入します。
 歯科処置終了後、思考が明瞭になり、運動機能にも問題が無いことを確認してから帰宅してもらいます。ただし、万が一、車の運転中に意識を喪失することがあっては危険なため、行き帰りの交通手段はマイカー以外にする必要があります。

禁忌症

 一般的に用いられているディアゼパムという薬の禁忌症について記載します。

1. 重症筋無力症の患者さん。
2. 緑内障の患者さん。
3. 静脈内鎮静薬にアレルギーのある患者さん。
4. 腎疾患のある患者さん。
5. 中枢神経系を抑制する薬剤を服用している患者さん。

 上記の禁忌がある患者さんで通常の歯科治療が難しい場合には、笑気ガス吸入鎮静法や全身麻酔での歯科治療を行なうことが検討されます。

 

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