削ったら痛みがでた

 歯を削る時にタービンやエンジンを使いますが、高速回転による発熱を防ぐため水を出しながら行います。それでも刺激によって歯髄(神経の穴)に一時的な炎症がおきます。これは直接神経の穴に達した状態での刺激ではなく、象牙質の壁を通しての温熱的な刺激になります。通常、2〜3日で炎症はおさまり、痛みはなくなります。

 虫歯が深く、削った範囲が神経の穴に近い場合、より刺激を受けることになります。仮の詰め物をしておいた状態でも、冷たいものや熱いものにしみるようになります。削ったときに底の部分に断熱材の役割をするセメントを一層おき、しみにくくすることもあります。また、歯髄の中にある細胞は虫歯や温熱刺激に対して第二象牙質という硬い組織を内側に作り、厚みを持たせることで刺激が伝わりにくくする働きがあります。この第二象牙質の形成を促進させるための薬を使うこともあります。

 削った範囲が深くて痛みが続く場合でも徐々に和らいでいくようであれば問題ありません。痛みが完全になくなるまで1ヶ月ほどかかる場合もあります。また、金属の詰め物では温熱刺激を伝えやすいため、最初の頃にしみることがあります。

 痛みが全然なくならない場合やどんどん痛みが増してくる場合は虫歯がすでに神経の穴まで進んでいたり、削ったときの刺激で歯髄が回復不可能なダメージを受けている可能性があります。その時には神経をとる治療が必要になります。

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