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うろうろ日記

セルフディスカバリーアドベンチャークロスMTB100キロ敗退記

2005年09月17日(土曜日)
 セルフディスカバリークロスMTB100キロ参加のため長野県の王滝村に移動。
今回は5月の御岳ヒルクライムにつづきチームアカマツのお世話になりました。
メンバーは42キロ参加の総帥あかまつ、わたしと同年齢でしかもはるかに早いシルバーアローM岡さん、
100キロ参加はわたしとトライアスリートS口さん。総勢4名のご一行です。

土曜日は王滝村スポーツ公園の大会会場で受付をすます。

民宿みやまに入り自転車などの準備をする。
同部屋には大阪の走り屋オヤジ集団大泉愛輪会の3人さんも。

わたしは今回の大会に向けて工房アカマツにてアルミのフルオーダーMTBフレームを用意しました。
総帥あかまつも今回は自分用のアルミフレームを製作し昨日ようやく完成。
トライアスリートS口さんも以前オーダーしたクロモリのアカマツMTBで出動になります。

スポーツ公園には今年ドームができ
雨の日でも便利になりました。

大会期間中、受付と各社の展示ブースになりました。

また、地元の方々が屋台を出しておられました。
おそばや豚汁、手作りお饅頭など味わえました。
これはほんとありがたかったです。













2005年09月18日(日曜日)
 この一年本当に短かった。そして待遠しかった。

午前3時45分起床。民宿ではこんな早朝にちゃんとした朝食を用意してくれます。
ただし食欲はいまいち。昨日から食欲いまいちで少しおかしい。夏ばてか?
レースの日に食欲がいまいちなんてこの時点ですでに負けてるね。

大泉愛輪会のTさんからバナナをいただくこれはおいしく食べることが
できました。

今日の天気予報は晴れ。快晴。
王滝村の最低気温は15度。最高22度。願ってもないコンディション。

こんな日にがんばってぜひとも完走したいものだ。

小一時間、軽量化と準備にあわただしくすごす。

スタート地点のワタシ。お腹に注目。へこんでます。

本日の装備
ヘルメット        OGKアレクレス
アイウェア        ルディープロジェクトFREEON
お守りネックレス    今日はイルカのシルバーネックレス
ジャージ         パールイズミ製クラブシルベスト半そでジャージ
              同じくパール、ウィンドブレーカー
パンツ          クラブシルベストリフトパンツ
              WIZARD ニーウオーマー
シューズ         Shimano SH−M220カーボンソールシューズ
ハイドレーション    キャメルバック ミュール。水を1.5リットル

バイク          工房赤松製王滝スペシャル STEAM
              ダブルボトル仕様
              タイヤはKENDA KARMA26×1.95 空気圧は高めの3.8
              
              ボトルのひとつは3ACTIONスポーツドリンク
              ひとつは小物入れを装着。
              チューブ1、炭酸ガスボンベ2、補給食などいれ
              背中の荷物を極力減らすようにする。
              小物入れはマジックテープのバンドでボトルゲージに固定。

              サドルバックにチューブ1本、炭酸ガスボンベ1、
              携帯用工具、チェーンきり、アンプルピン3、
              タイヤ切れ対策にチューブの切れ端。
              
              サイクルコンピューターはCATEYE CC−CD200
              昨年、作動しなかったもの。電池を交換したら復活。
              液晶が表示されていても電池が少なくなってくると
              作動しないのだろうか?
              サイクルコンピューターには雨対策でビニール袋の
              切れ端を輪ゴムで固定する。
              ただし見にくいです。

              同じく雨対策でダウンチューブに取り付ける泥除け
              クラッドキャッチャーを取り付ける。

補給食         完走すれば自分の場合9時間以上を自転車で過す
              ことになる。
              補給食が文字通り死命を制すことになります。
             オフロードの100キロ走行、しかも二千メートル
              近いヒルクライム。
             昨年の42キロの経験から以下の補給食を持参しました。
             power jel         110×8        880Kcal
             perfect plus cake   220×2        440
             energy jery        150×3        450
             一口羊羹          150×5        750 
                               計          2520Kcal

             このほかに昨年と同じように3actionのスポーツドリンクを
             1ボトル分に小分けして4袋。
             アミノバイタルハイポトニックチャージ1袋。
             それに塩分補給用にコンビニなどで売っている干した梅を
             持ちました。
             これでもカロリーとしてはまだ足りないかも。
             ただ今のままでも結構な重量になるのでこれがせい一杯かも。
             今後の課題ですね。

本日の目標は完走はまだ無理として実質35キロ地点第1チェックポイント
(標高差1000メートルのヒルクライム)を4時間の制限時間内に越え、
65キロチェックポイントまで走ること。制限時間7時間。
約60キロ地点からは昨年の42キロのコースに合流するので
目的を達成するとこの100キロのコース全体を走ったことになります。


スタートで十分後ろに並んだわたしたち。それでもあとに延々と自転車が並びます。

まだ暗い中、6時スタートの100キロ参加のわたしとS口さんは
一足早く民宿をあとにしスタート地点まで降ります。

ライトを持たないわたしはS口さんのライトの明かりと彼の
シルエットを頼りに夜明けまえの道を走ります。
川沿いの道路に出ると三々五々他のライダーも合流してきます。

ここで大変なことを思い出す。
持病の血圧の薬を飲みわすれました。
こんなことはまずないのによりによってこんな日に。


出走800人。わたしとS口さんは真ん中より少し前でスタートとなった。
簡単なセレモニーのあとサイレンの音でスタート。

5キロ地点,、鈴が沢林道入り口まで約5キロを先導車について集団は進みます。

徐々に集団が前に動き出しやがて私の番に。
慎重にSPDをはめ走り出す。
公園にいた参加者の友人家族の声援のなか集団は静かに進む。
公園を出たところでS口さんは集団を前に前に出て行く。
ワタシもそれに続こうとしたところクラブシルベストのジャージを着た人が路肩に止まるのをみた。
もしトラブルなら走るメカニックのわたしが対応しないわけにいかない。

ワタシも路肩により振り返りながら速度を落として走る。
しかし件のかれはリスタートして行ってみたいだ。
ほんとは人の世話などしている余裕などないのだが。

集団は平坦な川沿いの道を離れ左に、
王滝村の中心街をぬけいよいよ鈴が沢にむけ上登って行きます。
最初は12キロ地点まで600メートルほとんど登りです。

村を抜け傾斜がだんだんきつくなってきます。
わたしは遅いのだがまだ集団に食いついています。
林道に入るまで集団でねばらないと後が思いやられます。

傾斜のきついところでは接触による転倒など起こっていますが、
大過なく集団はたんたんと登って行きます。
このあたりまで民宿の方の応援も転々と続きます。

道が地道になり傾斜がいったんゆるくなったあたりで集団がバラけわたしも遅れだします。
水分をとりがまんの走りを続けます。

鈴が沢林道のゲートにつく。雑誌funrideのDVDにでてくるところだ。
スタッフの方から「無事にかえってきてくださ〜い」と声援が飛ぶ。

林道をすこし登ったところでいったん止まりニーウオーマーをとる。かなり暑く感じます。
ついでにパワージェルを一袋。

そのまま押しながら休憩し先に進む。
そのときバイクのパッセンジャーシートに乗ったカメラマンにパシャっと写真を撮られます。
よりによって押している時にと思いました。もちろん雑誌には載りませんでしたが
サイスポのカメラマンです。

道は小砂利のしっかりした林道が続きます。があまりちゃんとした記憶がありません。

道がいったん下りに入りました。その下り。大き目の石がごろごろしてほんと車で走れるのか
と思いながら全身で衝撃を受けながらくだります。

早速パンクしている人が一人二人。それとチューブやボトルの落し物が目立ちます。

12キロ地点でしたでしょうか。コースマーシャルが二人。100キロと120キロコースの
分岐をボードで指示しています。
120キロの参加者はいったん林道入り口まで回りこみ同じコースを再度登ってきます。

100キロコースは右へ。今までの下りは地図に現れないぐらいの短い下りだったのでしょうか。

登りがまた始まります。まもなく後ろから勢いよく抜かしていくシマノドリンキングのジャージが
白石真悟くんでした。
120キロ参加の彼は赤いゼッケンを背中につけその細身の身体でぐいぐいと登って行きます。
さすが日本を代表する選手。
シュインカップで何度もぬかれたことがあり、それまでは私の2倍速だなと思っていました。
今日は3倍速で抜かれました。その背中からは間違いなくオーラをが漂い無言で私たちに
エールを送っていました。
思わず「しらいし頑張れー」と叫んでました。

間違いなくぶっちぎりで優勝と思っていました。
後続もなかなかあわられませんでした。
しかし白石はパンクにより優勝を逃しました。これもレースですね。

まだ登りが続くのかよと思っていてへこたれそうになっていたところ下りが始まります。
標高差200メートルあまり。

当初の作戦というか願望ではのぼりはどうせ時速7キロとかしか出ないので下りをできるだけ
頑張って平均10キロ以上出さないと完走を目指せません。。

しかしつらいな〜この下り。
のぼり重視で軽量を最優先したこのフレームはその細みのバックステイにかかわらず
乗り味が硬いです。
おまけにシートポストは剛性の高いトムソンだし
リムはマビックの軽量タイプを使っており、そのためトラブルを恐れ14番のスポークで
私自身の手組みで相当固く組んでいます。
これらがじわじわ身体に効いてきています。
腰というより背中に来る感じです。

再び登りへ。
深く茂った森は秋になり保水力が弱まっています。
雨も降っていないのに地面がぬかんるんでいる場所がありました。
クラッドキャッチャー大正解です。
ただ、メーターのカバーは画面が見ることが難しく結局はずしてしまいました。

下りになり南側の斜面が開いてきました。
路面はだいぶ荒れています。
のぼりでもラインを選びながら登ります。

道が非常に荒れながらやがて下りに。
このあたり上部の斜面が悪いのか路肩にたくさんの落石があります。
道が大きく右に回りこんだところでDVDで何度もみた橋が見えました。

他の参加者は前後にちらほら、岩を避けて橋まで下ると沢の上部は御岳の頂上付近です。

御岳の頂上付近が良く見えます。

日本とはいえない雄大な景色です。

ここで小キジを打ち。
一口羊羹を補給します。
まだ足らないのでパワージェルも一本。
ここは景色がいいのでみんな止まって写真を撮ったりしています。
レース後トライアスリートS口さんに写真なんか撮っているからタイムアウトに
なるのと違いますか?と痛いところをつかれましたがwebマスターの
私としてこの美しさを皆様にお伝えしていかなければいけません。
(なんちゃって。ただ休憩がしたかっただけ)

サイドスタート。しばらく走ると再び沢にかかる。
沢にかかる大きな砂防堰堤の上が車が通る林道になっています。
後に調べると22キロ地点。標高1300メートル。

そしてまた道は森の中に入って行き登りに。標高1500メートルまでの
登り。深い林の中の登り。
木々は樺のような木で私が普段登っているところと
様相がだいぶ違います。
そのあたりから熊さんがでてきても別に不思議な光景ではありません。
そうそう今年初めて熊よけの鈴をつけて走りました。
集団から離れての一人旅は想定の範囲内です。

インナーLow Rear Secondくらいでゆっくりゆっくり上ります。
昨年はLowLow多用で登っていたので少しは進歩しているのか。
ただ速度は8キロと亀のようなのぼりです。
赤ゼッケンの120キロ挑戦者がこのあたりでどんどん抜かして行きます。
しかし彼らも完走するにはぎりぎりに時間帯に入っています。

100キロ参加者も前後にいますが足のそろったメンバーが固定してきました。

そんな中、デカーフのMTBというマニアックなマシンに乗る。
元DHerのおねーさんに追いつきました。
時々、二言、三言言葉を交わしながら前後して走りました。
「抜いていてくださいね」といわれましたがこちらも余力がなく
結局、パワージェルを補給するため立ち止まったときに
先行していきました。

レース後、このあたりで常に空腹を感じていたなと思います。
これまでパワージェル2本、一口羊羹一本を補給しましたが足らなかったのか。
夏になるころ練習でもできるだけ補給食を使わないようにしました。
常に補給しないと走れないように思っていました。
それでは100キロ走りきれないのでできるだけ補給しないで走れないかと
思っていたのです。
ただ、本レースでは先々を気にせずもっと積極的に補給しておくべきでした。

しかしなんとかピークを越えて道は下りに。
大き目の石や枕大の岩がある悪路。
しかも傾斜がそこそこあり、
腰がおかしくなりそうです。
こんなところ車が走れるのか。
さっきから一人私のあとをついて走っている人が一人。

「先に行って」と声をかけても返事がありません。
ひたすら私のラインをトレースしてくるのに精一杯見たいです。

岩が比較的大きくなってきた小さなコーナーでは
パンクを恐れてひたすらラインを読み最適なラインをトレースします。

しかし、一箇所50センチくらいのドロップオフ!!が出現。

しかし道の左右は条件が悪くそこを越えるしかありません。
しかも着地点も1メートル近く先の平らな岩の上。
くっそっーと思いながらもジャンプ。
バッシっという音とともに後輪着地。
後ろの人も無事越えたことを音で知る。

しかし、このあたり以前のDH遊びの経験が非常に役にたち、
しかもアドレナリン出っ放し。

降りきって少し行くと30キロ地点の表示。
時間はまだ一時間以上ありこの時
第1CPを越える見通しがついたように思いました。
しかし、それを越えても第2CPを越える目算がありません。

しかし、さっきからの勢いでペダルを踏み最後の登りに
取り掛かります。

何度か道の一部が舗装されている部分がありよく見ると
特に傾斜がきつい部分が舗装されているみたい。
つまり、道が崩壊するのを予防するために舗装されているのでした。

道は時々小さな下りを混ぜそこを広いところで前後を見渡すと20人以上の人が
この登りに取り組んでいます。

しかし、だんだんペダリングの力が小さくなり押すことが増えてきます。
時々、立ち漕ぎしまた押す。
そんなことを繰り返しているうちふとメーターを見るとタイムアウトまで20分
残り4キロ。
しかし、ここからが永遠に長く感じました。
ペダルを踏む力が弱くなっていて立ち漕ぎをするのですがすぐに降りて押してしまいます。

周りの人たちは立ち漕ぎする私をみて驚いていたようですがそれでも距離は伸びません。

道は舗装するほど急だし、最後は押していました。

時計を見ると4時間経過。
距離はまだ2キロ残っていました。
周りの出場者たちとお疲れ様と声を掛け合いレースが終わりました。

あの昨年転倒して自転車を谷に落とした人が転倒しただろうところ(唯一立硝員がいました)
を通りチェックポイントへ。

ピッとICチップに反応する音がしてオフィシャルに
「タイムアウトですよね?」と確認しました。

リザルトによると4時間23分でした。

チェックポイントには数十人の方が休んでいました。
わたしもへたり込んでパーフェクトプラス、一口羊羹、パワージェルとむさぼりました。
ここからゴール地点まで悪路を一人でエスケープルートを2時間降ることを
考えると呆然としてしまいます

そしてみんなが待っている主会場に向かって早々と降ることにしました。

オフィシャルに「お世話になりました」と挨拶すると
タイムアウトになった他の参加者も挨拶してくれました。
一人茨城から来たARAYAのWサスバイクに乗る若い人(茨城君と命名)が
同行を申し出てくれました。
途中ではダム湖をバックに写真を撮ってもらいました。
後ろの山の上部に写っている道は第2CPに向かう道です。


このとき他の参加者がおっしゃっていたように文字通り「鉄人レース」でした。




昨年の42キロ完走したときより自分の力を出し切りました。
力不足でした。
   
たびたび立ち止まり茨城君と美しい自然の中ゴール地点まで降りました。

2006年SDAは6月と9月の2回開催になるようです。

私もまたこの地に立って自分の限界に挑むことになるでしょう。