藤咲整形外科医院 本文へジャンプ
脱臼の整復


古くて新しい 整形外科手技の代表

 整形外科ならではの治療に、関節脱臼の整復があります。
 手、足、頚椎に及ぶまで、さまざまな種類の整復があります。
 現在も進化を続ける、奥深い手技です。

   

 脱臼治療。さまざまな方法がある中で、手術によらない治療の代名詞的存在が、徒手整復と思います。およそ想像できる関節で、徒手で治療できない関節はないといっても良いでしょう。もっとも、安全かどうかは、問わないとして、ですが。
 すなわち、関節周囲組織の損傷、整復後のずれやすさ、一定時期の固定の必要なこと、などのこともあり、、応急の処置として貴重ですが、唯一の治療とは限りません。脱臼の部位、脱臼の形態、その方の就いている職業、しているスポーツ、年齢、内科的な合併症のあるなし、などによって、治療方針が選択されます。手術が第一選択である場合も、あると言うことです。
 脱臼自体は、医聖、ヒポクラテスが肩関節の徒手整復を著述に示すはるか以前からあるものですが、治療の方法は、変わってきています。変わらないのは、関節機能を、より元に近い状態に回復させようという情熱です。ちなみに、ヒポクラテスの方法は、脱臼した腕を、一生懸命に引っ張る、というものです。
 当院宛に紹介された方などの、脱臼後の関節を、拝見することがあります。添えられたレントゲン写真など、しみじみ眺めていると、前医の治療の方針と、ここをこう治療しよう、という思いが伝わってきます。
 映画やドラマで、かなりどっきりさせられる脱臼治療を、見かけることがあります。ひるがえって、良い徒手整復を見ると、製作に当たった方の熱意まで感じます。映画やドラマで脱臼の治療を見かけたときは、注目してみてください。
 2007.5藤咲整形外科医院 院長 藤咲 裕