04/04/27 統一補欠選挙の結果に思う

 25日に行われた統一補欠選挙の結果は自民党の圧勝に終わった。実際には公明党が推薦し、公明党の支持母体である創価学会票が大量に自民党に流れたことを考えれば、連立与党の圧勝と言い換えることもできるだろう。

 民主党が広島5区と鹿児島5区で勝てなかったことは保守的地盤であるということを考慮すると仕方がないことであるが、都市部で無党派層の多い埼玉8区で勝てなかったことは参議院選はもとより、次期衆議院選にも大きな影響を及ぼすのではないだろうか。

 何を隠そう、埼玉8区は私の実家のある所沢市である。今回の補欠選挙は新井正則前代議士(自民党を離党、公職選挙法違反で起訴、現在公判中)の辞職に伴うものであった。民主党の公認候補であった木下厚前代議士は前回の衆議院選で小選挙区では次点で敗れ、比例代表で復活当選を果たしていた。自民党代議士の買収事件の後で、追い風が吹きながらの選挙で敗北したというのは党の責任である以上に、本人の責任も大きいのではないだろうか。

 木下氏は2000年の衆議院選で当選しながら、地元での活動は目立たなかった。私が仕えた2人の民主党衆議院議員が国会での活動はもとより、地元での活動を精力的にこなしていたのと比べると、何もしていなかったに等しい。初当選後の4年間でビラが入っていたことは皆無に近いし、駅頭立ちで見かけたということもない。国会においても外務委員でありながら、その活躍を耳にしたことは一度もなかった。

 民主党支持者の私をもってしてここまで酷評することができるのだから、無党派層の足が投票所に向くとは到底思えないし、まして投票するということもないだろう。並木正芳元衆議院議員(自民党宏池会)が候補者一本化のため立候補を見送った時点で今回の選挙の結果はすでに見えていたのかもしれない。木下氏は「落ちるべくして落ちた」のである。

 木下氏は今回の落選を機に政界を引退するという。要は簡単にあきらめられるほどの志の弱さなのである。「国民の代わりに議論する士(サムライ)」や「命もいらず、名もいらず、官位も金も望まざる者ほど御し難きものはなし。しかれども、この御し難き者にあらざれば、国家の大業を計るべからず」の気概のない者は政治家であるべきではない。

 ところで、今回の補欠選挙惨敗にもかかわらず菅直人代表は公式には沈黙しているようである。政府に説明責任を散々求める人なのだから、今回の惨敗の説明責任も果たしてほしいものである。あれほど口の達者な人なのである。「沈黙は金」というゆくまい。