●写植機
コンピュータ以前、文字分野はほとんどこの写植が受け持っていました。コンピュータの影響を一番悪い方向に受けてしまったのがこの業界でしょう。写真は写研のPAVO-KY。写研はモリサワと並ぶ写植2大ブランドです(リョービの書体も良い味出してましたが)。でも今考えてもコンピュータ・フォントより写植の職人さんの打った文字の方が、文字だけに限定して言えば優れていると思います。組み方も、書体自体も。石井明朝を始めとする写研書体の、フォントとしての発売を熱望しているデザイナーも多いでしょう。できればモリサワの半分以下の価格で。



●写植文字盤
大きい方がメインプレート、小さい方はサブプレート。ガラスに文字を焼きつけてあります。当然落せば割れます。普段使う文字はほとんどメインプレートに入っていて、サブプレートは欧文や記号、あまり使わない文字等。これを上のマシンで1文字1文字印字して印画紙に焼きつけます。文字盤は高価で、サブプレートでもコンピュータのフォントの数十倍でした。


●写植級数表
写植の指定に欠かせないシートです。ベタ打ち基準に文字の入るスペースと文字数を割り出します。今考えると凄いことをしていたんですね。今なら文字数やスペースは入れてみてから考えることもできるのに、当時は発注前にすべて決めなければならなかったんです。ちなみに料金はA4サイズ一杯にツメ打ちボディーコピーとキャッチフレーズ数本が3万円位。変更があればまた別料金です。