「実用英文法」いる英文法いらない英文法〜動詞その6




● QUESTIONS AND ANSWERS

 今まではお寄せいただいた質問は全て個別にお答えしてきましたが、疑問点 を共有することで理解が一層深まるのではと考え、その一部をここに載せるこ とにしました。

「 marry は他動詞だが、be married to と marry の後に to という前置詞が きているのはどうしてか?」

  marry は他動詞ですから後ろに前置詞はきません。自動詞として使われる場 合、marry into 〜(〜へ嫁ぐ)という言い方はできます。

 ただ、be married to 〜 と受動態でよく使われるので混乱します。他動詞と 自動詞をきちんと考える場合、これはとても大切なところです。

 受動態(〜によって〜される)とは次のような表現方法です。

主語 + 動詞 + 目的語 - (能動態)
目的語の主格 + be + 過去分詞 + by + 主語の目的格 - (受動態)

He loved her. (彼は彼女を愛した)を受動態にすると
She was loved by him. (彼女は彼によって愛された)になります。

 ただ、by 〜(〜によって)が時に by 以外の前置詞がくることがあります。
marry がその場合で、by ではなく to になります。

She married an office worker. (能動態)
An office worker was married to her. (受動態)

 marry の場合は受動態の方がよく使われます。be interested in もそうです。 interest(興味をもたせる)は他動詞で、受動態になる場合、by ではなく in を前置詞にとります。be surprised at もこうしてできたイディオムです。

 ですから、marry to him とはいえません。必ず be married to と受動態の 形をとります。




● 前回の復習 〜「混同しやすい自動詞、他動詞」〜 part 2

1. 彼は父親似だ。

He resembles to his father.(×)
He resembles his father.(○)

2. 彼女はサラリーマンと結婚した。

She married with an officd worker.(×)
She married an office worker.(○)

3. 私は彼らと環境問題について議論した。

I discussed the environmental problem with them.(○)
I discussed about the environmental problem with them.(×)

4. 私の提案についてよく考えて下さい。

You must consider about my proposal.(×)
You must consider my proposal.(○)

 resemble、discuss は他動詞しかありませんでしたが、marry、consider には自動詞がありました。自動詞で使った場合は次のようになります。

She married into a rich family.(彼女は玉の輿に乗った)

You must consider carefully before you decide.
(決める前に慎重に考えなさい)




 それではさっそく、今日の Lesson に入りましょう。

● <動詞その6>「混同しやすい自動詞、他動詞」〜 part 3

 それでは、今回も同じようにどちらが正解か考えてみて下さい。

1. 誰もがあなたの成功を望んでいます。

We all hope for your success.
We all hope your success.

2. ここでタバコを吸ってもいいですか。

Do you object to me smoking here?
Do you object me smoking here?

3. 私は彼に無礼を詫びた。

I apologized him for my rudeness.
I apologized to him for my rudeness.

  hope(希望する)、object(反対する)、apologize(謝る)はいずれも自 動詞です。ですから次に前置詞が必要です。正解は、もうお分かりですね。今 までと同じように、間違っている方に×をつけておきましょう。




 hope, object は他動詞としても使います。ただし、それぞれ次のようなきま りがあります。

 hope を他動詞で使う場合、Lesson 2 で出た reply と同じように、that-節 (節とはひとつの完全な文のことです)がきます。

We hope that you will succeed in your business.
(仕事での成功を願っています)

 これを We hope your success. というと間違いです。hope は目的語に名詞 をとることはありません。

 hope の目的語は、不定詞の名詞的用法 : We hope to see you again. か、 上記の that-節 かの2種類です。

 hope と似た意味で、wish という単語がありますが、これは他動詞なので、 We wish your success. ということができます。この場合 your success が目 的語です。

 誰もがご存じのフレーズ : We wish you a Merry Christomas. はこの用 法です。 you と Christomas の2つの目的語がここにはあります。

 object を他動詞で使うと、hope、reply と同じく that-節 がきます。
object が他動詞で使えるのはこの場合だけです。

They objected that a new airport would pollute the environment.
(新空港は環境を汚染するので、彼らは反対した)




 apologize には自動詞しかありません。使われ方には次のようなきまりがあ ります。

 apologize to (人)for(事柄) : その人に、その事柄に対して謝る

He apologized to her for coming late.(彼は彼女に遅刻したことを謝った)

 このように動詞は全て用法が決まっています。これを一つひとつ覚えなけれ ばいけなせん。この作業は大変な労力を要しますが、覚えてしまえば英文を読 む時も聞く時も、次にはどんな単語がくるか、簡単に予測できるわけです。そ れが無意識にできるようになれば、違った世界が目の前に広がっているのでは ないでしょうか。

 〜 今日はこれで終わります。お疲れさまでした。〜





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