サティパッターナ・スッタ (Satipatthana Sutta) 大念住経 又は 大念処経



一次思考 (initial thinking) と 二次思考 (continued thinking)

感覚器官 (視覚、聴覚、嗅覚、味覚、体性感覚、心) に入る情報 (光景、音、匂い、味、感触を生むもの、心の中味) を認識する時に働く機能のことです。

一次思考 (パーリ語:vitakka) : 言葉による思考 (ものごとを認識する時の基本的な働き - 認識対象把握)

二次思考 (パーリ語:vicara) : 言葉によらない思考 (認識したものごとを思慮熟考する働き - 認識対象維持)

中村元監修の 「大念処経」では、「粗い考察 (一次思考)」、「微細な考察 (二次思考)」と訳されています。

ティク・ナット・ハン著の 「ブッダの<気づき>の瞑想」 によると、「最初に生まれる知覚 (一次思考)」、「それに続く思慮 (二次思考)」 と訳されています。

「大念処経」の第三訳本では、「知覚 (一次思考)」、「観察 (二次思考)」 と訳されているようです。

さまざまな情報を参考にして、さまざまな用語での訳を試みましたが、vitakka (ヴィタッカ) にしても、vicara (ヴィチャーラ) にしても、日本語にはない概念なので、無理に日本語にすると、かえって誤解を生むのではないかと考えて、このホームページの訳では、「一次思考」、「二次思考」 としました。

現代の脳科学では、考えを巡らせる時に、初期設定回路と任務遂行回路という二つの脳のシステムがあるようです。初期設定回路では検討する条件を認識して、任務遂行回路では目標を達成する行動を検討するということです。vitakka (ヴィタッカ) と vicara (ヴィチャーラ) と関連づけて考えると、とても興味深いと思いました。

vitakka (ヴィタッカ) と vicara (ヴィチャーラ) に関して、さらに詳しいことは こちらのサイト を参照してください。










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