サティパッターナ・スッタ (Satipatthana Sutta) 大念住経 又は 大念処経

人生の苦悩から解放

ゴータマ・ブッダが人生の苦悩から解放されるために発見した方法について、世界的なベストセラー「サピエンス全史」に、こんな記述があります。

「心はたとえ何を経験しようとも、渇愛をもってそれに応じ、渇愛はつねに不満を伴うというのがゴータマの悟りだった。心は不快なものを経験すると、その不快なものを取り除くことを渇愛する。快いものを経験すると、その快さが持続し、強まることを渇愛する。したがって、心はいつも満足することを知らず、落ち着かない」

快も不快も、不満しかもたらさないのだから、快や不快に支配される人生の根本は「苦(不満)」なのです。そして、ゴータマ・ブッダは、その「苦(不満)」から解放されるための方法を発見しました。

「心が何か快いもの、あるいは不快なものを経験したときに、物事をただあるがままに理解すれば、もはや苦しみはなくなる。人は悲しみを経験しても、悲しみが去ることを渇愛しなければ、悲しさは感じ続けるものの、それによって苦しむことはない」

「この修行で心を鍛え『私は何を経験していたいか?』ではなく『私は今何を経験しているか?』にもっぱら注意を向けさせる」

物事をただあるがままに理解するために、ゴータマ・ブッダが開発した瞑想術が、ヴィパッサナー瞑想です。ヴィパッサナー瞑想の方法を具体的に述べているのが、このサティパッターナ・スッタ(大念住経)です。

注)「サピエンス全史」ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田 裕之訳、河出書房新社 2016年引用。










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