我執
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我執は捨てなければいけないといわれていますが、「日常の自分」を「本来の自分」へと歩ませるのは、その我執です。問題は、我執によって「日常の自分」が「本来の自分」を見失うことでしょう。それは自分ではないものに執着することです。 利己主義は、結局、自分を損なうことになるので、慎まなくてはいけませんが、どのような自分であっても、自分を認め大切にすることが不可欠です。「日常の自分」が「本来の自分」を見定める我執を持つこと、これはとても重要なことではないかと思います。 というのも、「日常の自分」に対する我執を持つことで「本来の自分」が、漠然とながらも見えてくるからです。私たちは体験していることには気づいていても、体験者には気づいていません。その体験者とは、スクリーンの中の「日常の自分」ですが、それは観客席にひとりいる『唯我独尊』の「我」なのです。
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