文学shortコラム (アメリカ文学)


ローカル・カラーの文学


 ローカル・カラーの文学(地方主義文学運動)は、南北戦争の終わり頃から活発になります。それまでの文学の中心は、ニューイングランドやニューヨークでしたが、ローカル・カラーの文学は、そこから離れて、孤立した地域を舞台にしています。

 ローカル・カラーの作家たちは、目の前で薄れ、色あせていく古くからのものに対して、記録をとどめる歴史家のように、自分たちの土地の生活を詳細に、正確に描写していきました。彼らは個人的な経験から出発し、特異な限られた環境の中の、限られた事実を記録し、その土地独特の条件によって形成された生活を描いていきます。

 代表的な作家としては、メイン州の海岸地域の生活を描いた女流作家のセアラ・ジュード(1849-1909)、ニューオリンズのクレオール(植民地)の文化を描いたジョージ・ケイブル(1844-1925)、西部やミシシッピー河流域地方の生活を描いたマーク・トウェイン(1835-1910)などです。

 これらのローカル・カラーの作家たちは、それぞれの地域の特殊性を出すために、その地域特有の話し言葉を作品世界の中に持ち込みました。先回も触れましたが、このことがリアリズムに大きく貢献することになりました。




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