ULTIMATE

「アルティメット」、究極を意味する単語を名前に持つこのゲームは、フライングディスクスポーツの中でも最も激しいゲームである。各7人からなる2チームが、縦110m×横37mのコートを縦横無尽 に走り回る。オフェンスはパスをつないでゴールを目指し、ディフェンスはオフェンスを阻止すべくマークする。パスとランのみでオフェンスをするこのゲームに必要なのは、針の穴を通すような正確なスロー力、ディフェンスをかわして走りつづける強靭な体力、瞬間に状況を見極める判断力、そして、緻密な戦術をたてる知力である。まさに「究極」の名にふさわしいゲームである。

コート



縦100m×横37m。両端18mがエンドゾーン、エンドゾーンに挟まれた部分がプレイングゾーンである。それぞれのエンドゾーンの四隅にはマーカーコーンなどが置かれる。地面は、出来る限り平らで起伏のない場所が望ましい。きれいに刈られた芝生ならいうことなし。


ディスク

一般的にはディスクラフト社製のウルトラスターを使う。

用具

敵味方の区別をつけるために、当然揃いのユニフォームが必要だが、特に決まった形のユニフォームやスパイクはない。ユニフォームで最も多いのがオリジナルデザインのT−シャツに短パンという形。最近はサッカーユニフォームも人気である。珍しいところでは、バスケ用のタンクトップや女子チームではポロにスカートというところもある。独自のユニフォームを作ることもこの競技の楽しみのひとつである。また、スパイクに関しては、アメフト用、サッカー用のスパイクが人気が高い。但し、鉄製部分があるスパイクは禁止。ソフトボール用スパイクを履くプレーヤーもいる。

方法

ゲーム前に先攻と後攻を決める。それぞれのチームのメンバー7人は、始めに守るべきエンドゾーンのゴールラインに並ぶ。ディフェンスチームが相手チームに向かってディスクを投げること(スローオフ)によってゲームは開始する。オフェンスチームはそのスローオフを受け、そこからパスによってディスクを攻めるべきエンドゾーンに向かって進めていく。ディスクを持ったプレーヤーはそこから動いてはならない。軸足を決め、ピボットによってディフェンスをかわし、味方にパスを出す。最終的にエンドゾーン内でオフェンスチームが味方からパスを受け取れば1点。パスを成功させるためには、ディスクは必ず空中になければならない。地面に落ちたらその場で攻守交代となる。また、ディスクがコート外に出た時も同じである。ディスクを持ったプレーヤーは10秒以内にスローしなければならず、10秒以上ディスクを保持した場合は攻守交代となる。ディフェンスはマン・ツー・マンやゾーンディフェンスで攻撃を阻止するが、身体接触や、オフェンスが持っているディスクを奪い取るような行為はファールとなる。オフェンスチームが点を取ったら、そのチームはそのエンドゾーンのゴールラインに 並び、点を取られたチームは反対側のゴールラインに並ぶ。両チームがラインに並んだら、点を取ったチームが相手チームにスローオフをし、次のプレーが始まる。つまり、どちらのチームが点をとっても、1点ごとに攻める方向が変わる。試合時間はトーナメントや、予選、決勝などで多少変わるが、現在、全日本選手権では、40分ハーフ(レディースは30分)で行っている。

どこでできる(見られる)?

現在、県内では「東海オープンアルティメットシリーズ」が、年間3戦開催され、年間チャンピオンを決めている。また、年に2回、春と秋に「東海コーエドアルティメット」と称して、ピックアップ(個人申し込みで、当日のくじ引き等によってチーム分けをする方式)の男女混合交流戦も行っている。東海オープンはチームを組まないと出場できないが、東海コーエドは、個人でも参加できる。また、「大忘年会アルティメット大会」などは、最も気軽に参加できる大会で、徐々に人気が出てきている。練習に参加したい、見学したいという方は、各チームの練習状況を当協会が把握している範囲でお教えしますので、お気軽にご連絡下さい。
全国的には、日本フライングディスク協会主催の「全日本アルティメット選手権大会」と、日本学生フライングディスク連盟主催の「全日本学生アルティメット選手権大会」が年1回ずつ開催されている。どちらもトーナメントも各地で予選を行い、勝ち残った数チームだけが本選に出場できるという大規模のトーナメントであり、参加人数は1,000名を超える。「全日本選手権」は、最も権威のある伝統ある大会で、学生、社会人の枠を取り払い、真の日本一を決める大会である。毎年9月から各地で予選が始まり、10月に栃木県宇都宮市で本選(準決勝戦まで)が開催され、決勝戦は、11月に夢の島競技場(東京都江東区)で行われている。「学生選手権」は、毎年8月上旬に予選を行い、同月下旬に、東京駒沢陸上競技場で決勝戦を開催している。最近の学生の間でのアルティメットの人気の高まりは非常に大きく、今後、更に大きなトーナメントになることが予想される。学生連盟の主催では、この他に、「全日本学生新人アルティメット選手権大会」があり、毎年11月末〜12月初旬に栃木県宇都宮市で開催されている。
その他、アルティメットプロショップ「ClubJr.」が毎年3月に富士市で開催する「ドリームカップ」は、なんと一度に1,500人が集まる、世界でも例を見ないほどの大規模な大会で、国内で最も人気のある大会である。
アルティメットは非常にエキサイティングな競技であり、見て いても楽しいので、興味のある方は、是非、観戦に足を運んでいただきたい。