2004.09のつぶやき To Lounge  Index 



ベビにとって泣くのが仕事とはよく言われますが、原因不明でぐずっていたら泣きやませようとするのが親の常でございます。 昨日も大人の夕食が終わってやれやれとテレビを見ていたらベビがぐずり始めました。 「はいはい、よしよし」とあやすも、なかなか落ち着いてくれません。 その時ふとテレビ画面に目をやると平井堅が出ているではありませんか。 平井堅は私が妊娠中によく聴いていた人だし、赤ん坊は胎内で聞いていた音に安心すると言います。 「ほら、平井堅だよ〜」とベビの顔をテレビに向けました。

…無視、そしてぐずぐず。

いいけど。 あまり期待してなかったし。

引き続きベビをあやしていると、テレビはGacktに替わりました。 ダメ元で「ほぅら、エエ男やで〜」ともう一度画面に顔を向けさせると…なんとピタリと泣きやみました。 しかも食い入るようにテレビで歌ってるGacktを見つめているし。(テレビとベビの距離は1m超) ええぇぇぇえ、見えてるの? しかもGacktが好きなの? もしかしてメンクイ? 妊娠中にGacktなんてほとんど聴いていないのに。

そしてGacktの出番が終わると再びぐずりだしたベビでした。 わかりやすっ。

(2004.09.28)


母曰く「寝てるときは麒麟似で、目を開けたらほたるさんそっくりねぇ」と申します。 しかし先日母の友人がベビの顔を見に来たとき「今は寝てるんだけど、目を開けたらもっとかわいいのよぉ〜」と申しました。 ちょっと待てや。

さて、三連休を使ってほたちゃんがベビに会いに来ました。 時間制限もなく好きなだけ構いたおせるのはこれが初めてですので、それはもう踊るような足取りだったのでしょう。 その一週間前にベビはすでに物を目で追うようになってきました。 なので「何か見るものを持ってきたら喜ぶかもしれないよ」とメールしておきましたら、お土産にガラガラとメリーゴーランドを持ってきました。 そこに入っていた広告を何気なく見ますと、こんなものを発見!

タイガースのベビー服

「かわいぃ〜、つぎはこれを買ってきて!」と言いましたら、ほたちゃんは「はぁ?」と渋い顔。 何事かと私の手元をのぞき込んだ母は「ダメ!絶対ダメ!かわいくない!男の子になっちゃう!」と猛反対。 うーん、かわいいと思うのは私だけですか?

(2004.09.21)


ベビが退院して早や一週間が過ぎようとしています。 「完全母乳で夜の授乳もラクチーン」と思っていましたら、ベビの吸う力というのが半端でなく乳首に血豆ができてしまいました。 痛くて授乳はできないわ、入院中に比べて母乳の出る量は減っているわで、今は搾乳と人工乳で何とかやってます。

さて妊娠中の予定では「生まれたベビにお互いが考えた名前で呼びかけてリアクションがあった方をベビの名前にしよう!」だったのですが、諸事情によりそんな悠長なことを言ってる暇はなくなってしまいました。 ベビに医療措置が必要になったため、早急に保険証を作ってくれと病院から言われたのです。 保育器に入っているベビはグッスリ眠っているし、こちらも頭がパニックになっていて名前を呼びかける余裕はありませんでした。。 二三回面会のチャンスがあれば少しはチャレンジもしたのでしょうが、時間的に無理でした。 となると道はただ一つ、民主主義的に話し合って解決するしかありませんがそもそも最後まで候補を一つに絞りきれなかったのはお互いが自分の考えた名前がベスト!と思っているからこそです。 ちょろっと話し合ったくらいでどうにかなるような問題ではありません。 しかしどうにかしなければなりません。
「麒麟Jr.がいいな」
「ほたるJr.ってことでいいんじゃない?」
譲り合い精神に欠けた夫婦なんですよ、私らは。

このままでは埒があきません。 ちょっと切り口を変えることにしました。
「十ヶ月の間、ベビをお腹に入れてたのは私だよ」
「…」
「つわりもしんどかったし、切迫早産で安静にもしたし、陣痛もすごーく痛かったなー」
「…」
つわりや切迫早産の時ほたちゃんにほとんどの家事を担ってもらって非常に助かったのですが、それはこの際大きな棚に上げておきます。
「裂けたり、切られたりもしたしさー」
「…うーん」
「私の出血も多かったんだってー」
「…まぁねぇ」
「私が陣痛でうなってるとき、君は何をしていたのかなあ」
「…いやだってどうしようもないし」
「私は文字通り身を裂くようにして子供を産んだわけよ。だから麒麟Jr.って名前にしない?」
「…」
卑怯と誹るなら誹れ。 懊悩するほたちゃんに勝利を確信した瞬間のことでした。

「じゃあ、次が女の子だったら俺が名前を付ける!それでいいなら麒麟Jr.にしよう」

ぬお、そうきましたか。
「次が女の子だったら、ほたるJr.って名前にするってこと?」
「いや使える人名漢字が増えるから新しく考えるけど、俺が考えるってことで」
「次が男の子だったら?」
「それなら二人で考えよう」
おいおい、そんなに女の子の名前を付けたいのか。 しばし迷った末に私は頷きました。
「わかった」
そして一拍の間をおいて釘差し。「でも産むのめちゃくちゃ痛かったから当分二人目は作らないよ」

ということで、めでたく名前が決まりました。 ベビは麒麟Jr.こと『脩理(ゆうり)』と命名されました。 「理(ことわり)を修める(脩は修と同義)人になって欲しい」との思いを込めて考えた名前です。 ちなみにほたるJr.は『佳澄(かすみ)』でした。 ほたちゃん曰く「字面のいい漢字を選んで、意味は後付け」なので無理矢理後付けしてみると「心身共に美しく澄んだ人になって欲しい」ってとこでしょうか。 名字とのバランスがよろしくなかったのが反対していた原因でした。(今となっては昔のことですが)

実はベビが産まれた直後の初めての対面の時、朦朧としていた私はベビに向かって呟いていました。
「ああ…脩理…」
この時に「この子の名前は脩理にしよう!」と決意したのです。 作り話みたいな本当の話です。

(2004.09.16)


無事に出産が終わりました。 ずいぶん前のことのように思うのですが、それは九月一日のことでした。 明け方四時頃にお腹の痛みで目が覚めたのです。 「冷えたかな?」と思い、特に気にせずにまた寝たのですが、六時頃に再びお腹に下痢系の痛みが走って目が覚めました。 その後もシクシクとお腹が痛むので寝るのをあきらめて起きました。 これが本当の陣痛なのか、前駆陣痛なのか、はたまた単なる下痢なのか、この時点ではまったく判断が付いていませんでした。

ところがトイレに行きますと出血しているではないですか。 仰天して病院に電話をすると「すぐ来てください」と言われたので母と病院へ行きました。 後から考えると出血は「おしるし」で、それほど動揺する必要はなかったのですが。 主治医が駆けつけて取りあえず内診台に上がったら、腹から水がじゃーっと流れ出すではないですか。 内診をしかけた医者が「あ、破水していますねえ。いつからですか?」と訊いたので、これがあの破水かと思いつつ「たった今です」と答えました。 どうもこの先生はそれをそのままカルテに書いたらしくて、後で看護婦さんに「破水の時間が『ついさっきから』って書いているんですけど、何時頃始まったんですか?」と訊かれました。 時間を書いておいてくださいよ、先生…

破水が確認されたのでそのまま入院となりました。 初体験の車椅子で入院病棟まで運ばれましたが、その途中押してくれている看護婦さんが「赤ちゃんの位置が高いので後で下げるために階段を上り下りしてもらいますね」と言うので、「この痛みで階段を歩かなきゃいけないのか」と憂鬱に。 陣痛室なるベッドが二つ並んだ部屋に連れていかれて横になり、抗生物質を点滴されたり(点滴初体験!)陣痛促進剤を飲んだりしておりましたが、点滴の途中で吐いてしまいました。 いったん病室に戻って母が昼食にと持ってきてくれた梨を食べて陣痛促進剤を飲みましたが、また戻してしまいました。 薬を飲む意味がないじゃん! そして良い梨だったのにもったいない、と言ったら母が「まだまだ余裕あるじゃない。先は長いわね」 看護婦さんにも「産まれるのは夜の十時くらいでしょうねえ」 げっ。

二時くらいに看護婦さんに「陣痛室に行きますか」と訊かれて、やせ我慢で「いえ、大丈夫です」と答えたはずだったのにいつの間にか陣痛室に移動することになりました。 それからはもう記憶があやふやです。 母のブラウスを引きちぎりそうになったり、爪を食い込ませたり、悲鳴をあげたりと一通りのことはやったような気がします。 それでも後から母に聞いたところによれば「看護婦さんがおとなしい妊婦さんですね、って言ってたわよ」だそうな。 みなさん、もっと凄まじい悲鳴をあげているようです。

当たり前ですが、陣痛も初体験でした。 覚悟をしていたつもりですが、まだまだ甘かったようです。 出産心得を読んで「鼻から息を吸って口から長く吐く」を練習していたのですが、それができないのです! 息を吐いているつもりで痙攣していました。 痛みを例えるときに「七転八倒」などと申しますが、転がっているうちはまだ元気だということを身をもって知ってしまいました。 痛くて寝返りもうてやしない。 更に途中で痛みのあまり気を失っていたようです。 そして一分ごとに陣痛の波がくるのですが、その痛みで目が覚めていました。 痛みで気を失い、痛みで覚醒、まさに拷問です。

「いきみたいですか」と訊かれたときはやせ我慢も吹っ飛びまして「いきみ、たいっ」と喚きましたらドア続きの分娩室に連れていかれました。 このとき、三時半。 スリッパを履いている余裕がなかったので、陣痛の波の合間に素足でペタペタと。 「うつ伏せになってくださいね」と看護婦さんに言われて「うつ伏せ?それは腹がつっかえるから横向きでも良いかなあ」と横になっていたら「あ、間違えた。仰向けです」 どうして間違える?看護婦さん、そしてどうして間違いに気がつかない?私。

ここからはとにかく言われるがままに何度もいきんだり、力を抜いたりでした。 下半身は麻痺したようでもあり何やらなま暖かい感触もあるし、グリグリとこじ開けられているような感じもあるし、何が何やらでした。 陣痛室に残っていた母曰く、三時五十一分、私の悲鳴がした直後に産声が聞こえたそうです。 ドラマでよくあるパターンですね。 私のことだからもっと変わったことになるかと思ったのですが、実にありきたりな出産シーンでした。 残念。

産声はうがいをしているかのようなくぐもった声で、不審に思っていたら即座に小児科に連れていかれました。 羊水をかなり飲んでいたのと低酸素状態になっていたので緊急に処置が必要になったそうです。 私の方は裂けたり切られたりしたところをチクチク縫われながら医者に「ダルいところはないですか」と訊かれて「股がダルいです」「股は仕方ないですねえ」と苦笑されておりました。 身体全体が泥でも詰まったかのように重たくて分娩台の上でグッタリなっていましたが、寝るに寝られません。 産後ってそういうものらしいです。 孫を抱き損なった母を相手にぼつぼつとしゃべって二時間を過ごしました。 看護婦さんは「赤ちゃんかわいいですよ〜、見に行ってきますね〜」と行ってしまうし…。 あのぅ、かわいいって言われるのは嬉しいのですが親の私より先に見に行くってズルイですよ。 私だって動けたら見に行きたいのにぃ。(多分動けたとしても治療中なので見せてくれなかったでしょうが) ポラロイド写真を撮ってきてくれたので、それで我慢しましたよ。

フラフラヨロヨロと歩いて病室に戻ると、夕飯が出されていました。 空腹なのに食欲はなく、どうしようかと顔を上げたらちょうどほたちゃんが入ってくるところでした。 「ったく、出産が終わってから来るなんて役に立たないねぇ」とからかったら、「まぁね」と苦笑い。

ということで、一仕事完了しました。 やれやれ。 今は娘のために乳牛と化しております。

命名については次回『仁義なき戦い 〜予定は狂いまくり編』をお楽しみに。

(2004.09.12)




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