人体 〜横っ腹の痛み


食後に運動をすると横っ腹が痛くなる、このような体験をした方は多いだろう。 高校までは五時間目の体育が持久走だったりすると、みんなそろって横っ腹を抱えながら走っていた。 下手をすると一時間目の持久走でもかすかに痛みを感じることもある。 学校の体育とは身体に悪そうだなあと思ったものだ。

さて、この横っ腹が痛くなるという現象の原因が何であるかご存知だろうか。 キーワードは『食後』である。 『食後』が食前と違うところ、そう考えると第一に浮かぶのは胃であろう。 胃が空であるか満たされているかが大きな違いである。

運動を行うことで跳んだりはねたり走ったりと身体は激しい振動を感じることになる。 その際に物がつまった胃袋も当然振動する。 通常であれば支障のないこの行為も胃袋の重さが規定値以上になると話が変わってくる。 つまり胃袋の重さが増すことで、胃袋にかかる振動の際の衝撃が増してしまうのだ。

するとどうなるのか。

胃袋は重みに任せて他の臓器にまで衝撃を与えてしまう。 例えて言うならば、一本のゴムひもを想像して頂けるだろうか。 これの両端をそれぞれ指でつまんで上下に振ってみよう。ゴムひもは微かに振動する。 次にゴムひもの中央に重りをつけて振ると、先ほどとは比べものにならないほどの振幅となる。 これがすなわち満腹時の胃袋の状態である。

無論、体内は胃袋が自由に暴れまわるほどのスペースはない。 そこを無理に大きく振動しようとするため、他の臓器が刺激される。 一回一回は大した刺激でもないが、何度も繰り返されることによって次第に痛みが増してくるのである。 当然のことながら身体にもよろしくない。

ただし常に食後に運動を行っていると、この刺激にも身体が慣れてくる。 すると以前ならば敏感に感じ取っていた痛みに対して徐々に鈍くなってくる。 どうしても食後の運動を避けることができない環境にいらっしゃる方は、 このように逆に積極的に運動し感覚を鈍らせることによって痛みを回避してみてはいかがだろうか。

To Lounge   Index