W杯を見てきました。
でもサッカーのことはほとんど触れていません。 ほとんど仙台旅行記(しかも食べ歩き)になってます。
だってサッカーってよくわからないもんで…(笑)


2002年06月08日(土)

午後四時のエアポートライナーバスで空港に行く予定だったが、試算すると バスでも自家用車でも大してコストは変わらない。 なので、自動車で行きたいとおねだりをして聞き入れられた、わーい。 出発を三十分遅らせて家を出たが、IC直前でバスに出会った。 そこはかとなく競争心がくすぐられる。 どうやらほたちゃん(運転手)も同様だったらしい。 「バスよりも早く着くよ」とニヤリと笑う。 「えー無理でしょう。あっちだって慣れたもんなんだろうしねえ」などと 更に競争心をあおるような言い方をしたら、しっかりノセられたらしい。 びゅんびゅん飛ばしまくって、めでたくバスを大きく離して空港に到着。 って、時間を早めに見積もってたバスより早く着いてどーするのだ。

飛行機はとってもミニのエアバスという言い方がぴったりくるものだった。 狭いけどバスだと思えば別に不満も感じない。 しかも広島−仙台を一時間ちょっとで行けるなんて、文明ってすばらしい。 空はいい天気、快晴とは言わなくても晴れててよかった、と思いきや思ったより揺れる。 しかも上下に揺れる、これは厳しい。オエ。 下がるときの内臓が浮いて口から出ていきそうになる感覚が苦手なのだ。 機内でのドリンクサービスがあるが、ほたちゃんにはホットコーヒー以外を飲んでと頼む。 私はコーヒーの匂い(香りではなく匂い)だけでもダメなのだ。 何となく予想してたらしく「別にいいよ」と承諾してくれた。 ほたちゃんはアイスコーヒー、私はコンソメスープを戴く。 スープが意外においしい。確かコンビニでANAのコンソメは売ってたはず、後で買おうかな。

ホテルにチェックイン後、即夕食に行く。 やっぱ牛タンを食べなければ仙台に来た意味がない! ということで、牛タンの店を探す。 なかなか気に入ったところが見つからなかったが、ようやく小路の奥にある店にうりゃっとばかりに入った。 メニューはかなりシンプルで基本はタンと麦飯と牛テールスープとお漬物。 注文して出てきたのを見ると、漬物はきゅうりの塩漬け、牛タンはカルピ焼肉?って感じ。 外れだったかなと思って食べたら、めちゃうまい! 噛むと肉汁がでる。ウマー。もう至福でした。『名物にうまいものなし』なんてうそうそ。 仙台の牛タンってこういうレベルなのか。羨まし過ぎる。

帰りに「いやぁ、おいしかったねえ」と話しながら歩いていたが、途中でふとほたちゃんが 「何で牛肉全体じゃなくて、牛タン単体が名物なん?」と首を傾げた。 うーむ、盲点だ。ホント、何でだろう??? 『牛タン発祥の地』とかあったが、そうなんだろうか?

ホテルに帰ってから500mlの赤い発泡酒を飲んだせいか、12時前にノックダウンだった。




2002年06月09日(日)

いよいよ観戦の日である。 でも試合は三時半からなのでゆっくりできる。

ホテルを出てすぐ転びかけた。 あれっとサンダルを見ると紐が二本切れてしまって使い物にならない。 慌てて近くの靴屋に入った。うーん、不吉だ…

さて、まずは腹ごしらえとばかりに、デパートの地下に行く。 朝昼兼用ちうことで郷土料理屋と銘打った店を選んだ。 私は牛タン丼と白石うーめんなるもののセットをいただく。 うーめんはにゅうめんみたいなもんで、温かい汁にそうめんより太目の麺が入っている。 まずくはないけど全部はいらんって味。まずおつゆが茶色いので引いてしまったけど。 牛タンにはてんこ盛りの高菜漬けが付いてきた。 何かに似てると思ったらドイツで食べたソーセージのザワークラフトだ。 高菜と牛タンとご飯を一緒に食べるとかなーりハマる。帰ったら作ってみようかな。 ほたちゃんは『はらこ飯』と牛タンのセット。 場所柄あまり期待はしていなかったが、そこそこおいしかった。

土産を買って、駅のロビーのあたりを歩いていたら緑のTシャツでメキシカンハットをかぶり、 肌は浅黒く口ひげを生やしたたてにも横にもボリュームのある人が歩いていた。 「今日の試合のサポータかなあ、どっちの国の人だろ?」とほたちゃんに言ったら、 そのおじさんはいきなり私に向かって「メキシーコ!」と言って去っていった。 日本語が分かる人だったんかい?ビックリした…

電車に乗ろうとホームに行ったら大声で応援歌らしきものを合唱しているのが響いてくる。 あーうるさい。みんな元気が有り余っているのだろう。 電車の中でも大声ではしゃいでるメキシコ人(緑だったから)に苦笑するしかない。 まあ、お祭りだもんね。 サッカーではそれが普通だよとか言われて私はビックリだが。 と思いきや、一人流暢な英語で下車駅を説明している日本人青年もいたり。 一瞬、何人かわからなかったがメキシコ人と肩を組んでビデオカメラを自分に向け 「今電車の中でーす。メキシコのサポーターと一緒にいまーす」などとやってるところは生粋の日本人。 ほたちゃんは「すげー。英語しゃべってる」とそれだけで感心してるし。 感心するところが違う気もするが、まあいいや。 私はメキシコの対戦相手を何度聞いてもクロアチアと勘違いしてしまう。 「エクアドルだっつーの!」(byほたちゃん)

もともとローカル線らしく、電車はなかなか出発しない。 人がどんどん乗り込んできて、出発時にはギュウギュウ詰めになってしまった。 それでもメキシコ人は帽子をかぶったまま。 いや、普通の帽子なら私もとやかく言わないが、そのメキシカンハットはどう見ても直径が一メートルを越していそうな代物だ。 非常に邪魔っけ。 帽子を取れ!

会場の最寄駅は単線だった。 ローカルにも程がある。客の一人が「これはW杯をする駅じゃないよ」と言っていたが激しく同意。

会場に行くと外国人サポータがあまり目立たなく感じた。 日本人が結構多いのかな? もうとっとと会場に入ろうかということで、入場の列に並ぶ。 事前に身分証明が必要と聞いていたから保険証まで持っていったのに何も言われなかった。ぶー。 ボディチェックや持ち物検査もあったが思ったほど厳しくはなかった。 私ならピー…(自主規制)してテロるな。(何でそういうことを考えるかな)

座席は日本人で固まっていた。 チケット発行などの手間があるせいだろうけど、ちょっとつまらない。 本場のサポータ振りを肌で感じたかったなあ。 ペットボトルのジュースが一本250円、これって外で買ったら150円でしょ。 ボッタクリすぎじゃ!

会場は山間部にあるせいか、風が半端ではない強さで吹いている。 屋根のある席だったので寒いくらい。 暑さ対策に扇子なんぞ持っていったが必要なし。 カイロでも持ってくればよかったと思うくらい肌寒い。 ほたちゃんの上着を剥ぎ取りたかったが却下された。ちっ。

この時点になってようやく対戦相手がエクアドルだと認識する。

前座というかイベントの一環だろうか、雀踊りが披露される。 あんまり関心がない模様(特に外国人は)。英語の説明が『SUZUME DANCE』には泣けた。 何か変…

ウォーミングアップで選手がフィールドに登場すると、スズメダンスとは比べ物にならないくらいの拍手と歓声が沸いた。 ほたちゃんも私の(ここ強調)双眼鏡を奪ってメキシコチームを見ている。 彼のお目当てはメキシコの天才キーパー、カンポス君なのだ。 「見えた?」と訊くと「それらしい人はいるんだけど顔が違う気もするしなあ」とのこと。 結局カンポス君は試合にも出なかったし、残念だったね。

私はあまりサッカーに興味がなく、二時間(前半+ハーフタイム+後半+ロスタイム)のあいだ暇だろうなと思っていたが、 いざ試合が始まるとボールを目で追っているうちに時間を忘れてしまった。 前半終了のホイッスルがなったときには心底驚いた。 途中で分からないことがあると、ほたちゃんに訊けば教えてくれた。とても嬉しそうに教えてくれる。 ホント、サッカー好きだね。 知らないなりに楽しめた二時間でした。

楽しんだ後は苦労が待っている。 帰るのは大変だった。最寄駅までのバスに乗るのも一苦労、駅についたら電車に乗るにも更に待つ。 行きは三十分くらいで帰りは二時間以上かかった。 メキシコのサポータは待ってる間も上機嫌に合唱していた。 その元気を分けて欲しい…

JR仙台に到着すると八時近い。こんなに時間がかかるのか。 そこから夕食の店を物色する。散々迷って居酒屋っぽいところに入る。 売りは京風おでん。ここまで来て京風もおでんも食べたくない。 結局牛タン定食にした。牛タン三昧だなあ。 この店はひっじょおーにサーブが遅かった。朝切れたサンダルの紐はこれを意味していたのかも。 しかも牛タンは硬くて、三回食べたうちでは順位は一番下だ。ぶー。 あと定食についてくる漬物が異様にしょっぱい。昨日食べたところのもしょっぱかった。 そういえば仙台って東北地方、味付けが濃い地域なんだろうか?

ホテルに戻ってお風呂にゆっくりつかって上がったら眠くて仕方がなかった。 思ってたより疲れたらしい。パタンキュー。




2002年06月10日(月)

飛行機は朝の十時過ぎなので目覚ましにたたき起こされる。 広島−仙台は一日に二本しかないので選びようがないのだ。でも眠いなあ。 寝坊したらシャレにならないのでチャキチャキ準備してチェックアウトしてバス乗り場に行ったら、 予定より一本早いバスに乗れた。 どうやら急かしすぎてしまったか。

飛行機のチェックインをしたら朝ご飯に向かう。 適当に店を選んでモーニングを頼んだが、おっそろしく待たされる。 モーニングにこんなに待たすか?三十分くらいは待ったぞ。 昨日切れたサンダル紐の呪いはまだ続いていたのか?

土産売り場をぶらぶらしていたら『ずんだ餅』を見つけた。 食べたことがないので、朝食後にも関わらず試食サイズのを一個購入。 味は…。ほたちゃんにもあげる。一口食べて「俺、もういらん」
枝豆に砂糖をぶちこんだようなもん?とにかく甘すぎるんだけど… 私もいっぱいいっぱいだったが、餅だけほじくり返して食べた。後は捨てた。ごめんなさい。 無駄になった量が少なかったのがせめてもの救いかな。 ずんだ餅の売店のおじさんは「おいしかったら、もう一回来て買ってってよ」と言ってたが二度と行くことはないだろう。

あまりに口の中が甘ったるかったので、機内のドリンクサービスは再びコンソメスープを戴く。 口直し、ふーっ。

広島に帰還。 また高速道路を通って帰るわけだが「飛ばす?」と訊くと「いや、マターリと帰るよ」 でも私は見た。メータは120km/hを越えていた。 「キミのマターリは120km/h超すんかい!」と思わず突っ込んでしまいましたがな。



レポータ:麒麟