released:Nov. 12,1999

あの時のあの音楽 

 

60年代、70年代は

確かに若者には音楽はいろいろ刺激を与えました。

私も音楽特に洋楽ぬきには、今の私の価値観は生まれなかったでしょう。

 

私が音楽に惹かれていったのは、

たぶんTVのザピーナッツやスリーファンキーズが司会の

「ザヒットパレード」を

見たのが最初ではないでしょうか?。

そのなかで「心の届かぬラブレター」や「情熱の花」などを聞き、

オリジナルはどんなかな?などと

洋楽に興味を持ち、

ビルボードやキャッシュボックスのヒットチャートを毎週、毎週

ラジオやFEN(コレもラジオですが)

雑誌「ミュージックライフ」、

はたまた、レコード店や音楽出版社の人とコネを作り

毎週のチャートリストを手に入れ、

さらにはビルボードを手に入れたりしたこともありました。

ビルボード誌を半年分くらい持っていた記憶があります。

 

そのなかでビーチボーイズやフォーシーズンスなどを知り、

遂にビートルズの登場の刺激を受けるわけです。

このころは

仲の良い音楽仲間と中古レコード屋に

学校帰り、

毎日のように足を運び中古シングルをこずかいのゆるせる限り、

月に数枚手に入れてました。

また、それぞれで

自分独自のトップ20ランキングを決め、

自分がディスクジョッキーとなってテープに吹き込んだものを

毎週交換していたこともありました。

 

その後、大学に進んでからはロックと出会い、

ヒッピームーブメントや反体制、

ベトナム戦争反対イベント、

学園祭での無料コンサートの主催などを経験しました。

当時は学生運動の連中もロック音楽は

反体制、反ビジネス的な

位置づけでなにかにつけて歓迎されていました。

私も

ロック音楽の反体制精神にかぶれ、

ジーパンを引き吊りながら歩いたり、

長髪にしたりしていました。

ですから、このころはアメリカの権力主義的なものに反発を感じていました。

もう少し若い頃、

ビートルズを含むビートルズ登場以前は、

あこがれであった

アメリカ文化だったにもかかわらずです。

 

さて、このような10,20代をすぎ、

今は40代最後の年をすごしてるわけですが、

これらの音楽体験はどのように今に影響してるのか?考えてみました。

 

一つは、少なくとも私は22歳で会社に入り、

若い頃の

ヒッピームーブメントにおける疑問はさておき、

(いろいろな若い頃の体験を通じ挫折を感じていました)、

言われるままに

自動車産業の一部を担い、

70,80,90年と日本の経済発展に大いに貢献してきたと思います。

しかし、その結果、

自動車を取り巻く環境は、環境問題、交通渋滞など閉塞状態となり、

消費、効率文化(よりよい品を、より早く、安く)に

少し疑問を感じてきました。

 

そうしてみると、

若い頃のヒッピームーブメントの新鮮さがよみがえり、

消費や効率でない

なにか別のキーワードのなかにこそ、

人々が求めるものがあるのでは?という思いが強くなり、

現状のものづくりも

そのような方向に進めることができないものか

などと考えています。

しかし、実際は

開発のシステムが消費、効率文化を前提として

確立しているなかでは

非常に困難ですが!。

 

これらのことからおもうのは、

若い頃、音楽を通じて思った

疑問(大量消費文化)とあこがれ(アメリカンウエイオブライフ)が

同時に浮かび上がり、

アメリカンウエイオブライフは誰かに刷り込まれたもの

(それこそ音楽を通じて)だった、

日本人独自のアイデンティティ・価値観を

21世紀に向かって、

いろいろな形で、

たとえば商品コンセプトなどで

築くべき(音楽なども一つの手段)だ

なんて思っています。

 

もう一つは、45才くらいの時、

休みにすることがなくあまりおもしろくもないテレビばかりみて、

休日を過ごしてしまうので

インターネットのホームページを作ったり、

電気自動車に興味を持ったり、10年計画でジャズピアノを習いだしたりしました。

そのとき考えたのは

「自分が他の人より多少は知識経験がある

と思われるものは

ポップミュージックだ」ということです。

そうだ、それをもとに個人のウエブページを作ろう、

メーリングリストを作ろう、

他にも電気自動車も紹介しよう、

気に入った変人のようなエンジニア(バックミンスターフラー)を

紹介しようなどと思いました。

会社で

ライフスタイルというキーワードで、

いろいろ調べていく課程で、江戸時代について調べていくと、

当時は古いものは価値の高いことだ

(ご隠居さんなどの言葉で代表されるように)

という価値観があること、

「連」という

利益を目的としない趣味のサークル活動が活発で、

浮世絵の技術も

その活動の中から生まれたなどという興味深い事実がわかりました。

現代において

インターネットのメーリングリストの活動は

まさに江戸時代の「連」じゃないかなんて思っています。

このような

言ってしまえば無益の活動から、

なにか新しい文化みたいなものがきっと生まれるんだろうと、

私は勝手に確信しています。

 

 


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