コラム第2弾!。

光速で走るクルマ

先日、ASAHI WEEKLY JAN.17,1999を(ASAHIが出している週間の英字新聞です。まあ、どっちかっていうと、受験生向けの新聞です。)つらつら眺めていると「光速で走る車」というタイトルが目に入り、おもわず日本語訳の部分を読んでしまいました。その引用文の著者(from The Age of Spiritual Machines by Ray Kurzwell,Viking,1998)によれば、コンピュータは幾何級数的な進歩を続け、現在までに至る1世紀の間に半世紀前のコストで1億倍の能力をもったコンピュータを人類は手に入れた、もしこれを自動車に置き換えてみると、最新型の自動車は、1セントの1/100の値段で光速以上のスピードで走ることにたとえられるそうである。

もちろん、コンピュータの進歩と自動車の進歩は同じ土俵で議論できないものということは異論はないが、私はあらためてコンピュータの進歩は想像を絶するもので、人々の価値観の変化抜きでは考えられない、いいかえると最近のインターネットに関わる話題について考えるとき、コンピュータがひとびとの価値観をいろいろ変えてしまっていることぬきには議論は難しいことを再認識させられた。

最近、よく消費型社会から循環型社会へ変わらなくてはいけない、そのためには各自のライフスタイルも変えていかなければ、その実現は困難との論調をTVや新聞、その他でよくみかけるが、ライフスタイルを変えるには、各個人の価値観が変わる必要がある。日々の商品開発でも、よりよい品をより安く、より早くと効率向上することが幸せにつながると、がんばっている普通の人たち、そしてそれになにか疑問を感じ得ない世の中の出来事を見て、元気が失われつつある普通の人たち。私は、私を含めた普通の人たちが、なにか、今までとは違った価値観をみつけることにより、元気が回復するとおもうのだが、上のような科学技術の進歩の象徴のようなコンピュータの存在が、その存在、進歩自体が今の閉塞感を招いた原因のひとつであるのに、私には現在の価値観を覆し、新たな価値観をつくりだすうねりを起こさすもの(道具、ツール)ではないかとと期待している。インターネットやメール、携帯電話・ポケベルのような新しいマルチメディアツールによってバーチャルなコミュニケーションにとどまらず、フェーストゥフェースのコミュニケーションが増幅され、ひとびとの移動がふえるというデータはその一つの現れではないかと思う。


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