8月6日... 【特別企画】天神界隈喫煙事情
 
20数年ぶりにタバコの世界から生還することができて(笑)、はや2年と2ヶ月が経ちました。
それでもまだ「俺また吸ってしまうんじゃ・・・」という不安感を拭えずにいます。
それ故にタバコの煙に対する恐怖は実際の害毒以上に、例えば喫煙の記憶を呼び覚ます悪魔の手招きのようにも感じて、私の嫌悪感はますます先鋭化していくのでした(んな大袈裟な・・・)。
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この8月1日から、ついに福岡市でも歩行喫煙などを禁止する条例が施行されました。
天神界隈でも条例施行に関する街頭キャンペーンが先日開催されていたようです。
「せまい室内じゃなくて、外で吸ってんだからつべこべ言うんじゃねーよ。誰にも迷惑かけてねーだろ!」という喫煙者の呪いの言葉が聞こえてきそうですね。
私は以前、100%そう思っていた喫煙者の一人でした。
けれど、やっぱりそうではないのです。
 
この独り言欄にも書いたことがありますが、歩きタバコというやつは吸殻のポイ捨てに直結する大迷惑行為です。
それは、一度でも街や海岸のごみ拾いをやられた経験がある人ならわかると思いますが、まぁとにかくタバコの吸殻の多いことといったらあきれるくらいなわけです。
もしかしたらタバコの吸殻の大きさって、自分の良心を痛めずにポイ捨てできるギリギリの大きさなのかもしれませんね。
普段はきっと「ゴミはゴミ箱にポイしないとだめだよ〜」なんて子供に言ってるはずのお父さんでも、何故か平気でポイポイ捨ててしまうのですから。
 
それと、外であろうが何であろうがやっぱり近くで吸われると煙いのに変わりありません。
風向きによってはかなり遠くまでムア〜っと匂ってきて不快になります。
天神あたりの交差点(長渕剛の歌じゃありませんが)で信号待ちしているときに喫煙者は条件反射的にタバコに火を点けますが、回りにいる私はとたんに苦しくなって煙の漂ってこない場所まで移動します。
まったくこちらのほうが呪いの言葉を吐きたくなってしまうほどです。
街中での喫煙は室内に比べればまだまし、というレベルであって、やはり外でも煙害はいたるところで存在するのです。
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私が通う天神の会社の近くにはス○ーバックスとド○ールの二つのコーヒーショップが同じブロックで営業しています。
ス○バは明治通り沿いに、ド○ールは新天町側に店を構えており、以前まではちょくちょく両方のお店を利用させていただいておりました。
ス○バはご存知の通り、店内全面禁煙!をこの日本で前面に打ち出したはしりのお店です。
喫煙者だった頃の私は、「喫茶店で禁煙とは一体何を考えちょるんじゃ!客も少なかろうに!」などと考えていたことをここに白状します(笑)。
(現在も破竹の勢いで出店数が増えているのはご承知のとおりです。失礼しました)
ド○ールも3階まであるフロアの3階が禁煙フロアになっていて、ながらくここは私の安息の場所でした。
 
ところがです、少し前に店内を全面改装したド○ールはなんと2階3階が全て喫煙フロアに変身していました。
レジや調理場のある騒々しい1階の脇の狭いスペースだけがわずかに禁煙席となっているだけです。
ですが、目の前を始終お客さんや店員が行ったり来たりするその通路のような場所では落ち着いてコーヒーも飲めたもんじゃありません。
とても残念でした。
 
今年の5月1日に施行された『健康増進法』によって、職場の管理者はそこで働く人たちがタバコの煙害にさらされないように最大限の防止策を講じなければならないことが義務づけられました。
法律に明記されましたから、そりゃあ日本の会社の動きは素早いです。
東京やここ福岡も私電や地下鉄など一気に全面禁煙になりましたし、私の会社でも分煙対策がさらに進んできました。
だからこそ、私の目にはド○ールがレジやコーヒーサーバーや調理場の集中する1階を禁煙(以前は喫煙エリアだった)にして社員の健康増進をはかり、お客さんが集中する2階3階のフロアをタバコの煙で充満させて「客の健康管理までは法律で義務付けられてないよ」とでも言っているように映ってなりません。
それともス○バとの競合を意識し過ぎたあまり、いわゆる喫煙者をターゲットにしたマーケティングというやつで、昔のイラン革命のように文明の進歩・時代の流れに背を向けた逆走を始めたのでしょうか。
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そのド○ールのこれまたすぐ近くにロッ○リアがあります。
ド○ールからタバコの煙で締め出された私が昼休みにアイスティーを飲むため最近利用させていただいているお店です。
ここは2階にある禁煙フロアがとても優遇されており、私には非常に快適な場所となっています。
トイレを利用するために時々3階の喫煙フロアに上がりますが、3階のそのタール臭さといったらそれはものすごいものがあって、私はいつも息を止めてトイレに駆け込むほどです。
そのロッ○リアの2階でアイスティーを飲んでおりますと、最近は夏休みの小学生を連れた家族をよく見かけるようになりました。
大半は2階の禁煙フロアで楽しそうにハンバーガーを食べていますが、やはり時々お父さんやお母さんの後に続いて2階フロアを横切り3階の喫煙フロアへ上がっていく小さな子供を見かけては心が痛まずにおれません。
親に悪気があるわけではないでしょう。
ただ、タバコの害毒性を知らないだけなのです。
いや、知っていても止められず、大事な子供を劣悪な環境に伴って平気なのは、ひとえにニコチンの中毒症状のなせるわざでしょう。
 
タバコを吸っている大人はかっこいい、子供の頃私は本当にそう思っていました。
早く自分もタバコが似合う大人になりたい、ずっとそう思ってきた私は高校卒業(予備校入学)とほぼ同時に親に隠れてタバコを吸い始めたのでした。
以来20年余、私は人込みの交差点で信号待ちのときに条件反射的にタバコに火を点け、少し良心の呵責を感じながらも吸殻をポイ捨てし、タバコの吸えない喫茶店を「早晩つぶれるに違いない」などと評する、歯の裏まっ黒の息の臭い大人でした。
そんな自分を振り返ったとき、タバコに興味を持ち始める以前の子供たちへのタバコの害毒、中毒性に関する真実の情報提供や教育がどれほど大事かということを思い知るのです。
 
そんな思いで、この釣り日記からも時々情報発信させていただいているのでした。
「それはわかるけど、あなたもちょっと前まで吸ってたじゃないの。それにしては手のひら返したように喫煙者を責めすぎよ!」と妻には注意されるのですが、こればっかりは止めないのでした。
マナーやモラルや吸殻入れを携帯せずに喫煙している釣り人の読者は失ってしまうかもしれませんが、1万人のうちの1人でも「ちょっとタバコ止めてみよかな」と思ってもらえることができれば、私は大満足なのでした。
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【補足】
福岡市のホームページに今回の条例について以下のような趣旨説明のコメント(一部)がありました。
 
「喫煙者の責務」については、周囲の人、特に子どもに危険を及ぼすことや煙、においなどの不快感、「ポイ捨て」による吸い殻の散乱などの理由から、全市域で歩行中、自転車乗車中に喫煙をしないよう努めること、屋外で喫煙するときは、「吸い殻入れ」を携帯するよう努めることが定められています。
 
そういや、前原市はどうなんだ?
 
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