10月19日...二人の60歳(定年) |
今年、偶然にもお二人の60歳(定年)をお祝いさせていただく機会がありました。 お一人目は高校の時の恩師のN先生。 私が高校2年生だった時の担任の先生です。 お盆に”N先生定年退官記念同窓会”を地元で開き、20数年ぶりに多くの同級生に集まってもらいました。 今回、退官記念同窓会を開くにあたり20年ぶりくらいで先生に連絡を取った時のことです(恩師といいながら20年も連絡とっていなかった)。 自分のことをどうやって説明して先生に思い出してもらおうかなー、と思いながら電話をかけました。 「はい、Nですが」おっ、いきなりN先生が出ちゃったよ。 「あの〜、私○○高校の卒業生で先生に教えていただいた○○と申しますが・・・」 「おぉ〜、ひとみ(注1)の○○やろ?久しぶりやね〜」 間髪をいれずに返ってきた言葉にビックリしました。 事前に妻から「先生って驚くくらい昔の生徒のこと覚えてるわよ」と聞かされてはいましたが、すごいもんです。 同窓会では、先生のお話を伺っているうちにいつのまにか高校生に戻っている自分がいました。 40歳過ぎのおやじですが、いつまでたっても先生の前では生徒になっちゃうんですね。 今や校長先生になられているN先生ですが、私たちを教えてくれていた当時のお歳は今の私よりも若かったんだということに気付いて少し複雑な気持ちになりました。 当時の先生に比べて、自分は今いかほどの仕事をし、果たして誰かのためになっているんだろうか・・・。 (あっ、同窓会の写真まだみんなに送ってなかった!) ◇ ◇ ◇ お二人目は会社の大先輩、私のチームで働いていたSさん。 昭和36年4月入社ですので、なんと私がこの世に生まれる前からこの会社で働き続けていることになります(私は36年6月生まれ)。 昨日10月18日はSさん勤続41年の最終日でした。 その昨日、朝から退職の挨拶回りに出ていたSさんが昼前に一旦会社に戻ってきましたので、連れ立って昼飯を食べに行こうとしました。 するとSさんは外出の時に持っていたカバンを再び抱えて行こうとするので、 「あれ?Sさん、昼飯食ったらそのまま又外出ですか?」 「いや、あの、ちょっと大金がはいっとるもんで」 「えっ・・・、まさか退職金おろしてきたの?」 「そう!全部じゃないけど」 金額は伺いませんでしたが、あの感じでは数百万円からへたすりゃ1千万(!)。 「今晩落ち着いて飲めないから銀行に預けといてくださいよ〜」 「ガハハッ、やっぱそうしとくか」 まったく最後までSさんらしい豪快さでした。 天神(注2)で送別会を行ない、その後中洲(注3)へ繰り出して2軒ハシゴ。 今日の2時頃まで飲み歩いてSさんの定年を祝いました。 「Sさんに捧げる歌、3曲目いきまーす!」とかなんとかで私が歌った尾崎豊の”卒業”をジッと聞いていたSさんが、 「初めて聞いた歌やが、9割くらいはわしの今の気持ちを言い表しとる」と、ポツリとつぶやきました。 ♪こ〜の支配からの卒業〜♪というフレーズはその9割だったのか残りの1割だったのか・・・。 私が生きてきた年月以上を働き続けたSさん、60歳定年おめでとうございます。 そして、お疲れ様でした。 ・注1...ひとみ=昔の私の実家の商売(飲食店)の屋号 ・注2...天神=福岡随一の商業地区。九州一の繁華街。私の職場もここにある。 ・注3...中洲=九州最大の歓楽街。クラブ、スナック、料理屋が集中している。 |
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