2003年12月16日(火)
 船越漁港 20:30〜22:00
 小潮、干潮20:39、曇り、風強し
 
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どうやら私、のべ竿の繊細な穂先で感じるメバルの元気な引きに一発で魅了されてしまったようです。
今夜はちょっと早めに帰ってこれたし、(どうしようかな〜、行きたいな〜)と駅からの帰り道にずっと考えていましたが、(ちょっとだけ、1〜2時間くらいなら)と釣行を決めました。
早めに帰宅したとはいえ、すでに20:00を回っています。
「この寒い中、まぁ元気ね〜」という妻のあきれたような声を背中に聞きながら、家を飛び出したのでした。
 
サヨリ釣りのような日中の釣りは、いくらやりたくても会社を休まない限り(笑)は土日の休みにしかできません。
土日も日中は何かと用事があって(特に最近は、Y介とR紗の習い事の送り迎えが私と車の自由を奪っている)、結局、比較的自由に釣行しようとすると夜釣りになってしまいます。
夜釣りであれば、晩酌を我慢して睡眠時間を多少削ると、こうやって平日でもやれないことはないのです。
 
◇       ◇       ◇
 
いつものOS釣具でアオムシを30g(180円)調達して、船越漁港・久家波止側の船着場に到着したのが20:30くらいでした。
(昼の久家波止側の船着場)
 
車を降りてみてびっくり。
海からかなり強い風が吹き付けています(前原市内は静かだったのに)。
当然、他に釣り人の姿は見えません。
「オモリを重くすりゃ、なんとか大丈夫やろ」と、しかし強気な私でした。
 
針上20cmほどのところに5Bのガン玉をかませて、常夜灯で明るい船着場を探ってみました。
5.3mの竿をまっすぐ海へ延ばすと、海からの強い風に仕掛けがあおられ戻されて、足元の岸壁近くに沈んでいきます。
仕掛けが海中になじんでいくと少しずつ竿下近くまで引っ張られていくのですが、これではなかなか底も取れません。
メバルらしきアタリは時々感じながらも、強い風と波に竿と仕掛けがあらぬ方向へ持っていかれたりして、根がかりを連発してしまいました。
 
途中から仕掛けを胴突きに変え、底オモリを1号にしました。
さすがにのべ竿に1号オモリだとこの風と波でもかろうじて底が取れます。
そうやって、1時間ほどでメバルが2尾釣れましたが、どちらも期待はずれのサイズ。
だいたい、『メバルは凪を釣れ』という古来からの格言を無視して、こんな強風と漁港内とはいえうねりの大きな波のなかで、メバルを釣ろうとすること自体が間違っているのでしょう(笑)。
 
まともに吹き付けてくる風に少し嫌気が差してきて、(ぼちぼち帰ろう)と思ったら手元が緩んだのかまた根がかり。
(あ〜あ)とため息をつくまもなく「ん?」、、、次の瞬間竿がガクンガクン!と引き込まれました。
「何?何?何?」
竿を立てて突っ込みをこらえます。
その間ほんの2〜3秒。
「何なの?」
足下に浮かせて、のべ竿の道糸を手繰り寄せ、道糸を掴んで引き上げたその魚はなんとも大きなアラカブでした。
 
「でっけ〜」
夜釣りを始めた頃に、船越波止の捨石まわりの浅場で釣り上げた26cmのアラカブに匹敵する大きさです。
一体、何歳魚なんでしょう?
以前聞いた話によると、同じ根魚のメバルは15cmまで育つのに3年の月日がかかるとのことでしたが。
こいつ、この船着場の主なんじゃないでしょうか、私が釣って大丈夫だったのでしょうか?(マジで心配する小心者の私)
 
風はやむ気配もなさそうですし、時計を見たらもうすぐ22:00です。
もう今夜はこれで充分!と納竿しました(at 21:55)。
 
■今日の釣果 : アラカブx1尾(26cm)、メバルx2尾(14cm)

強風の中、実釣時間は1時間ちょっとでしたが、そこそこ楽しい釣りができました。
 
◇       ◇       ◇
 
アラカブを釣り上げた後、すぐに帰ってきましたので、我が家の台所でもこやつはバリバリ元気でした。
メバルも1匹はまだピチピチ跳ねています。
アラカブのあまりの迫力に素手でその大きな口に親指を突っ込むのがためらわれた私は、タオルをアラカブの顔にかぶせて、口をあけた瞬間にタオルごと親指を突っ込んでグイッと持ち上げました。
ブルンブルンブルンッ!
かなりの重量感で暴れるものですから、私も思わず「ひゃっ!」と手を離すと、横で心配そうに見ていた妻が「ギャッ!」と叫んで、泣き声になりながら「に、に、逃がしておいでぇぇぇぇ〜」とその場に崩れ落ちていきました(笑)。
 
タオルでぐるぐる巻きにしたままエラブタを切り、なんとか締めました。
延髄を何度も断ち切ったはずなのですが、まだエラやヒレをピーン!と張って、表情にも強固な意志が感じられます。(上の写真参照)
口に詰め込んだタオルを取ると、大きな口の中にはちびメバルが2尾も(ひえ〜!)入っていました。
 
さすが、船越の主です。
 
 
魚はこの夜のうちに下処理までを私がやって、次の日の晩に美味しい煮つけになったそうです。
(お父さん食べてないぞ〜)
 ⇒ (煮つけ、Y介撮影)
 
 
【おまけ】
今夜のアラカブです。
間近で見るとイグアナみたいですよね。
実物は口を開けるとコップくらいに広がります。
これがバッタンバッタン暴れるんですよ。
この口に素手で指は入れられないでしょ!
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