2003年12月13日(土)
 船越漁港 19:30〜23:00
 中潮、満潮23:52、曇り
 
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日ごとに寒くなってきて、夜の漁港ではずいぶん釣り人の姿が減ってきました。
私の釣りの原点(ちょっと大げさ)、夜の根魚釣りの季節です。
 
実は、今夜は新しい道具で新しい釣りに挑戦しました。
のべ竿を使った探り釣りです。
ついにと言いますか、とうとうと言いますか、私のメバル釣りも行き着くところまで行ったなー、という感じがしております。
それほど、こののべ竿を使った探り釣りというのは道具も釣り方もまぁシンプルの極みといった渋い釣りで、なおかつ奥の深い釣りなのです。
瀬戸内方面で盛んに行なわれている釣り方のようですね。
 
リールも道糸のガイドも何にもついてないほっそりした竿の先に糸をくくりつけ、軽いオモリ1個を途中にかまして、先っぽに針。
これだけです。
笑っちゃうくらいシンプルな仕掛けなんですが、これこそが防波堤メバル釣りの最強仕掛け(らしい、多分)。
仕掛けや道具立てがシンプルで繊細な分、釣り方にも繊細な感度が要求されることになり、そういう意味でとても奥が深いのです(まだ私にはよくわかりませんが)。
 
新しく調達した道具は、OS釣具で買ったNISSIN製メバル竿5.3m硬調。
値段は、定価14,200円が8,520円になって、さらに4,980円のシールが貼られていました(釣り用品業界の価格設定、相変わらず怪しいぞ!)。
この釣りが私に合っているかどうか自信無かったし、SIMANOやDAIWA製は相変わらず高かったということで、私にとっては性能と価格の両面でベストチョイスだったのではないかと思っています(まだ一回しか使ってないけど)。
 
この竿に2号の道糸を結び、1.2号のハリスを18号のサルカンで連結して4Bのガン玉をかまし、針はメバル針9号という仕掛けで、いざ船越漁港へと向かいました。
 
◇       ◇       ◇
 
途中、OS釣具でアオムシを50g調達し、19:30頃船越に到着。
船越波止側の船着場に車を止めて、久しぶりに夜の海の潮風を深く吸い込みました。
(昼間の船着場)
 
少し雲が出ているようですが、風もなく、探り釣りには絶好の条件です。
船着場ではルアーマンが二人、両端に別れてキャスティングを繰り返していましたので、私は真ん中あたりで釣りの準備を始めました。
ルアーマンは二人とも細仕掛け&ジグヘッドのようでしたから、きっとメバル狙いです。
今のこの時期から来年の早春まで、夜の防波堤はめっきり釣り人が少なくなりますが、そんな中、厳冬期の一時期を除いてポツリポツリと見かける釣り人はこの辺では大抵がメバル狙いの釣り人たちなのです。
赤い電子浮きが暗闇にポッと灯る浮き釣り以外に、最近は極軽のジグヘッドを使ったルアーが大流行していまして、何を隠そうこの私も一昨年はかなりはまっていたのでした。
(現在、ルアーは上達しないまま休眠中)
 
いよいよ釣り開始です。
船着場の常夜灯の下、船と船の間にそっとのべ竿仕掛けを沈めました。
これまでの1号磯竿による胴突き探りと違い、竿先は格段に繊細になっていますが、オモリもこれまでの胴突きでは使ったことのない4Bという軽さです。
(ベテランはもっと軽いオモリを使うらしい)
底を取ろうとしますが、なかなか思うようにいきません。
仕方なく、底があやふやなままゆっくり斜めに持ち上げて誘いをかけます。
(誘い方も、もっと練習しなくちゃだめです)
中層で、コンコンコン!と竿先を引き込むストロークの短いアタリがありました。
すかさず合わせますが、針掛かりしてくれません。
何度か同じようなことが続いた後で、今度はじっくり竿先を送り込んで、やっと掛けた魚は10cmくらいの可愛いちびメバルでした。
 
「初物、初物。記念、記念」
両端のルアーマンの冷ややかな視線を感じつつも、記念撮影。
カシャッ!

(ありゃ、ピンボケ)
 
続けて12〜3cmくらいのリリースサイズが何匹か掛かりましたが、こののべ竿なかなか楽しませてくれます。
このくらいのサイズのメバルでも必ず一度は元気のいい突込みをしてくれる(それがメバル釣りの楽しい所以)のですが、のべ竿の軟弱さがそれをさらに楽しいやり取りに変えてくれるのかもしれません。
”狙う魚に合わせたタックル選び”というものがやっぱり大事なんですね。
 
釣り始めて1時間ほど経った頃に妻から携帯に電話が入りました。
時計を見ると20:30。
(こんなに早い時間にどうしたんだろ?子供が熱でも出したかな?)
「もしもし、どうした?」
「釣れてる?」
「いや、リリースサイズばっかり」
「はあ?」(リリースサイズという意味がよくわかってないらしい)
「そんなことより、どうした?」
「明日早いから(明日はY介が出場する駅伝大会がある)、今夜のうちに洗濯済ましときたいんだけど」
「…そりゃあ、済ましときゃいいやないか。それがどうした?」
「お風呂のお湯使いたいんだけど。帰ったらお風呂入りたい?」
「シャワーでいいよ!」
「そう、悪いわね。それじゃあ夜の海で拉致されないように気をつけてね♪」
ガチャッ
「・・・」
電話が切れるとなぜか何の脈絡もなく、(そうだ、明日はメバルのから揚げにしよう。だから少々小さくても持って帰ろう)と、夜の海を眺めながら考えた私なのでした。
 
車を船着場に置いたまま、船越波止の方へ回ってみました。
船越波止の付け根の捨石付近は、ここ船越のメバルのベストポイントです(ただし、水深がとても浅い)。
(昼間の船越波止と捨石付近)
 
今夜も電子浮きが2名、ルアーが1名、計3名の釣り人がいました。
私も捨石まで降りて、一番沖寄りの角で探ってみることに。
捨石の向こうへ仕掛けを打ち込み、水深が浅いので横へ横へ、斜め上にゆっくりと誘いを掛けてみます。
キューン!という小気味いい突っ込みを味わって、ここで5〜6尾をキープできました。
 
その後、船着場に戻ってからそこそこの入れ食いを経験し、寒さに耐え切れなくなった23:00過ぎに納竿としました。
今夜は6℃くらいまで気温が下がったようです。
これからは、もっともっと防寒対策が必要になってきますね。
 
■今日の釣果 : メバル x20尾(11cm〜17cm)

 
今夜一晩で、のべ竿でのメバルのアタリの違いを少しだけ聞き分けられるようになったかもしれません。
コンコンコン!と短いストロークでエサを引き込むアタリはどれも小さなメバルばかりでした。
今夜は15cm以上のサイズが数えるほどでしたが、このくらいになると前アタリでいきなりコンコンコン!とくることはなくて、多少静かな前アタリのあとにギュ〜ン!と竿を絞り込んでくることが多かったです。
竿か糸かはわかりませんが、「ギュ〜ン!」という音が実際に鳴るんですよ!
これが、のべ竿によるメバル釣りの面白さの一端なんでしょう。
20cmを超えるとどんな引きが味わえるんでしょうか、今から楽しみです。
 
釣ったメバルはその夜のうちに下処理を行ない、翌日の夕飯に全部から揚げにして家族みんなでいただきました。
(ウロコとエラと内蔵以外は全部食べ尽くして、メバルも成仏してくれたことと思います)
 
のべ竿を使ったメバルの探り釣り、まだまだ色々と試してみないと一概には言えませ
んが、なんだかとてもはまりそうな予感がしています。
 
【おまけ】
今夜はくりくり目玉が代名詞のメバルのアップ写真です。

ほんとに大きな目玉でくりくりしてますね。
だから、メバルは眼張(目張)という字をあてるんです。
早春によく釣れるということで付けられた、『春告魚』という素敵な別名も有名ですね!
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