2003年6月3日、7日
泉川(河口から2km地点)
3日中潮、干潮17:55、7日小潮、干潮21:23
「釣りもナー、なんだかナー」と、今ひとつ気が乗らないまま3ヶ月も竿を握らない日々が続いていました。
仕事帰りの電車の中までは、「今夜は出漁じゃ!」と意気込んでいても、家に帰り着いてしまうとついつい缶ビールをカシュッ!と開けてしまいます。
「釣りもナー、なんだかナー。それより、ゆっくり晩酌でもして今日の疲れを癒すとしましょ。明日も仕事だしな、うん!」
ビールどころか夕食も食べずに海へ飛び出したことさえあった、夜釣りを始めた頃と比べるとまったく普通のサラリーマンおやじの発想しかできない今の私でした。
◇     ◇     ◇
自宅のマンションから自転車で5分も走ったところに、泉川という二級河川が流れています。
(河口から約2km地点、上流を望む)
 
最終的には加布里湾の海へ注いでいくことになるのですが、その河口で川幅120mくらいになっているでしょうか。
雷山(らいざん)を水源とする雷山川や、白糸の滝辺りに端を発する長野川などが合流を繰り返して泉川と名を変えているようです。
河口には弁天橋という橋が架かっていて、その橋の下はこの辺ではちょっと有名なメーター級のスズキのポイントとなっています。
(弁天橋と可也山。左が加布里湾)
5月後半の休日の夕方、その泉川の土手を自転車に乗ってブラブラしていたときのことでした。
(実は駅への行き帰りの通勤用に自転車を買いまして、それまでこの泉川周辺は歩いて来るには遠いけど車で来るには近すぎるという、私の行動エリアの空白地帯だったのです。)
河口から2〜3kmほどの地点、川幅60mといったところで、まだ花を咲かせていない”はまぼう”の低木樹が群生している間から竿を2、3本出しているおじさんがいました。
「鯉でも釣ってるんですか?」と尋ねると、「いや、うなぎ」と言います。
「へえ、うなぎですか!」と驚いたものでした。
泉川の水を引き込んでいる運河が川に並行していました。
そこでも二人の釣り人が浮きを並べています。
「何を釣ってるんですか?」と尋ねると、「へらぶな」と教えてくれました。
「へえ、へらぶなですか!」
「30cmくらいのやつがおるよ」と言います。
運河のほうでもうなぎを釣っている人が何人かいました。
◇     ◇     ◇
次の週末の夕方にもまた自転車で川土手散策です。
今度は河口から2km地点の川土手、運河に水を回す水門の横から3本の竿を出している方に話が伺えました。
泉川 水門辺り
その方はセイゴとうなぎ狙いとのこと。
軽めの丸玉オモリをつけた、簡単なブッコミ仕様です。
セイゴが小魚を追っているのでしょう、夕暮れの水面には小さなナブラがあちこちで湧いています。
私と話している間にも30cmくらいのセイゴが2尾釣れました。
クーラーボックスの中にはメイタもいます。
「今の時期から7月8月くらいまで限定で夕方にセイゴがよう釣れるよ。あと今は上りうなぎがいいねえ。梅雨の大雨降った後はよう食うよ」とのことでした。
「時々サケも上ってくるし」
「は?サケですか!」
ついでに先週から気になっていたことも尋ねてみました。
干潮の泉川では、川に降りて何かを掘っている人たちをそこかしこに見るのです。
その日も5、6人がひざまで水に浸かって何かを掘っていました。
「あの人たちは何をしているんですか?」
「あれは、シジミを掘っとるんよ。姪浜あたりの市場に卸して、年300万くらいにはなるらしいよ。いいアルバイトやねえ」
「シジミですか!300万のバイトですか!」
自宅のマンションまで直線距離で1kmくらいのこの場所に、これほどの豊かな自然があったことに驚いてしまいました。
土手に立って手を振れば、自宅の玄関から私の姿が見えそうなくらいの近さです。

あらためて糸島の自然の恵みのすばらしさに目を開かされた思いでした。
「釣りもナー、なんだかナー」と、海に出るのを億劫がっていた私でしたが、こんな近場で海(川?)の恵みを頂戴できることを知って、急にまた釣りの虫がうずうずしてきたのです。
「うなぎもスズキもチヌも、みんな同じブッコミ仕様で釣れるこのお手軽さがいいんでないかい?」
「こんな自宅の近所というお手軽さも、これまたいいじゃあ〜りませんか!」
このようにして、ほぼ3ヶ月ぶりに釣りへのテンションを高めつつ、6月に突入したのでした。
◇     ◇     ◇
テンションが上がってくればこっちのものです(笑)。
早速、週が開けた火曜日には会社から帰って泉川へ直行しました。
久しぶりのOS釣具でアオムシ50g(300円)を仕入れ泉川の川土手に到着したのは19:00過ぎくらいだったでしょうか。
まだまだ日没までには30分ほどあるはずですし、1時間くらいは明るさも残っているはずです。
エサは、実は私がここでチェックした方々は皆さん自掘りのミミズを使っていました。
うなぎはミミズに限る(らしい)のです。(私は以前イワムシで大うなぎを釣ったことがありますが)
さすがに自分でミミズを掘る時間もないし、正直言ってミミズは苦手です。
私の狙いはセイゴ(ホントはメーター級のスズキ!)とメイタでしたのでアオムシで充分なのでした。
暗くなってもいいように最初から竿先にはケミホタルを付けました。
使った竿は3号4.5mの磯竿と3.6mの軟弱投げ竿。(ちょい投げですし、まあどんな竿でもいいわけです)
土手に椅子を置いて座り、アタリを待っている私の真正面には泉川をはさんで可也山が間近に横たわっています。
(泉川と可也山)
この日は22:00近くまで粘ってしまいましたが、釣果はご覧の通り。
恥かしながら、これが私の初セイゴです(!)。
他にはうなぎとエイが釣れました(エイがよく掛かります)。
(6月3日)
■この日の釣果:セイゴ x1尾(30cm)、メイタ x2尾(25cm、23cm)
この夜のうちに下処理までを済ませ、翌日の夕飯に塩焼きで食べた(らしい。私は冷めたメイタを少し食べた)のですが、メイタよりもセイゴのほうが美味しかったとの妻の報告を後で聞きました。
6月7日土曜の夕方からも出漁しました。
17:00から20:00過ぎまで、約3時間で以下の釣果(やけに簡潔な報告!)。
(6月7日)
■この日の釣果:セイゴ x2尾(26,24cm)、メイタ x4尾(25,24,18,16cm)
塩焼きならばいけるだろうと、少し小さめのメイタも持って帰りました。
実際は大半を煮付けましたけど。
次はなんとかミミズを攻略して、うなぎ狙いでやってみようと思っています。
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