2002年8月25日(日)
福ノ浦の海岸〜寺山海岸 6:00〜11:00
大汐、満潮10:49、晴れ
波止釣りを始めて2シーズン目に入っている私ですが、夏はどうにもいけません。
どうしても釣行ペースがガクッと落ちてしまいます。
なぜでしょう。
波止に人が多いというのが理由の一つ。
ひしめきあって釣りをするのが嫌なのです。
元々釣り人が少なくなる寒い時期に、根魚のメバルやアラカブを探り歩いて静か〜な夜の波止をうろうろする釣りから入っていったからでしょうか。
初心者ですから、人気のない波止(船越みたいな)を選んでましたので、なおさら人は少なかったのです。
(2月の船越波止。閑散・・・)
        ↓
(8月の船越波止。大盛況!)
 
二つめの理由は、サビキでアジを釣る以外に夏に楽しめる釣り方や対象魚を知らなかったのです、私、実は。
なんせ典型的なファミリー・フィッシャーマンですから。
この二つめの理由がやはり致命的でしょう。
サビキでのアジ釣りは今でも大好きですが、これはひとえにアジが大好きなのであって、サビキ釣りという釣り方自体はやっぱり底の浅い釣り方です。
最初はそれでも色んな発見や驚きがあって充分に釣り日記を書くことが出来たのですが、さすがに2シーズン目に入った今は釣り終わった後もテンションを維持して釣り日記を書くには多少無理があります。
実際この6〜8月の間に何度かサビキ釣りに行きましたが、日記の更新意欲は沸いてきませんでした。
「こりゃ、まずい」
釣りに行かなきゃ釣り日記のサイトは維持できません。
まずは自分自身に刺激を注入しようと、会社帰りに何度か釣具の○イント姪浜店に足を運びました。
気になった竿は二つ。
前打ち竿と投げ竿です。
そういえば(忘れてましたが)どっちも以前からやってみたいと思っていた釣りでした。
糸島の海ということで考えてみると、前打ちや落とし込みをやるフィールドは非常に限られています。
というか、海づり公園以外でできる場所はあるんでしょうか?実はよく知らないのです。
その点、投げ釣りポイントはいっぱいありそうです。
「やっぱ、夏は投げてキスか〜?」
どんどん気持ちが盛り上がってくるのを感じました。
早速、以前に買い込んでいたたくさんの釣りの本を引っ張り出してきて、これまでは読み飛ばしていた投げ釣りの項を熟読開始です。
シマノの投げ竿(25号、4.05m)とダイワの投げ専用リール(3号200m)をやっとのことで調達して、日曜日の今日、まだ夜も明けぬ朝の5時に一人こっそり起きたのでした。
5時40分。
マンションの駐車場からはまだほの暗い空に満月がくっきり見えています。

「さあ、キス爆釣じゃ!」
気合を入れて車のエンジンをかけました。
◇   ◇   ◇
目的地は福ノ浦。
以前、防波堤から引き釣りをしている人を見かけたことがありますし、漁港のちょっと手前にある長い砂浜にはいつもたくさんの投げ釣り野郎が竿を振っていたからです。
漁港に着いてみると、防波堤は外向きにフカセ釣り(多分メイタ狙いでしょう)の人達が何人かいたのであきらめました。
少し車で戻って砂浜の様子を伺いますと、7、8組の人達が置き釣りの竿を並べたり引き釣りをやっていましたが、右の方には50mくらい誰もいないスペースがあります。
「よし、投げ釣りデビューのポイントはここに決めた!」
車を海岸沿いの道路の路側帯に停め、釣り道具を下ろしました。
いよいよファースト・キャスティングです。
20号のカイソー天秤(固定式)に出来合い3本針仕掛けを結びました。
エサは何とかいう虫エサです。
OS釣具のおじさんにキス釣りのエサちょうだいと言ったら、アオムシかこれかどっちかだねーと言うもんだから「じゃあ、それ下さい」とアオムシじゃない方を買いました。
確かアオムシの倍くらい、50gで600円くらいだったかな。
「どりゃっ」
うまくタイミングは取れませんでしたが、ヒュルヒュル〜っと50mほど先(2色っていうんです、投げの世界では)に着水。
早速体ごと竿を横に回しながら引き釣りを開始しました。
ググッ。
どうやら藻に引っ掛かったようです。
グイッと硬い穂先で藻を引き千切りました。
そのままゆっくり波打ち際まで仕掛けを引き続けてみると何かが付いています。
そういえば途中で1、2度ククンッという手応えはあったようでしたが、何だ?
正体は丸々太ったベラでした。
ササノハベラっていうのかな、名前は自信ありません。
キス狙いの外道の一つです。
20cm以上ありますし、食べられない魚じゃないはずです。
なによりファーストキャスティングで釣れた記念のお魚さんですので、ありがたくキープすることにしました。
丸々太っておいしそう。実際おいしかったです!
多分ベラを釣ったのは初めてのはず。
「釣り方が変わると釣れる魚もいきなり変わるもんだよなー」と、妙に感心してしまいました。
その後も右に左に真正面にと投げ飛ばしては探ってみるのですが、釣れてくるのはベラばっかりです。
それはもう9割近い確率で12cmくらいの可愛いベラが2尾3尾と連なって釣れてきます。
「だめだ〜、キスは一体どこじゃ〜?」
少し離れたところでおばちゃんが釣っていましたので後ろからジッと偵察です。
おばちゃんはいいとこ20mくらいのところにボッチャンと仕掛けを投げました。
ププッと笑ってしまいそうな飛距離です。
いくらなんでもそれはないやろ、おばちゃん!と思いながら見ていますと、おばちゃんはその20mを時折動きを止めながら、ゆっくりじっくり引いてきます。
そして、
「おおっ!」
波打ち際には遠目にもはっきりとわかるパールピンクのキスが上がってきたではありませんか!
「な・なんと!このおばちゃん、何者や!?」
ふと周りを見渡してみますと、その隣のおっちゃんもヒョイッ。
それこそ、その辺に仕掛けを投げ入れているといった風情です。
そして波打ち際を斜めにゆっくり引いてくると、、、またもキス!。
「このおっちゃんも何者や!?」とはもう思いません。
どうやらごくごく近くにキスが回ってきているのでしょう。
遠投だけがキス釣りではないということですね。
早速自分の場所に戻り、同じように近投してゆっくり引いてみましたがこちらはベラばかり。
なんとまあ、ベラまっちゃ!
いきなりですが場所を移動です。
なんとなく、ここでは私に釣れてくれるキスはいないと判断。
大きなベラ2尾をキープして、船越漁港の南に広がる寺山海岸へ向かいました。
寺山海岸には2組の先着さん達がいましたが、まぁゆったりしたもんです。
けど、寺山海岸、ちょっとゴミ多いぞ!
なんとかしろ〜。
なんで海にゴミ捨てるのよ!!
特に夏の終わりの海岸は海草やゴミがいっぱい打ち上げられていますね。 
再び引き釣りを開始しましたが、アタリはありません。
フグでもいるのでしょう、仕掛けを引き上げるたびに1本、また1本と針が無くなっていきました。
私から30mほど離れて引き釣りをやっていた人が確かにキスを釣り上げていたのを目撃しましたので、ここにもいることは間違いないのですが。
「新しい釣りをやって、初回に釣れたことねーもんなー」
随分とあきらめ気味になってきました。
思い起こしてみても、サビキもメバルもチヌ狙いのブッコミも、サヨリを狙った福ノ浦やセイゴ狙いの電気浮き釣りも、ぜ〜んぶ最初はボウズだったよなぁ。
ちょいと休憩しよう。
置き竿にしてボ〜ッと竿先を眺めていました。
クイックイッ
「おや?」
硬い投げ竿の竿先がかすかに魚のアタリです。
まぁ、キスじゃないだろなーと思いながら仕掛けを巻き取りますと・・・
「うおぉぉぉ〜っ!パッ、パールピンクじゃ〜っ!!」
やっと釣れました♪
本命のパールピンクのシロギスです。
その後もうしばらく頑張ってみましたが、あとも続かずこれにてお開き。
後片付けの時、目に余る周りのゴミ(ペットボトルやら空き缶やら花火の残骸やら)をかき集めました。
自分のこのホームページで書いたことは一度もありませんでしたが、私は釣りの片付けの時、自分の出したゴミ以外に周りのゴミを必ず一つでも拾って帰ることを”私の釣りのこだわり”としています。
そうすればきっと釣りの神様がどこかで見てくれていて、いつか私の針にお魚をチョイと引っ掛けてくれるんだと信じているのです。
私のこだわりは少しばかり打算的なのでした。
「これで次はいいことあるぞ」っと本当に思っています。
片付け終わってから、「そうだ、キャスティングの練習でもしとこう」と仕掛けの付いていない20号のオモリを海に投げ飛ばしました。
その練習の一投は思いのほか遠投できたのですが、その時「ブワ〜ン」と目の前50mくらい沖を水上スキーを引っ張るモーターボートが通り過ぎました。
何かいやな予感がします。
「・・・」
リールを巻くとやけに軽いし・・・。
案の定、1色めの途中でぶち切れていました。
「くっそ〜、金持ちの道楽息子めらが〜!」
いつかどこかで我々プロレタリアートの天罰が下ることでしょう。
昨日、姪浜の釣具屋○イントで巻いてもらったテーパーライン付き3号200mのラインとカイソー天秤20号が一瞬にして海のゴミとなってしまいました。
まさに”拾うゴミあれば捨てるゴミあり”です。
■今日の釣果:キス(15cm x 1尾)、ベラ(23cm、20cm)
3尾ともこの日のお昼に塩焼きにして、家族みんなでいただきました。
ベラが、なんとまぁきれいな白身で、それはそれは大変美味しかったことを最後に特筆しておきます!
今度こそキス爆釣じゃっ。
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