2002年3月8日(金)
福ノ浦漁港 20:45〜23:30
長汐、満潮17:41、晴れ、風やや強し
【後編です】
こんな派手なアタリはチヌに決まっていますが、それにしても先程の奴といい今夜のチヌはどうしたのでしょう?
今のも危うく竿ごと海に持っていかれるところでした。
今日は波のうねりに竿先が持っていかれぎみではあったのですが、前アタリを見逃していたのでしょうか。
グググン!グググン!
気持ちのいい引きが伝わってきます。
さっきの奴ほどではありませんが、これもなかなかのものだという気がしました。
先ほど見かけた二人連れが私の横に来て様子を見ているようです。
ここはひとつ、スマートに対処しなくてはいけません(笑)。
犬走りに上がってリールを巻きます。
何度かの締め込みを竿でこらえて、近くまで寄せてきました。
ここまでは順調です。
しかし、ここから先が予期せぬドタバタになってしまいました。
スマートな取り込みにはタモです(笑)。
潮はずいぶん低くなっているはずですが、一度試して見ない手はありません。
犬走りに立て掛けてあったタモを掴んで、竿は左腕に抱えたまま右手でタモを海面に差し出してみました。
が、残念ながらもう海面には届きません。
「手伝いましょうか?」
そんな私の様子を見かねたように、二人連れのうちの一人の方(かた)が声を掛けてくださいました。
多分その方は「(タモ入れを)手伝いましょうか?」と言って下さったのだと思います。
しかし、私の方ではすでにタモは届かないことを知っています。
私も慌てていました。
一切の説明なしに、私はその方にタモではなく竿を渡したのです。
「すいません!じゃあ、これお願いできますか?バレても構いませんから!」
そうお願いして、私は再び犬走りを海側にズリ下りていきました(笑)。
「エッ?エッ?竿ですか?
暗い岩の上に降り立った私は、もう一度「バレても構いませんから〜!」
この犬走りを越えました。夜は恐いです。タモを脇に抱えて、一番下の岩まで下りて行き、海面をヘッドライトで照らして魚を探しました。
波しぶきがかかりますし、下の岩には海藻が付いて滑り易くなっています。
わりと危険です。
獲物はすぐに見つけることができました。
竿を持ってくれている方が道糸を張ってくれていましたので、私の目の前にきたハリスを掴んで引き上げ、そのまま素手で捕獲です。
「獲れました〜」
犬走りの向こう側の方に呼びかけました。
暗い中、片手にチヌを掴み、岩は滑るし、長いタモも持て余していたのでなかなか上に上がれません。
心配してくれたのでしょう、「タモを引き上げますよ!」と犬走りの上から声が聞こえました。
「すいませ〜ん。お願いしま〜す」
私もやっとのことで犬走りに手を掛けました。と、その時、
「アッ!入ってないですよ!?」大きな声がしました。どうやらタモに魚が入っていないと心配してくれたようです。
「あ、いや、こっちに・・・」素手に掴んだチヌを差し上げたのでした。
手伝って頂いた方には何度も何度もお礼をして別れました。
まあ、あの方にもいい暇つぶしになったでしょう(ごめんなさい!ありがとうございました!!)。
しかし、今日はドタバタさせてくれます。
恐らくあの「手伝いましょうか?」の声が掛からなければ、そのまま抜き上げに入っていたことでしょう。
無事抜き上げることができたかどうかはわかりませんが・・・。
ま、結果的には二度ともベストの選択をしたといえるのではないでしょうか(笑)?
43cmと35cmでした。1尾目のチヌが大きかったので2尾目は見劣りしてしまいますが、これでも後で測ったら35cmで自己記録更新サイズです。
時計を見ると22:30。妻に今日二度目の電話をして、2尾まとめて野絞めです。
そして、血抜きのために水汲みバケツに2尾とも突っ込んで、網のふたをしてそのまま海水に浸けました。
家に帰ってから、妻に記念撮影をしてもらいました。
はい、チーズ!カシャッ!
あらためて1尾目のチヌを見直しましたが、まあ、よくもこんな奴が私のような者に釣れたものです。
43cmありました。
夜の海でライトに照らし出されるとやけに大きく見えるもので、その瞬間は50cmくらいあるように見えたのですが・・・。
それでも前回の新記録(33cm)から、一気に10cmも記録を更新してしまいました。
今度はHR釣具の店員に「それはメイタですね!」なんて言われなくて済むぞ。
私の愛用機です。35cmの片身をすぐに刺身にして、ビールを飲みながら早速釣り日記更新です(笑)。
もう一方の片身は、翌日の昼に刺身にして妻と子供達と一緒に食べました。
そのアラは夕食に潮汁で、43cmのほうはこれも夕食に片身をカルパッチョに、残りは豪快に煮付けにしていただきました。
思いもかけず、黒鯛づくしの我が家の夕食です。
43cmは塩焼きにしようと思ったのですが、レンジのグリルにも電子オーブンにも大き過ぎて入らない(!)と妻が言うものですから、ぶつ切りにしてアラ煮どころか身もびっしりの煮つけに変更しました。
しかし、この濃い目の味付けにした黒鯛の豪快煮つけが家族に一番好評だったです。
あと、潮汁に入れた真子も大変上品な味でした。
黒鯛のカルパッチョです。ドレッシングがちょっと失敗。 酒とみりんと醤油と砂糖を全部同じ分量で。
やっぱり、これからはちゃんとタモを準備することにしましょう。
40cmを超えるハラミのチヌは、3号磯竿ではちょっと恐くて抜き上げられないですね!
またひとつ、勉強させていただきました。
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