●子ども・親・保育者が共に育つステキな東久留米の保育
  (1996年12月発行の「家族新聞」第5号より)

1990年12月に、そうとめいが結婚し共同の生活を始めた場所が、東京都東久留米市です。
96年3月、東京都江戸川区に引っ越すまでの5年間暮らした東久留米のいちばんの思い出は、
なんといっても保育のすばらしさです。その思い出をふたりで語り合いました。

●不便な“いなか”?

そう 東久留米に住み始めた頃は、駅前に大きな店がなくて不便だとか、
食事するところが少ないとか、そんな不満ばかりだったよね。

めい 私もあんまり地域のこととか、関心はなかったな。

そう 東久留米って、いいところだと思ったのは、やっぱり、ちひろが生まれてからだね。
雑木林とか、カルガモが遊ぶ黒目川とか、ちひろとお散歩しながら、あらためて自然に目が向いた。

めい それから、なんといっても保育園とのつながりができたこと。

そう 最初、お世話になったのは、無認可の共同保育園で、
ちひろが5カ月から9カ月までお世話になった。
ちひろをおんぶして自転車で、保育園の送り迎えが始まった。
家から遠かったから、たいへんだったね。

めい 私なんか、まだお座りできない赤ん坊のおんぶの仕方を、最初に教わったんだよ。
おんぶひもに子どもの足を入れてから、エイッて、背負い投げみたいにするの。

●お父さんもおんぶで走り回る

そう ふたりとも、自分専用のおんぶひもを使ってたんだよね。
予防注射も病院通いも、よくおんぶで出かけたっけ。

めい ほら、近所の人から、
「あのお父さん、平気で赤ちゃんをおんぶして自転車で走り回ってる」って感心されたじゃない。
ちひろが9カ月から3歳までお世話になった公立保育園の頃はどんな思い出がある?

●ものすごく楽しみだった連絡帳

そう 9カ月から1歳9カ月まで、お世話になった3人の担任の先生が書いてくれる
連絡帳がステキで、ものすごく楽しみだったことだね。
毎日、連絡帳に書かれてくるちひろの様子がおかしくって、いつも吹き出してた。
きょうはどんなことが書いてあるだろうって、楽しみで楽しみで…。
それが、この「家族新聞」をつくるきっかけにもなったんだよ。

めい でも、ちひろは赤ちゃん体操が嫌いで、
足を床につけるのをすごく嫌がるって指摘されたこともあったじゃない。
この先もう歩けないんじゃないかって、ずいぶん心配したけど、
先生が、「お母さん、だいじょうぶよ。時間をかけて見ていこう」って励ましてくれたことは、
忘れられないな。

保育参観もいっしょに行ったよね。
ほら、家では食事のとき、おかずもおつゆも何でもこぼしちゃって、
ちひろのこと、困ったもんだと思ってたら…。

そう クラスの子どもたちを見てたら、シチューのお皿に手を入れて、頭や顔になすりつけたり、
口に含んだ物を飲み込まないでべーって出したり、すごい光景でさ。
なんだ、うちのちひろの食べ方、きれいだよって、大笑いした。

めい 自分の子どもだけじゃなくて、子どもみんなの育ちが見られるのって、よかったよね。

そう どの子もみんな、その子らしさがあって、かわいいな〜って思えてくる。

ちひろが1歳から3歳までのときは、父母会の役員でがんばったね。

●父母会っていいね

めい うん。父母会って楽しくて、一度やるとはまっちゃう感じ。
東久留米の保育園は、夏祭りとか運動会とか行事のたびに父母と先生が実行委員会をつくって、
協力して準備するんだよね。苦労して共につくりあげるっていう体験がすごくよかったなぁ。

そう 「共育て」っていう理念が、東久留米の保育にはあるんだよね。
親と保育者が共に子どもを育て、そのことによって親も育つっていう。
すごく大切なことを教えてもらったよね。

●ステキな保護者会

そう それに、保護者会がすごく楽しかったよね。
子どもたちの様子をつづった資料づくりとか、先生の準備はたいへんだと思うけど、
一人ひとりの成長ぶりがよくわかって、子どもたちみんながいとおしくなった。

めい 親の方も率直に子育ての悩みを語り合って共感したり、失敗談に爆笑したりして、
「父母と保育者の手つなぎ」が大切だというのを文字どおり実践している空間だったし、
先生のことも大好きになったよね。

そう そうそう、東久留米の保育士さんって、本当にみんな魅力的で輝いていた。

●父母会で対市交渉

めい それから、父母会の活動で市と交渉する機会があって、
たとえば、お昼寝の部屋にクーラーをつけて欲しいとか、保育料の値上げはやめてとか、
私たちの要求をぶつけるわけ。親と先生の願いを持ち寄って、声をあげていくことはとても
大切なことだよね。子どものために、もっと保育園をよくしたいってがんばるなかで、
親としても鍛えられた気がするもん。

●父母会連合会でも

そう しかも、市内9園の公立保育園の父母会が集まって、父母会連合会をつくり、
いろんな運動をしているのもすごい。

めい 父母会の情報交換したり、保育料値上げ反対の署名集めたり。充実してたなぁ。
東久留米は市民運動が盛んで障害者の問題でも、老人福祉の問題でも、環境問題でも、
市民が自主的にいろんな活動にとりくんでいるでしょ。
市民が主人公の市政っていうか、保育運動を通して、まちづくりの原点みたいなものを
実感できたのも大きかったな。心残りは、子どもを3人ぐらい育てたかったことだけど…。

そう 江戸川区には、東久留米のような保育運動はないけど、東久留米のように
大好きな街だと言えるように、よくしていきたいね。



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