●現実との接点で家族のあり方を描く山田太一さん
  (そう記、1999年1月発行の「家族新聞」第8号より)

山田太一さんは、「ふぞろいの林檎たち」(そうもめいもパート4まで全部見てます)など
多数の良質なテレビドラマのシナリオを、常に第一線で発表し続ける上に、
映画・演劇・小説の分野でも活躍されているすごい方です。

私(そう)は、1999年に、山田太一さんにお話をうかがう機会をえました。
とても魅力的な方で、30分間の約束があっという間に1時間過ぎていました。

山田さんの作品は、常に現実の問題と切り結んで“家族”を
描かれてきたように思います。
(つい最近、NHKで放送されたドラマ「迷路の歩き方」もそうですね。←2003.2.23追記)

山田さん自身は、自分は“社会派”ではないけれどもと前置きして、
「日本のドラマが社会の現実とかかわりなさすぎてしまっている」
「いまのトレンディドラマは、把握できる社会の現実が狭くなってきていますし、
単純なヒューマニズムであったり、現実とは接点のない正義感がうたいあげられたりする
ドラマが多いのでは」と語ってくださいました。

とくに、印象深かった山田さんの言葉は、
「家族というのは、それぞれのプラスもマイナスもお互いに肯定しあって、
そこに何かをつけくわえていくところだと思います。
そういう家族のあり方の中から、資本主義的な効率主義や合理主義などとは、
まったくちがう本当の人間的なあり方や考え方が、生まれてくる」

それと、
「自分のまわりにいる人は、ちょっといい人だと思うタイプと、
自分のまわりにいる奴はろくなもんじゃないと思っているタイプにわけるとすると、
前者のタイプが私は好きです」
「周囲を肯定して、その肯定している世界に何かをつけ加えようとする方は、
どこの世界の人も素敵だと思います」

最近、自分以外はろくなもんじゃないと周囲を否定するタイプの人が
目につくので、この山田さんの言葉に、とても共感しました。

「何かをつけ加える」というのは、
別の言葉で言うと、「前向きに生きていく」ということではないでしょうか。

家族においても、職場・地域においても
私は、常にこうした姿勢で生きていきたいと、
山田さんとお話して心に決めました。(そう)



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