<マイ・フェア・レディ>

「ソニア!!あぶねぇ!!。」

それは突然の出来事だった。

<数分前>

「よかろう!!、余の実力、みせてくれるわ!」

最初はいつもの口喧嘩だった、ソニアと月夜、火と油、あきもせず大声を出している、さいじとエステルが半ば呆れかけていた時であった。

「二人とも、そのくらいにして・・・『何か』来る!!」

街道を少しはなれた山道、さいじの視線の方向に黒い影がみえる。

「枯死爾蟻・・・カースアント、三匹か・・。」

さいじの言葉を聞くとソニアはここぞとばかりに呪文の詠唱をはじめる。

「月夜、余があしでまといかどうか見ておれ。」

『閃光系のハイ・スペル』、カースアントはその原型をとどめること無く燃え尽きる、ソニアは得意げに月夜の方をみる、しかし・・・・。

「ソニアッ!!」

物陰に四匹目が隠れていた、しかも倒した三匹とは比べものにならないぐらいの大きさだった、ソニアが振り向いた時にはその化け物の醜悪な牙が喉元にかかる寸前だった、月夜はとっさにそれをかばいソニアを突き飛ばす。

「さくちんっ!!!」

エステルが月夜に剣を投げ渡す、手に届いたかという瞬間、カースアントは断末魔の悲鳴を上げる事無くまっぷたつになっていた、一息ついて月夜はソニアの方を見た、さすがに自分の詰めの甘さに落ち込んでるように見えた、しかし、ソニアはキッと月夜を見つめると。

「よけいなことをしおって、余の見せ場が台無しではないか。」

そしてまたいつものように口喧嘩が始まる。

さいじ  「(仲、悪いなあ・・この二人。)」

エステル 「(仲いいねぇ・・まったく。)」

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