闇の帰還

暗い・・・・・・・・・・闇
堕ちてゆく・・・・・・・・
吸い込まれてゆく・・・・・・・・
薄れゆく・・・・・・・意識・・・・・・
ここはどこだ・・・・俺に・・・・・・なにをした・・・・・・

死んだのか?
俺は死んだのか?

英雄セフィロス。
ソルジャーセフィロス。
彼に憧れてソルジャーに志願する者は多かった。
クラウド=ストライフもその中のひとりだった。

だが、セフィロスは狂ってしまった。
ニブルヘイムの新羅屋敷で。

ジェノバ。
彼の出生の秘密。
ソルジャーの真実。

総てを知ってしまった。
なにもかも、総て・・・・・・・・。

クラウド・・・・・・・。
クラウド=ストライフ。

そうだ、俺はクラウドに倒されたのだ。
あの忌々しい「超究武神覇斬」によって。
よりにもよって、あの、できそこないの、コピーによって、だ。

人形・・・・・そう、あいつは人形だった・・・・・。
涙を流すことのない、人形。

だが、あいつは自分の弱さを認め、総てを手に入れた。

・・・・・・ふっ。
弱さだと。
そんな物は「神」には必要ないものだ。

神の誕生。
俺は完璧だった。
片翼の天使。
最高位の魔法を唱え、六枚の白い羽根で大空に君臨するつもりだった。
黒い羽根で憎い人間どもを根絶やしにするつもりだった。

ところが。
あいつ・・・・・クラウドは、総てを俺から奪っていった。

・・・・・・・ここでじっとしている訳にはいかない。
黙っているつもりはないのだよ。
クラウドくん・・・・・。

セフィロスは不敵な笑みを浮かべた。
その美しい顔や額や口からも大量の赤い血を流しながら・・・・・。

「クラウド・・・・・わたし、赤ちゃんが出来たの。」
ティファが、ほほを真っ赤に染めて、クラウドに、そう告げた。

「えっ、ほんとに!?」

彼らにはもう家族はいなかった。
だから、その喜びようは、例えようがないくらいである。

(クラウド・・・・・・・・・)

「この子の名前、なににしよう?」

(お前の身体の中にジェノバが存在している限り)

「転ぶから底の低い靴をはいて。」

(俺は何度でも甦る。)

「まだかなぁ・・・・・。」

(何度でも・・・・・・・だ。)

次の年の春、ふたりの間に可愛い男の子が産まれた。
金色の産毛がほあほあとして、まるで天使のようだ。
瞳はクラウドと同じ碧。
どうやら父親に似たらしい。

「なんて可愛い・・・・・。」
その小さな身体を抱いてみる。
クラウドは少し身震いをした。
感動の為だろうか・・・・・。
それとも・・・・・・・・・。

抱かれた赤ちゃんは目を見開き、にやりと笑った。

(俺は何度だって甦る。
 お前の体の中にジェノバの細胞がある限り、何度でも・・・・・だ。)



絶対セフィロス、クラウドを恨んで死んでいったと思うんですよ。
激しく睨んで死にましたもの。
で、こんなお話を考えてみました。
私はセフィロスファンです。 (^^;)

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