音響製品の割賦

 71年の雑誌の広告である。「割賦」とはクレジットの事である。「月賦」とも言った。今ではクレジットなんて横文字になっているが、何か後ろめたい感じだった。この頃、ウチの近くに「丸共」だったと思うが月賦屋(表向きにはデパートなのだが2階立てのビルだった)があって、テレコ、ラジカセを買ってもらった。今みたいにオンラインなんて普及してないないから、毎月払い込みしに行ってたな。普通のデパートみたいに客は少なく。値段も定価(割賦にするから)だった。品数も少ない、だけど現金で払えない弱味があるのかしょうがなかった。ここにある割賦は、70年代の若者の憧れの音響つまりオーディオの通販である。それぞれ、頭金+月払い額×回数が値段なんだけど、当時としてはけっこう高い金額になる。マイナーメーカーの製品は多少買い得って感じ。下の二つの製品はウチに同社のものがあった。一番下のステレオはLPレコードをかけるとふたができなく、ターンテーブルからレコードがはみ出る構造であった。それでもステレオということで雰囲気だけという感じだった。音は、低音は出ず、しゃりしゃりした音で、ボリュームを上げるとスピーカが共振して大変だった。もちろんFMなど聞けない。一枚400円のEPかコンパクトLP(4曲入り)をかけていた。駆動方式はリムドライブで、針はサファイア針で当然調節などできなかった。この時代、電器大型店は大都市しかなかったので、田舎に住んでいる若者にとっては、雑誌の通販は欠かせないものだった。