冷水器つき冷蔵庫

 70年代家電には、ユニークなものがあるが、冷水器つき冷蔵庫もその一つだろう。三種の神器と言われた時代から10年程経ったころで、家電会社も差別化して商品を売らなければいけないというのが良く分かる商品だ。東芝は、カセット付きカラーテレビ(ビデオではなくオーディオ)も世に出している。ちょっとした独自のアイデアを全面に押し出すという感じだ。商品名の「北斗星」もなつかしい。家電は商品名も重要な時代だった。イメージなのだろう。「ワンタッチ」、「デラックス」当時のお決まりのコピーが書かれています。ドアを開けずに水が飲める。確かに便利かもしれませんが、写真のように冷蔵庫の前で飲む時などは便利かもしれないけど、容器に入れて冷やしてもあまり手間は変わらない。あと、タンクに水を入れる手間や手入れ、途中のパイプの衛生状態の管理を考えると手間がかかる感じである。今や細菌の問題でウォータークーラーは無くなってるけど、当時は「何て、素敵な機械なんだろう。」と思えたのだ。「冷たい水が家で飲める。」ということが、エアコンがまだ普及していない当時としては、贅沢なことだったのだろう。「霜なし」という表記もなつかしい。霜とリは昔、家庭ではバルサンをたくときのレベルの行事だった。(1972年春)