深夜放送ファン改題「ランラジオ」

 「現代用語の基礎知識」で有名な、自由国民社発行のマイナーな雑誌である。74年の秋に買ったものである。深夜放送がブームで、今思えば凄い人たちがパーソナリティーとしていたのだとつくずく考えるのである。最近、夜中に目がさめて、ラジオを聞くが聞くに耐えないものが多く、電波に流すのはエネルギーの無駄遣いだと思えてくるのもある。「ラジオ深夜便」に落ち着くのだがもっと、3〜40代でも聞けるものを流してほしい。まあ、若者向けになるのはしょうがないが、中身がただの数人の雑談というのはお粗末である。それでも、TBS系の伊集院光と爆笑問題と小堺一機、関根勤のは聞いている。

 74年頃は、深夜放送が元気で面白かった。オールナイトニッポン、セイヤング、パックインミュージックが競っていた。オールナイトニッポンは、1時から5時までで、2部に分かれてなく今考えれば長い時間だった。けっこう売れ筋のタレントを起用していた。この頃は「あのねのね」「鶴光」なんか聞いていたなあ。あの「タモリ」も2部に分かれてからの2部から始まったのを覚えている。3時からの2部はネットワークが多少狭まった感じだったと思う。イルカ、長淵、宇崎竜童、浜省、拓郎、泉谷、山崎ハコなどなど有名どころになっている人が多かった。そのなかで渋かったのは、糸井吾郎だろう。当時、中学生だったので内容は大人に聞こえたが、放送としてしっかりしていいるものだった。んん。

 セイヤングは、他の番組よりも30分早くオンエアだった。旺文社の番組(ラジオ講座、英協の番組)が終わったあとやっていた。落合恵子、谷村新司、せんだみつお、みのもんたなんか覚えている。そのなかでも、落合恵子は女性問題をはじめとする社会問題にまでふれていたような気がする。パーソナリティーがしっかりしていた。谷村新司は、おそらく聴取率一番だったのではないかと思う。言葉の遊びや、ギャグがおもしろかった。シリアスなコーナーもあり、バラエティーにとんでいた。せんみつは、ただくだらないだけだったが、当時はおもしろいと思った。グレープなんかもやってたな、そう相方(漫才じゃないか)の解散後のバンド名が茶坊主だった。

 パックはさらにマニアックというか、個性的でナッチャコパックや林美雄なんか覚えていて、今でも聞きたいと思います。

 こんなに今でも覚えている一つのブームだったわけで、深夜放送だけで雑誌があったのです。内容は上の表紙にあるような、放送の裏ネタや芸能ネタ、オーディオネタなど当時同じく流行っていたBCLなんかも特集されていました。