ポケットカメラ

ポケットカメラ、正式には110判のカメラで今では見かけなくなった。70年代前半今のような技術水準ではなかったが、「コンパクト」ものが流行った。携帯できる、しやすい、運びやすい、つまり小さく、軽いという流れがあった。テレビでも、大型の家具調テレビが売れる一方、セカンドテレビとして白黒のポータブルテレビがあった。70年の終わり頃まで、あった。(高見山が宣伝してたナショナルの製品がそうだった。)ポケットカメラは、携帯に優れ、当時流行ってたジーンズのポケットに入れるというコマーシャルを覚えている。価格は、今よりも高く、私が買ったのはSEDICというメーカー(御存じのかたはかなりのマニアだと思う)のもので、フラッシュが横にジョイントできるかっこいいやつで、定価24000円だった。画質は、フイルム幅が小さい分、引き伸ばすので35ミリよりも粗く、軽かろう、悪かろうであった。73、74年の頃だ。上の画像はキヤノンのものだが、フラッシュは上に付けるようになっている。また、110版のほか、これはさらにマイナーな存在だった、コンパクトフイルムカメラなるものもあった。このフイルムはポケットカメラよりも大きく、メカ的には同じなのだが、ポケットカメラほど普及せず終わった。私が持っていたのは、東南アジア製で大沢商会が輸入代理をしていた製品だった。露出、ピントも調整できない廉価、数千円だった記憶がある。が、72年頃、あった。コダックのフイルムを使っていた。そして、フラッシュはフラッシュキューブという4面使い切りのもので光と同時に熱も発し、プラスチックが焦げるにおいもたまらなかった。現在、のAPSみたいに画像がきれいではなかったが、いまとなっては懐かしい。