ソニー ウォークマン

 70年代の終わり、若者のライフスタイルを変える電気製品が登場した。ソニーのウォークマンである。歩きながら、どこでも音楽が聞ける。携帯電話を手に入れたときと同じようなわくわくがあった。そんなにしてまでなぜ音楽が聞きたいと、当時親の世代は良く言ったが、いつも音楽が傍にないと不安になってしまう、生活の中に音楽がしっかりと入っている年代としては、この上ないグッズだったのだ。しかし、価格は3万円を超えていて、すぐには買えなかった。今では、数千円で買えるが、高いものだった。ウォークマンは商標だが、普通名詞のように使われていた。上のものは1号機で、左右のボリュウームは独立しており、使いやすそうだが使いにくかった。再生専用だが、マイクがある。これは、ヘッドフォンをしながら、外の音を聞くためについていた。あんまり役には立たないのだが、他社製品にも初期にはついていた。当時の付属のヘッドフォンは、頭にかけるものでステンレスのアームであった。今のものはイアフォン形式でアームはないが、当時はアームがあった。ヘアスタイルが乱れたものだった。当時、電車のなかでシャリシャリと音を漏らせながら音楽を聞く光景が現れたのである。当時は小さいモーター、その後フィルム基板を使ったモーターになるが、これが電池を食った。アルカリ電池がメジャーになるのもこの頃からである。80年代、90年代を予告する商品だったと思う。ちなみに、私はソニーのではなくクラリオン製のものだった。