一日一回路 vol.3
2004/4/4
Ei EL519
ネットで見つけたEiのEL519を注文して、1週間でイギリスのくだもの店から届きました。
4ペアのものを2組で送料込総額£129.28、一本2000円位ですが今サイトを見たら2週間もしてないのに値上がりしていて儲かった気分です。
http://www.tube-shop.com/ei.ASP
別ラインの生産か途中で改良されたのか一組の4本は写真の右側のように、ゲッターを仕切るマイカ板が追加してあります。
同じEiのKT90とプレートの長さは同じですが、EL519はキャビティトラップ構造で形状が違います。
マイカ板やグリッドの放熱板はKT90と同じ物が使われています。
手元にあるGD(ゴールデンドラゴン)EL509と引き比べると見劣りしますが、細身なスタイルはいいと思います。
GD-EL509の場合、耳元で振って殆ど音のしない造りの良さからすれば、KT88よりも実質価値は高いと思います。
ただGD-EL509には、ちゃんと作業指導していないのか内部配線の間隔がG2とG3の部分で非常に狭いものがあるので、G2に高電圧をかける使い方をする場合は注意した方がいいです。
ネットで見つけた真空管OTLアンプの回路
http://www.otlamp.com/articles/ak/
http://www.otlamp.com/articles/ak/figure2.jpg
私の製作したのと同じEL509の4パラであること、出力段が一般的なSEPPではなくてCSPP(Circlotron)が嬉しいです。
出力管のG2はMOS-FETのソースフォロワによって220Vを中心にG1と同じ信号電圧でドライブしているが、私のようにG2電流を出力に加算する方式でないのが惜しいです。
フロントエンドから見ていくと、V1はバランス入力に対応するための差動回路でバランス→アンバランス変換のため。
次段のV2Aはカソード側から出力しているけど、V1のプレート抵抗にブートストラップが掛けてあるので、カソード接地回路同様のゲインがあります。
V2BでP-K分割位相反転してプッシュプルの信号に変換しています。
V3、V4の左半分は交流的にプレート・カソードがクロスシャント接続してあり、片側に信号が入るだけでも互いのカソードにプッシュプルの信号が発生しますから、V2BのP-K分割位相反転は不要な気もしますが、よりプッシュプルバランスを高めることが目的なのでしょう。
V3,V4の右半分はカソード入力グリッド接地回路でゲインがありますが、グリッドに出力から100%のNFBが掛けてあり、V3,V4以降がゲイン1で電圧フォロワ動作する出力段となっていて、このアンプは出力からフロントエンドへのNFBがありません。
V3,V4の右半分の信号出力はV5,V6のカソードフォロワを経て、V7〜V14の出力管群のG1をドライブし、同時にQ1,Q2のMOS-FETソースフォロワによって、V7〜V14のG2のドライブと、V3,V4の右半分とV5,V6のプレート電源電圧を振ることで、オープンループゲインを高めNFB量を増やして、出力インピーダンスを下げるなどの特性改善が図られています。
100%NFBで括られた出力段はAC結合のためにDC安定性が心配です。
G2電圧の220VはEL509には高過ぎに思うのですが、酷使してエミ減しても性能が保てる設計なのでしょうか、G2電圧220Vが酷使の原因だとしても。
回路構成といい、デザイン・プロデュースのセンスに疑問の残るアンプです。
こちらのOTLアンプもCSPPらしいです。
http://www.atma-sphere.com/papers/theory.html
300B OTLなんてのも、
http://www.atma-sphere.com/papers/300b.html
ここでもCSPPのOTLアンプをやっている。
http://www.eng.umu.se/personal/morgan/Valvular%20Pages/pages/otl_page.htm
ここは2パラSEPP4chOTLアンプを作るために、EL509を100本程集めてデータを取っている。
http://www.tubeaholic.com/projects/project.view?RowId=20
これはSEPPといえるのかな、こんな回路があったことさえ知らなかった。
http://www.wdehaan.demon.nl/murray.html
シミュレーションしてみたらSRPPのような動作で、特定の負荷インピーダンスの場合だけ上下のプレート電流の変化が対称になる。
2004/5/3
スチーブンスOTL
本の図の+B電源のダイオード向きが逆でしたので、この図では直してあります。
このアンプに適応するスピーカは、OTL専用のボイスコイル・インピーダンス200Ω以上のものです。
SRPPは制御抵抗によるパワーロスがあるしA級動作に限られますが、回路が簡単なところがいいですね。
6K6を3結にしたカソードフォロワでSRPP下側2A3のGをドライブし、6K6のPは出力点であるSRPP上側2A3のHに接続してあるので、下側2A3に6K6のP-Kを介して6K6の1/μの負帰還がかかりますが、この負帰還による効果は2A3のゲインが低いため少ないです。
出力点から12AX7のKへ50kΩの負帰還の方が強力に作用しています。
6K6はカソードフォロワだけの動作でも問題ないと思われます。
しかし適当な電圧の電源が回路になかったため、出力点に接続したということかも知れないです。
B電源電圧を600V位として、50kΩと1kΩのVRの設定によりますが、6K6のP-K電圧はおよそ400V程度かかり、規格オーバーです。6K6のプレート電流は7mA程度です。
12AX7カソードへの帰還抵抗50kΩには600V位かかるので相当大型の抵抗が必要です。
この抵抗の電流と6K6のプレート電流によって、上側2A3のプレート電流が下側2A3よりも大きくなりますから、上側2A3のP-H間電圧を下側2A3のP-H間電圧よりも低くして、プレート損失のアンバランスを減らす電圧配分に設定するのがよいと思います。
超三結は、6K6の部分では2A3のゲインが低く効果が薄いので、12AX7のKへの50kΩを3極管にしたらよさそうですけど、600Vですから現実には適当な3極管がありません。
> 巧くPP動作をするのかよく理解できずに困っております。
全部を説明するのは大変なので、理解できないのはどの辺でしょうか。
2004/5/6
セレン整流器ですか、ハーモニカ型のがテレビに使われていましたね。
下図のように直結部分の回路をDC解析してみました。
真空管のモデルに丁度のが無くて2A3は300Bを、6K6は6V6を代用しました。
実際は出力管がパラですけど、シミュレーションではシングルです。従って負荷抵抗R8を2倍の1kΩとしてあります。
12AX7のバイアス電圧V5を調整して、無信号時の下側出力管のプレート電圧を220Vにしました。
それにより出力点のDC電圧は265Vとなりましたので、無信号時のR8の電流を0とするために265Vの電源V4を接続してあります。
VAm1は出力電流、VAm2は上側出力管のプレート電流、VAm3は下側出力管のプレート電流、VAm4は帰還抵抗R4の電流、VAm5はカソードフォロワ管のプレート電流の電流計です。
IVm1は下側出力管グリッド電圧の電圧計です。
12AX7の信号電圧V1を-20〜+20まで変化した時のグラフが下の図です。
グラフの下の数値はV1=0、すなわち無信号時の値です。
VAm2=63mA VAm3=44mA VAm4=12mA VAm5=7mA IVm1=-44Vとなっています。
横軸がV1で、縦軸がVAm1〜VAm5電流とIVm1の電圧です。
黒の太線がVAm1で、+側の約120mAでクリップしています。
この時、青の下側出力管プレート電流VAm3は0になり、赤の上側出力管プレート電流VAm2は約140mAで、黒細線のVAm4は14mA、橙のVAm5が6mAとなっています。
出力電流は-側でもクリップするはずですが、シミュレーションの 真空管のモデル が不完全な(グリッド電流が流れない、プレート電圧が負でもグリッド電圧に比例したプレート電流が生じる)ために下側出力管グリッド電圧が正の範囲を正確に再現できません。
紫の縦線は下側出力管グリッド電圧IVm1で、0Vを通過したところがグラフに表示されています。
ですから下側出力管グリッド電圧が0Vの時、下側出力管プレート電流は約85mA、出力電流は100mAであることが判ります。
カソードフォロワによって下側出力管グリッド電圧を強引に+方向へドライブすることで、出力電流を+側と対称に-120mA位まで振ることができると仮定すれば、
出力電圧の最大振幅は240Vで、負荷500Ωでは出力電力が14.4Wとなります。クリップして歪率が5%とか10%とかなら20W位の最大出力となるでしょう。
2004/5/16
Quad2位相反転
Quad2の位相反転回路は共通スクリーングリッド抵抗によるスクリーングリッド結合ですが、
それだけではV2プレートにV1プレートと対称な電圧振幅が得られないために、
V2のコントロールグリッドにV1の出力信号を与えています。
このために、V1で発生する2次歪がV2の出力信号に加わり、プッシュプル合成信号の2次歪が増加します。
その歪を抑えるために、V1カソードへNFBをかけることが必要になり、
結果として、Quad2の位相反転があのような回路になっているわけです。
スクリーングリッド結合位相反転回路の改良
もしスクリーングリッド結合だけで対称性の良い位相反転ができるならばと下図のような回路を考えてみました。
R1とR2の比を変えることで出力電圧のバランスを調整できます。
R7はV2の無信号時のプレート電圧をV1のそれと等しく調整するために入れました。
R3の1MΩはシミュレータのエラーを防ぐために入れたもので実際には不要です。
下図は信号電圧Vinが1Vp-p(1kHz)における、V1プレート電圧(青曲線)とV2プレート電圧(赤曲線)です。
V1とV2は差動回路のような双方向の動作をしないので、NFBはV1にだけしか掛けられませんから、
NFBの掛け方は下図のようにQuad2のような方法になります。
R8,R9がNFBの帰還回路で、R10,R11はV2にNFBが掛からないようにキャンセルする回路です。
2004/5/24
確かにV2のG2が接地されていると共通カソードに戻されるオーバーオール負帰還がV2のカソード・G2間の入力信号となりますね。
しかしオーバーオール負帰還を利用して平衡を保つ方法では、負帰還量が変動した場合に平衡が崩れてしまいますから、位相反転作用にオーバーオール負帰還の影響を受けないことが理想です。
V1,V2のG2を結合して共通の高抵抗で電源に接続してある場合には、共通の高抵抗とG2入力抵抗でオーバーオール負帰還が分圧されるので影響が少ないと思います。
野呂さんの「QUAD2改」をシミュレートしてみました。
NFBについては省いてあります。
V1のプレート出力をV2のG2に加えて振幅をそろえるわけですね。
オリジナルよりシンプルな回路で、しかもプレートに発生する同相成分がSG帰還によって抑制されることも特長ですね。
シミュレーションした回路
出力インピーダンスを見るため、出力に直列抵抗を接続し電圧を加えて、出力電圧波形を観測した。
R8が2.7の時のダンピングファクタが5程度になるようにRoを設定した。
Xpaは出力段の代用の電圧制御電圧源、Vdcは出力電圧のDCオフセットをキャンセルするためのもので便宜的に使用しました。
下図はR8を2.8kΩから2.8kΩステップで可変した場合の出力電圧波形。
Ro=8.4Ωでは第2高調波波形になる。
Ro=11.2Ωでは負性インピーダンスになっている。
2004/6/20
定電流源I2,I3がU6,U7のKに接続してありますけど、これではU3,U4のプレート・カソード間電圧が低過ぎでは、U6,U7のGに定電流源を接続した方が、しかしU6,U7は純抵抗に置き換えてもよいです。なぜなら抵抗に定電流が流れるなら、発生する電圧は定電圧だからです。
私はスタックスを知らないのですが、この回路でゲインは適当でしょうか。
定電流源I2,I3の内部インピーダンスを下げるか、U3,U4のG間に抵抗を接続するとゲインを上げる方向に調整できます。
そこで僭越ながら私が、kokekoさんの回路をベースにアレンジしてみました。
2Vrmsの入力で約400Vp-pの出力が得られるようにR7を調整してあります。
R8,C2はC1=220pFで方形波のオーバーシュートが無くなるように調整してあります。
2004/11/4
可変ダンピング・ファクタ・コントロール
2004/12/7
ゲインを増やすブートストラップ接続の回路例
破線で囲んだ部分がブートストラップ接続です。
ブートストラップ接続はゲインを増やす以外にも様々な使われ方をしています。
アンプマニアさんが示したOP291の回路では、Q20,Q21(Q30,Q31)のコレクタがQ23,Q24(Q27,Q28)のエミッタに接続してあるのはブートストラップ接続です。
そうすることで、Q20(Q30)のコレクタを−電源に、Q21(Q31)のコレクタを+電源に接続するよりも、Q20,Q21(Q30,Q31)のB-C間の電圧変化が小さいのでミラー容量が減る効果があります。
ほんの一部ですけど、こんなのを見てるのかと思われるの恥かしい。
2005/1/1
新BBS立上げ記念 新年特別寄稿
QUAD Uの解釈
昨年のMJ2月号の窪田先生の記事に端を発したQUAD Uの位相反転の見解を巡る騒動は、誰からもはっきりした解説が出てこないまま年を越してしまいました。
答えを明かさずにいつまでもMJを買い続けさせようという魂胆かも知れませんが、懸命な読者はMJ6月号の土`屋赫先生のPFB付き6CW5ppアンプにヒントを見たに違いありません。
私の解釈を要約すると、
以上は、その解釈に基づくアンプ回路の動作確認によって証明されました。
図がそのアンプ回路です。
3極5極の複合管である6LU8を使い、初段と2段目に3極部を用いているので、スクリーングリッド結合はありません。
上側6LU8Tが初段で、そのプレート出力をVR100kΩで調整して2段目である下側6LU8Tに与えています。
VR100kΩの調整で下側6LU8Tのプレート出力を上側6LU8Tのプレート出力と電圧を等しくしてプッシュプル動作のACバランスを取ります。
初段に比べ2段目のプレート負荷抵抗が低くしてある理由は、2段目の動作電流を大きくして、2段目カソードから初段カソードへの正帰還量を適当に高めるためで、この回路では出力インピーダンスがほぼ0となる値にカットアンドトライによって設定してあります。
VR100Ωは上側6LU8Tと下側6LU8TのプレートDC電圧のバランスを調整するためのものです。下側6LU8Tの方がプレート電流が大きく飽和電圧が高い分だけ高めに設定してあります。
本題と外れますが2SA872Aは出力がクリップした時の不安定動作を回避するためのものです。
出力電圧波形の山(正)側がクリップすると、その部分で正帰還量が負帰還量を上回るために不安定になる現象が起きました。
対策として下側6LU8PのG1電圧が正近くなると2SA872AによるスイッチをONして、下側6LU8TにP-G帰還を掛けることでゲインを下げて正帰還量を減らすようにしました。これによって出力がクリップしても安定に動作します。
一方、出力電圧波形の谷(負)側がクリップする時は、上側6LU8PのG1電圧が正になるとG1へ電流が喰われて電圧が上がらなくなり、下側6LU8Tに与える電圧も上がらないので正帰還量が増えず不安定にはなりません。
また出力インピーダンスを0にするほどの大きな正帰還でなければ、山(正)側のクリップでも不安定にはなりません。
負帰還ループの周波数帯域から正帰還ループの周波数帯域がはみ出すと、正帰還量が負帰還量を上回り不安定になります。
よって負帰還ループの周波数帯域を広くするために出力段にカソード負帰還を掛け、正帰還ループの周波数帯域の低域を段間のカップリングコンデンサの容量で制限しました。
方形波を見て上側6LU8PのG1-GND間にCRを入れて高域ゲインを落とし、逆に下側6LU8Tのミラー効果による入力容量で減衰する高域分を910kΩと並列のCRで増強しました。
正帰還量を調整するとD-NFB的効果で歪率が減少するポイントがあります。
正帰還によってゲインが増加した分だけ初段のノイズや歪も拡大されます。
正帰還量は真空管の特性に応じた調整をする必要があります。
このアンプは詳しい特性データを取らずにばらしてしまったので、私の記憶では最大出力およそ20W、歪率は真空管の当り外れによりますが出力インピーダンス0で0.2%(1kHz,1W)程度に調整できました。
QUAD Uでは初段にゲインの高い5極管を使いカソード結合とスクリーングリッド結合の併用で結合度を高めることによって、正帰還量を小さくしてノイズや歪の増大を抑え安定動作を得ていると想像できます。
QUAD U方式は、V1のやることをV2が励ましてバックアップする、それによってV1が実力以上に元気を発揮し、V2もまたV1の元気を受けV1を更に励ましってことで、V1とV2が調子こき過ぎて暴走して信号無視で発振しないように、適度な励ましに設定して置く必要のあるフィードフォワード制御回路です。
2005/1/3
新年特別寄稿 Vol.2
MJ6月号の土`屋赫先生のPFB付き6CW5ppアンプのP-K分割による位相反転の方がQUAD Uよりもシンプルで良さそうに思えたので、6LU8を使ったQUAD Uの実験回路を図のように作り変えました。
土`屋赫先生は計算で低域にピークを生じないように定数を導き出しておられますが、私はシミュレータで大体の傾向を掴み実験による動作確認で決定しました。
得られた性能はQUAD Uの実験と大差なかったので、この辺は使う真空管で決まるものかも知れません。
特に駄目なのが初段ヒータからのハムで、完全な直流点火しか回避する道は無く、6LU8が複合管であるため出力管も含めたヒータのDC電源が必要になることは大きなデメリットです。
しかし出来合いスイッチング電源を使えば直流点火も簡単だろうと試してみました。
高い周波数のスイッチングノイズはフィルタやシールドで減らせたのですが、スイッチング電源の出力に商用電源の2倍の周波数のリップルが0.1mVp-p程あるのが駄目で、これを無くすためAC100Vをブリッジ整流して数Ωの抵抗と大容量コンデンサによるフィルタでリップルを減らしたDCをスイッチング電源に入力しました。
これによってスイッチング電源の出力に発生するノイズは1mVp-p程度になり、実験アンプの出力のノイズは150μV程度にできました。
2005/1/30
負荷から見た信号源抵抗を零(信号源から見た負荷を無限大)にする回路
黒田徹著「解析OPアンプ&トランジスタ活用」127ページのCobの電流を還流する
からの思い付きですが、図のように負荷の電流ILに等しい電流IRを還流すると、負荷から見た信号源抵抗が零
(信号源から見た負荷が無限大)になります。
ILに等しいIRをカレントミラーで作るのがヤマハのZDRであり、ILとIRの差分検出にブリッジを使うのがQuad 405
のカレントダンピングやテクニクスのClass AAではないかと思うに至りました。
電流出力アンプにNFBを掛けることが考えられます。
これはゲイン1で電流を正帰還する回路と見ることができます。
これを具現化するには、愚直にカレントミラーで構成するか、ブリッジによる誤差検出によって電流出力アンプにNFBを掛けることが考えられます。
その動作が完全であれば、周波数特性が無限に平坦で、歪の無い、出力インピーダンス零の出力回路が実現できますが、
2006/1/25
パイオニアが1979年に無帰還を売りにして発売したC-Z1、M-Z1
に搭載したスーパーリニアサーキットという名の回路。
http://homepage3.nifty.com/ebina2540/images/pioneer_nonfb.jpg
この回路のコア部分を下図に示します。
Q3とDによるカレントミラー回路によって、Q2のコレクタ電流Ic2と同じ電流Ic1をQ1のエミッタに流すことで、VBE1=VBE2となるようにしているため、Q1のベース電圧とQ2のエミッタ電圧が等しいという結果になります。つまりVBE2に等しいVBE1を発生させているところに重要な意味があります。
この回路はQ2のコレクタからQ3によってQ2のベースに正帰還を掛けていると見ることが出来ます。
の応用を考えてみました。