6月頃卵の中からピーピーというかすかな声がきこえてくる。そしてとうとうひなが
帰るのである。1週間ぐらいのうちに親鳥とひなは、お互いの声をしっかりおぼえる
(これは、とても大切なこと) 
梅雨の季節が終わろうとしている季節、ひなは親鳥と同じぐらいに成長する。 
親鳥は、この頃からひなに餌の取り方を教える。 
夏、この頃になるとコロニーの大半のひなが巣立ちを終わった頃である。 
幼鳥はまだ餌をとることができない。 
一夏の間、幼鳥はたくましくなった。もう、自分で餌をとることができるようになっ
た。また、空高く飛ぶこともできる。 
親鳥はこのような姿を確かめると、ひなを残し洋上へと、飛びさる。 
コロニー生活に入っておよそ6ヶ月、うみねこはひなを育て終わる。 
秋になり、魚の群は、海岸から去っていく。うみねこ達が、次に向かう場所は、温か
く、魚が多い南の国である。幼鳥達にとって初めての旅である。 
ひとりだちした幼鳥はほとんど親鳥と同じ白い羽毛である。 
そして、次々に飛び立っていく。