アムステルダム オランダ北西部,アイセル湖の南西端にある港市。北海運河で北海に,メルウェーデ 運河でライン川に通ずる。オランダの首都であるが,国会,政庁はハーグにある。商 業・金融の中心で,金属・造船・車両・電機・繊維・ダイヤモンド研磨工業が行われ る。アムステルダム・ロッテルダム銀行,大学(1632年創立),アムステルダム国立 美術館などがある。郊外のスキポール空港は国際航空路の要地。 最初は小漁村であったが,13世紀初めアムステル侯が築城,14世紀以降海運・商業 都市として発展した。宗教戦争の時代には,外国貿易にとっての自由と平和を重視し ,宗教的迫害から逃れてきたポルトガル系ユダヤ人(マラーノ)やフランスのユグノ ーなどを受け入れた。17世紀にはオランダ東インド会社が設立され,世界最大の商業 都市となった。文化的にも黄金時代を迎え,レンブラントなどの芸術家を多く輩出し た。その後その地位は後退したが,19世紀以降北海運河の開通,商工業の発展に伴っ てオランダ最大の都市となった。第2次大戦中はドイツ軍に占領され,多くの亡命ユ ダヤ人の子孫が強制収容所に送られた。72万2245人(1995)。 アムステルダム国立美術館 アムステルダムにある国立美術館。1808年設立され,1815年国立となる。レンブラン ト,フランス・ハルス,フェルメールら17世紀オランダ絵画のコレクションで有名。 なお同市には19世紀後半から現代までの作品を多く収める市立美術館もある