−雪山には危険がいっぱいです−


滑落・転落
 雪山で起こる事故の中で最も多いと思われます。雪の斜面で滑落したらすぐに滑落停止に入らないと、あっという間にスピードが出て、そのまま谷底へ・・・。外傷はひどいでしょうけど、岩に引っかかって止まればラッキーだと思ってください。富士山のような斜面に引っかかるようなものが何も無い所では、あまりの摩擦によって、下で発見された時には衣服すらも剥がされ裸になってしまうそうです。
 原因としては、単なるスリップのほかにパンツの裾にアイゼンを引っ掛けたり、強風にあおられたりするものが考えられます。とくに、ボードを背負っての行動中は風によってバランスを崩しやすいので注意が必要です。


悪天候
 山での悪天候の怖について、なんの説明も要らないでしょう。気軽な気持ちで雪山に入ったら、はっきり言って死にますよ。マジで。では、これに対抗できるものはなにか?答えは、装備と経験。装備をそろえるのは最低限のことです。しかし、その装備も使い方がわからなければなんの役にも立ちません。あとは、天気を読めるようになること。天気が崩れそうなら山に入らない。あたりまえのことです。


雪崩
 両足が固定されているスノーボードでは、下半身が埋もれただけでも、1人で脱出するのは困難でしょう。雪崩に遭遇しないようにする対策としては、当たり前ですけど、なだれそうな斜面に入らないこと。そのためには雪崩の原理と性質を良く理解していなければならない。
 「雪崩のことを勉強すれば、するほど山には入れなくなる」といったようなことを聞いたことがありますが、まさにそのとうり。ただ、なにも知らないことはもっと怖いことです。


落石
 厳冬期には岩の間の水が凍って膨張し、岩を砕き不安定にします。春になって、氷が溶けると必ず落石は起こります。また、雪上の落石は音がしません。 雪の上に岩がごろごろ落ちていたら、そこは落石の多発地帯です。すばやく通過するようにしましょう。石が直撃したら、まず助かりません。落石を誘発してしまったり、発見した時は、すぐに「ラークッ(Rock)」と叫んで、まわりの人に知らせるようにしましょう。


スノーブリッジ
 雪に覆われている沢も、その下にはゴーゴーと水が流れています。この水によって沢の中央部分はアーチ状に雪が薄くなっています。そこに落ちてしまったらザイルがあったとしても救出は困難でしょう。わかりましたか?沢の中央はアブナイですよ。かといって、端は両岸からの雪崩や落石の危険性も高い。けっきょく、沢はどこも危険ということです。


雪庇
 風の吹き抜ける尾根の風下側には雪庇(せっぴ)という雪のひさしのような物ができます。そのひさしの下は、空洞ですからその上に人が乗ったりしたら、ひさしごと崩れ落ち滑落します。また、気温の上昇等で自然に崩落することもあります。そこは、風下側の斜面ですから当然、雪も吹きだまることが多いです。=その衝撃によって雪崩を誘発しやすい。ということです。


凍傷
 雪山は寒い。そんなことは、分かってますよね。そんな所では、血液のめぐりが悪くなり凍傷になります。凍傷になりやすいのは、ほほなどの肌の露出している部分と手や足などの心臓から一番離れている部分。足の凍傷は、ブーツのヒモの締めすぎからも起こるので要注意です。


ルートロスト
 視界が悪い時はルートを失いやすい。雪山では「ホワイトアウト」と言って、ガスと雪によってすべて真っ白になってしまうことがります。そんな時は、空と雪面の境界線が見えなくなり、登っているのか下っているのかさえもわからない錯覚に陥ります。この対策には、フィールドを良く熟知しておくしかないですかね。こんなときのためにも夏の下見はするべきだと思います。


突風
 突風と聞いても、あまりピンとこないかもしれませんが、山での突風は、ひと1人なんか簡単に飛ばされてしまうくらいの破壊力があります。とくに、富士山などの独立峰では風は強いです。突風は慣れれば、音などからある程度予知できます。また、間隔をおいて来ますから、突風が吹いているときは対風姿勢をとって風がおさまり次第、行動を開始するようにしましょう。


クレバス・クラック
 季節が春に向かい、雪は安定すると同時にその雪解けによって、雪面に亀裂(クラック)が入ることがあります。斜面の上から見ると、この亀裂は見えにくいですからハイクアップの際に地形を良く観察しておくことが大切です。さらにクラックは、雪崩の前兆とも考えられますから近寄らないようにしましょう。


ツリーホール
 樹林帯は雪が溜まりやすく、パウダーをGETする確率が高いですが、木の幹のまわりは空洞になっています。あまり木に近寄りすぎるとその穴に落っこちてしまいますから注意です。






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