ささやかな私の夢だった、ピアノを習い始めた。先生は、ある会で知り合った女性の方である。 初めての日は、駅まで迎えに来て頂いた。 歩きながら、行き方を覚えて、周りの状況も説明してもらいながら、レッスン会場へ。 レッスンが終わってから、帰りも先生に駅まで送ってもらった。 駅で乗車券を券売機で買うやり方も教えてもらっている所へ、駅員さんが来て、押して下さった。 「次からは、多分一人でオードリーと行けると思います。」とお礼を言って、電車で帰って来た。 しかし、不安もあるが、いざとなったら、携帯電話がある。 とにかくやってみるしかない。 そして2週間後の7月5日が来た。 うまくいけるかな? 家の近くの駅での乗車券の買い方をちょっと教えてもらった。 左から2番目のボタンを押して、360円と点字で記されたボタンを押せば良い事がわかった。 阪急線に乗り換えなので、実際は9百円代なのだが、乗り換えない時の表示の運賃が点字に記されているので、実際の運賃とは違うボタンになるのである。 途中乗り換えて、目的の駅に着いた。 とにかく行く方向と曲がる所と、横断歩道の数だけはしっかりと覚えている。 電車を降りて、とにかく上り階段をオードリーに探してもらう。 上って、右へと指示して、改札口を探しなさいと指示したら、下り階段の所に連れて行った。 ここじゃないなと思いつつ、「オードリー、ここと違うよ。おかしいなあ?」とオードリーに話していたら、「大丈夫ですか?」と声をかけて下さった。 「改札口へ行きたいのですけれど」と言うと、その女性、連れて行って下さった。 左へ15メートルぐらい行けば、そこが改札口だった。ああ助かった。どうもありがとうございました。 改札口を出て右へとしじする。そこからオードリーはグングンと引っ張って行った。 あれれ、良く覚えているなあ! 左へと指示してドアの中へ、確かここら辺りにエスカレーターがあるはずなのだが・・・。 そう思っていると、オードリーはグイグイとエスカレーターの所へ連れて行ってくれた。 良く覚えているなあ! そこから右へ、そしてドアへと指示すると上手に誘導してくれた。 ここまでくれば、難関は突破である。 これからは、真っ直ぐに横断歩道を覚えている数だけ渡れば良い。 数を数えながら目的の横断歩道を渡った所で、今度は右へと指示。 それからいくつかの指示通りにオードリーはうまく誘導してくれる。 しばらく行って、指示しようとしたら、オードリーはグイグイと引っ張っていった。 あれれ、一度しか来た事ないのにオードリーは良く覚えているなあ! しばらく行くと、今度は、かなりの強さでグイグイ、そして尻尾がビュンビュン。 ハハーン、心配されて外に出て待っていらっしゃるんだわ・・・。 案の定、「大丈夫だった?」と、先生の声。 おお!無事に到着! 本当に良く覚えていてくれたオードリー、感心してしまった。 私は助かるなあ。 先生も感心されていた。 そして、2回目のレッスンが始まったのである。 2回目は「禁じられた遊び」の半分までを教えてもらった。 カセットテープに先生の指導を録音して来た。 さあ2週間後の3回目のレッスンまでに弾けるように頑張ろう。 レッスン中はオードリーは玄関の所で静かに待っていてくれる。 ピアノの音の大好きなオードリーには苦にはならないらしい。 初めて教えてもらった曲は、「聖者の行進」。 電子ピアノで練習してやっと指が動くようになったので、録音してホームページにUPしてみた。 まだ、左手の和音が、平等に弾けないけれど・・・。 ささやかなこれからの私の楽しみが出来てとても嬉しい。 オードリーがいてくれるから、勇気が出るんだね。 中途失明の私にとって、白杖だけでは、かなりの勇気が要る。 それと、神経をすり減らして行かなくてはならない。 オードリーと出会っていなければ、ピアノを習いに行く決断をしたかどうか、はなはだ疑問である。 心強い大きな見方がオードリーなのである。 オードリーのお陰で、いっぱい夢を叶えてもらえてとても幸せ!! 2004年7月6日
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37。「クイール」副音声・字幕付きの試写会。へ
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