34。ハーネス記念日。



共同訓練の入所式の日、私の足下にダウンして、じっとしていたオードリー。
オードリーの様子を気にしながら、期待と不安でいっぱいだったけれど、あの時、オードリーはどんな気持ちでいたのだろうか。
あれから、今日はちょうど5年。色々と思い出してしまう。

始めの頃は、盲導犬って何でも出来ると思っていた。
この考えが、半年ぐらい、私を苦しめる事になったのだけれど。

オードリーと一緒に生活し始めた頃は、失敗ばかりしていた。
トイレをちゃんと済ませて、出かけたのに、300メートルも行かない内に、又しっこをしてしまう。
もうがっかりしてしまい、悲しくなってしまったけれど、どうしてあの時、オードリーの気持ちを考えてあげられなかったのだろうと今では思う。

気を取り直して、歩き始める。
すると、何と歩きやすいのだろう。
やっぱりオードリーはいいな。気持ちも軽くなる。
とがっかりしたり、喜んだりの繰り返しだったあの頃。

オードリーも一生懸命だったんだよね。
知らない所へ来て、心細いオードリーの事を、充分にわかっていなかったあの頃の私。
オードリーはどんなに不安だった事だろう。

やはり、うまくやって行く為には、お互いの事を良く知り、わかってあげなくてはいけない事を、教えてくれたのは、オードリーであった。

人だって完璧な人は一人もいないのに、犬に完璧を望むなんて・・・。

あれから、オードリーも色んな事覚えたね。
切符、切符と言えば券売機のある所へ、ポストと言えばポストの所へ。
カゴと言えば、買い物カゴのある所へ、レジと言えばレジまで。
パン屋さんと言えばパン屋さんへ、ボタン、ボタンと言えば、押しボタン式の信号のボタンのある所へプラハと言えばケーキ屋さんへ。
おしま〜いと言えば、サッと止めてくれるようになったオードリー。
駅のホームにある椅子を、イス、イスと言えば、8割の確率で探してくれるようになった。
他の椅子は探してはくれないけれど・・・。
電車の空席を探してそこへ連れて行くように、電車に乗る度にしているのだが、犬好きな人の所に連れて行こうとするので、これはもう諦めかけているけれど・・・。
犬好きな人の事、オードリーは良くわかるのだ。
それに空席は、何処かが私自身わからないので、人に触れたりして一発で探せないから、オードリーは認知できないのだろう。

それから、突然の怖い体験で、犬を怖がるようになって、とくに小さな犬が怖くなってしまったオードリー。
これは仕方がないよね。

花火と、雷は怖いのは前とちっとも変わってはいないし、動物病院は、なるべくなら行きたくないってオードリーは思っている。
これはオードリーらしくて、そのままでいいと私は思う。
怖いものは怖いんだものね。

オードリーは、とてもお行儀が良い、これは、パピー時代に習得したものだろう。
パピーウォーカーのHさんのご家族のおかげで、とても助かっている私である。

今では、オードリーと私は、ア・ウンの呼吸。
一つ一つ、積み重ねて来たけれど、あれからもう5年が過ぎてしまった。

11月24日は、オードリーと私のハーネス記念日。
早いものだねぇ、オードリー。
いつまでも元気で長生きしてと、祈らずにはいられない。
2003年11月24日


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