九州から、おじいちゃんが遊びに来た。ピンポンと、チャイムがなると、おもちゃを銜えて玄関へ飛んで行くオードリー。 ドアを開けると、いきなりオードリーの出迎えに、「おお!お前がオードリーか?大きいなあ!」とやや驚いた様子で、おじいちゃんは言った。 訪問者が来ると、喜んで歓迎し、愛想を振りまくので、訪問者もニコニコ。 犬の嫌いな訪問者の時は、オードリーも愛想は振りまかずに警戒する。 自分の事をどう思ってるかが、ちゃんとわかるのである。 愛想を振りまいていたオードリーは、さよならしないで、家の中に入って来たおじいちゃんを、この人誰だろうと、今度は観察し始めた。 リビングのソファーに腰掛けたおじいちゃんとオードリーは、お互いに観察し合っている。 この人、優しそうな人だなあ! えみととても親しそうだし、何やらオードリーの事ばかり話してるみたいだけど、ちょっとお利口にしてた方がいいみたい。 「おとなしいんだね。ナナは、うるさいけど、オードリーは吠えないのかね。」 ナナとは、姉夫婦が飼っている犬で、このナナは、良くキャンキャンと吠えてちょっとうるさいかな。 おじいちゃんの近くに住んでるので、よくおじいちゃんの家にも遊びに行っているのである。 「オードリーは吠えないよ。訓練されてるからね。」 しばらくして、タオルの引っ張り合いっこをして遊ぶと、「そうやって遊んでもいいのかね」 「どれどれ、おじいちゃんも遊んでもいいのかな?」 いいよと言うと、二人は楽しそうに遊んだ。 オードリーは、これで、おじいちゃんが大好きになってしまい、時々、タオルを銜えて、遊んでぇと、おじいちゃんに催促して行くようになってしまった。 おじいちゃんは、その都度遊んでやっていたが、「オードリー」と遊ぶのも、疲れるね。」 と言いながら、次からは、「後でね。今疲れたから、お前は元気がいいな」と、オードリーに断っていた。 お兄ちゃんが帰って来た。 いつもの様に、飛んで玄関へ。 この人お兄ちゃんも知ってるのだ。 しばらくして、買い物に行って来ると言ったら、おじいちゃんもその様子を見たいからと付いてきた。 おじいちゃんも、ちゃんと来てるかな?と、オードリーは後ろを振り向きながら歩いて行く。 「おじいちゃんの事は、気にしなくても良いから行きなさい。」とおじいちゃんは言う。 気配りしているオードリー。 スーパーで、おじいちゃんは、自分の買いたい物を探している。 何処にいるのかわからなくなってしまった。 「おじいちゃん、Go」と言うと、オードリーは、キョロキョロしながら、探し始め、あちこち歩いて、おじいちゃんの所へ連れて行った。 おじいちゃんから、「オードリーは偉いねぇ」と、褒められ、嬉しそうなオードリー。 買い物を終えて、帰る時も、おじいちゃんはその様子を後ろから観察していた。 お前の事をちゃんと見ながら、周りに気を配ってオードリーは歩いてる。 ここまで犬がやってくれるとは!! 感心しながら、又、オードリーも疲れるだろうなと、おじいちゃんは言った。 オードリーの食事。 それを見ていたおじいちゃんは「良かったねぇ、オードリー、美味しいか?」と聞いていた。 お父さんが帰って来た。 いつもの様に、オードリーは、喜んで飛んで行った。 えみは、おじいちゃんの事を、お父さんと言ったりおじいちゃんと言ったり、どっちなんだろう。 可笑しいなあ! まあ、どっちでもいいか。オードリーの事、Kと呼んでる時もあるもんね。 Kちゃんは、お兄ちゃんの事なのにね。 家族の夕食の時、テーブルの下で、静かにダウンしているオードリーに、「すまないね。お前は食べられないのか。」と言いながら食べてるおじいちゃん。 娘の生活を助けてくれるオードリーは、おじいちゃんにしても、大切な家族らしい。 一晩泊まって、「お母さんを頼むね。オードリー。」と言いながら、オードリーにお小遣いをくれて、おじいちゃんは帰って行った。 2003年8月17日
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