31。お小遣いをくれた、おじいちゃん。



九州から、おじいちゃんが遊びに来た。
ピンポンと、チャイムがなると、おもちゃを銜えて玄関へ飛んで行くオードリー。
ドアを開けると、いきなりオードリーの出迎えに、「おお!お前がオードリーか?大きいなあ!」とやや驚いた様子で、おじいちゃんは言った。

訪問者が来ると、喜んで歓迎し、愛想を振りまくので、訪問者もニコニコ。
犬の嫌いな訪問者の時は、オードリーも愛想は振りまかずに警戒する。
自分の事をどう思ってるかが、ちゃんとわかるのである。

愛想を振りまいていたオードリーは、さよならしないで、家の中に入って来たおじいちゃんを、この人誰だろうと、今度は観察し始めた。
リビングのソファーに腰掛けたおじいちゃんとオードリーは、お互いに観察し合っている。

この人、優しそうな人だなあ!
えみととても親しそうだし、何やらオードリーの事ばかり話してるみたいだけど、ちょっとお利口にしてた方がいいみたい。

「おとなしいんだね。ナナは、うるさいけど、オードリーは吠えないのかね。」

ナナとは、姉夫婦が飼っている犬で、このナナは、良くキャンキャンと吠えてちょっとうるさいかな。
おじいちゃんの近くに住んでるので、よくおじいちゃんの家にも遊びに行っているのである。

「オードリーは吠えないよ。訓練されてるからね。」

しばらくして、タオルの引っ張り合いっこをして遊ぶと、「そうやって遊んでもいいのかね」
「どれどれ、おじいちゃんも遊んでもいいのかな?」
いいよと言うと、二人は楽しそうに遊んだ。

オードリーは、これで、おじいちゃんが大好きになってしまい、時々、タオルを銜えて、遊んでぇと、おじいちゃんに催促して行くようになってしまった。

おじいちゃんは、その都度遊んでやっていたが、「オードリー」と遊ぶのも、疲れるね。」
と言いながら、次からは、「後でね。今疲れたから、お前は元気がいいな」と、オードリーに断っていた。

お兄ちゃんが帰って来た。
いつもの様に、飛んで玄関へ。
この人お兄ちゃんも知ってるのだ。

しばらくして、買い物に行って来ると言ったら、おじいちゃんもその様子を見たいからと付いてきた。
おじいちゃんも、ちゃんと来てるかな?と、オードリーは後ろを振り向きながら歩いて行く。
「おじいちゃんの事は、気にしなくても良いから行きなさい。」とおじいちゃんは言う。
気配りしているオードリー。

スーパーで、おじいちゃんは、自分の買いたい物を探している。
何処にいるのかわからなくなってしまった。

「おじいちゃん、Go」と言うと、オードリーは、キョロキョロしながら、探し始め、あちこち歩いて、おじいちゃんの所へ連れて行った。
おじいちゃんから、「オードリーは偉いねぇ」と、褒められ、嬉しそうなオードリー。
買い物を終えて、帰る時も、おじいちゃんはその様子を後ろから観察していた。

お前の事をちゃんと見ながら、周りに気を配ってオードリーは歩いてる。
ここまで犬がやってくれるとは!!
感心しながら、又、オードリーも疲れるだろうなと、おじいちゃんは言った。

オードリーの食事。
それを見ていたおじいちゃんは「良かったねぇ、オードリー、美味しいか?」と聞いていた。

お父さんが帰って来た。
いつもの様に、オードリーは、喜んで飛んで行った。

えみは、おじいちゃんの事を、お父さんと言ったりおじいちゃんと言ったり、どっちなんだろう。
可笑しいなあ!
まあ、どっちでもいいか。オードリーの事、Kと呼んでる時もあるもんね。
Kちゃんは、お兄ちゃんの事なのにね。

家族の夕食の時、テーブルの下で、静かにダウンしているオードリーに、「すまないね。お前は食べられないのか。」と言いながら食べてるおじいちゃん。

娘の生活を助けてくれるオードリーは、おじいちゃんにしても、大切な家族らしい。
一晩泊まって、「お母さんを頼むね。オードリー。」と言いながら、オードリーにお小遣いをくれて、おじいちゃんは帰って行った。
2003年8月17日

30。弘子さんの俳句。へ

「生活あれこれ」目次へ

トップへ