|
主婦として、ほとんど毎日やらなくてはならないのに、買い物がある。
近くのスーパーを諦めて、歩いて15分かかる銀ビルに、買い物に行くようになった。 午後2時半頃、家を出て行く。 この銀ビルは、小学校のすぐ近くにあるので、小学校を通って行かなくてはならない。 学校帰りの子供たちが、盲導犬が珍しいのか、可愛いと言ってオードリーを触りにくる。 その度に、「今、お仕事中だから、触らないでね」と言わなくてはならない。 オードリーも、急に触られるので落ち着いて仕事が出来ない。 それで、私もはらはらして歩く。 ああ、これ何とかならないものかなあ。盲導犬に触ってはいけない事、どうにかして分かってもらわなくてはと思いつつ、触られた都度、説明していた。 そんな事をやりながら、しだいに、分かってくれる子供が増えてきた。 数ヶ月が過ぎた頃、6年生の女の子から声をかけられた。 「私放送部で、盲導犬の事、ビデオに撮ってそれを放送したいのです。インタビューもしたいので、いいでしょうか」 と私が、通る頃をみはからって、待ち受けていたのである。 その時は、ちょっと急いでいたので、電話番号だけ教えて分かれた。 そして、明日来ると電話があった。 私は先生は知っているのかを聞いた。 先生は知っているという。 それならと、時間を決めて会う事にしたが、やはり学校の担当の先生には知らせた方が良いと思い、放送部担当の先生に電話で事情を話した。 先生は、これは、どうも、子供たちが、ご迷惑をおかけして、申し訳ございません。 ちょっと待って下さい。子供には、明日学校で言いますのでと・・・ 今、総合教育というのがあって、子供達と、色々と研究しているのだという。 もし、宜しければ、盲導犬の事、学習したいという事になったら、お話に来ていただけないかと。 私は、勿論良いと言った。 そして、6年生全員と4年生全員に、盲導犬について話す事になったのである。 6年生は、ノートに一生懸命メモしていたようである。 質問も多く出た。 私は、盲導犬の仕事はどういう事をやってくれるのか。 盲導犬が、仕事中に、皆がしてはいけない事は何か。 盲導犬になるまでの過程や現在の盲導犬の数について。 目の見えない人が困っていた時は、声をかけて欲しい事。 点字ブロックや、点字の事。 生活の事等を話した。 又、放送部に、盲導犬についてのビデオを、関西盲導犬協会に頼んで、小学生でも分かりやすい物を、送ってもらい、それをプレゼントしたのである。 そして、何日かが過ぎた。 今度は、小学校から電話で、小学6年生が、盲導犬について研究したので、その発表をします。宜しかったら来て下さいと。 それは、地域の人達も、父兄の人達もいっぱい来る、ふれあい学級で、発表していたのである。 行って、もう驚いてしまった。 子供達は、訪れた人に、アイマスクをして、箱の中に手を入れて、触った物が、何かを当てるクイズとか、アイマスクをしている人に、食べ物、(ミカンの缶詰)を口に入れてあげ、それが何の食べ物であるかを当てるクイズであった。 又、盲導犬について、次の中から正しいものを選んで下さいと、 盲導犬の数、ハーネスをしている時、していけないのはどれかとか色々と考えて作っていたのである。 ここを訪れた人は地域の大人である。 小学生も勿論やっていた。 私は、よくもここまで考えてやったものだと、感心してしまった。 その事があって以来、買い物に行く途中で出会ったら、「えみさん、こんにちは」と行って、盲導犬は触っちゃいけない、とか、どけどけとか言って協力してくれるようになったのである。 小さな子供が、オードリーを触ろうとすると、「さわったらあかん」と、お互いに注意してくれるようになった。 子供達のおかげで、大人の人も触らなくなった。 私は、とても買い物に行きやすくなり、安心して道を歩けるようになった。 子供達の力はすごい!! 大人の人までも、協力してくれるようになったのである。 有難いやら、嬉しいやら、感心させられてしまった。 この時の6年生は、今は中学3年生になっている。 |
5。オードリーの横顔へ
トップへ