旅行大好きな、新米ライター望月が、
実際に食べた「駅弁」と、実際に出かけた「小さな旅」を紹介します。
お出かけの時の参考になれば(?)幸いです。




2004年7月27日(火曜)

お送りしている、新米ライター望月の北海道1人旅。
富良野から新得を経由して、帯広にやってきました。
今回は、JR根室本線・帯広駅の駅弁をご紹介します。



国鉄時代は、広尾線や士幌線が分岐していた帯広駅も、
JR移行前に廃止され、10年近く前に高架化。
きれいで近代的な駅に、生まれ変わりました。
釧路行の特急「スーパーおおぞら」号は、全列車が停車。
札幌から、最速2時間10分で到着します。
帯広発着の特急「とかち」号が、これを補完します。



帯広駅の駅弁を販売するのは「金扇」(きんせん)。
ホームごとに改札が作られた珍しい駅ですが、
改札を出て、東側通路に向かうと、売店が左手に見えます。
朝6時から夜8時までの営業。
改札に近い、KIOSKでも販売があります。



帯広名物といえば、ご存知「豚丼」。
もちろん昨今、牛丼屋で販売しているような「豚丼」ではなく、
豚肉を厚く切ったものを炭火で焼いた本格派。
駅弁では「ぶた八の豚どん」(1100円)を販売しています。
(ぶた八は、帯広にある豚丼の名店です)
定番の紐を引っ張る「加熱式容器」のため、上げ底で、
やや割高ですが、味はGOOD!こげ味がいいです。
北海道の駅弁は、魚介類系のものが多いので、
旅の途中、肉系の名物駅弁は、とても貴重な存在です。

なお、豚丼の本家は、駅前の「ばんちょう」(11〜19時・月曜休)。
夏場の観光シーズンのピークには、ライダーの皆さんなどが集まり、
1時間以上待ちになることも、しばしばです。
かつて訪れた時は、乗車予定の列車に間に合わない事態が発生…。
経験則として、時間に余裕がない時や、お店が混んでいる時は、
迷わず、駅弁にするのが賢明でしょう。



も1つ、お薦めは「とかち収穫弁当」(850円)。
十勝のじゃがいも・とうもろこしなど、地元の農産物を使った幕の内で、
おかずも豊富、ボリュームもたっぷり。
私が頂いた時は、あったかご飯の、手作り感溢れる駅弁で、
とても、好感を覚えました。

北海道の畑作の中心、十勝平野。
そして、十勝の中心、帯広の駅弁。
十勝の中心で「美味い!」とさけぶ駅弁(!?)が、そこにはあります。


■旅のワンポイント〜通なら一度は行きたい秘湯!かんの温泉



根室本線の看板列車といえば、特急「スーパーおおぞら」号。
南千歳・トマム・新得・帯広経由で釧路まで、4時間弱。
札幌から道東方面への、重要な足となっています。



投入されている新鋭・キハ283系は、振子機能付の車両。
カーブでも車体を傾け、スピードを落とさずに走ります。
先頭車両の運転台の下は、ミニ展望スペースになっていて、
前面にパノラマが広がります。
(ただ、高速のため、虫等がぶつかった痕も多いです…)



さて今宵の宿は、温泉好きには、すでに評判…、
明治45年開湯の然別峡温泉「菅野温泉旅館」に向かいます。
この日、帯広駅発14:30の送迎車に乗ったのは、私1人。
「きょうは、空いてますよ」とのことでした。
ココから1時間20分ほど、十勝平野を突っ切り、
途中からは、未舗装・ダートの道道(都道・県道の類)…。
道理で、車のお尻が結構汚れているわけです。



手前が観光客用の宿泊棟、奥が湯治客用の湯治棟です。
特に湯治棟は、戦時中に建てられた、歴史ある建物なんだとか。
この温泉、実は7つの源泉があり、
“かんの”の湯で治らぬ病はないと云われているほどの名湯。
効能十分のお湯を、たっぷり堪能できるようになっています。
観光での宿泊は、1人泊・1泊2食で11000円也。
帯広からの送迎付きで、お湯三昧が出来ることを考えれば、
十二分にお釣りがくる価格設定といえましょう。



私が気に入ったお風呂を、いくつかご紹介しますと、
まずは、元・露天風呂だった「寿老の湯」。
少々熱めのお湯に、腰を下ろすと、どういうわけか、
お尻の所々に「アチっ」といった感覚…。
そう!このお風呂は、話題の「足元湧出」のお湯。
岩の間から、源泉が湧き出しているんですね。



そして、露天風呂「福禄の湯」は、
先代のご主人自ら、2年がかりで作ったというお風呂。
川のせせらぎを聞きながら、お湯に浸かれば、
そのまま自然の中に、溶け込んでいきそうな感じです。
タイミングが合えば、エゾシカに逢えるかも(?!)



大浴場「毘沙門の湯」は、濁りの入ったお湯。
すべすべ感があり、開放感もいっぱいです。

基本的に、どのお風呂も混浴ですが、
お風呂の数が多いので、空いている日であれば、
他の人とジョイントすることは、まずないでしょう。
(あっても、1人2人とか…)
加えて、男性専用、女性専用の時間帯もあるので、
混浴であることは、それ程、気にならないでしょう。
くれぐれも、水着で入るような、
温泉風情を台無しにするようなことはしないよう…。



翌日も、宿の車に乗ったのは、私1人ということで、
特別に山を1つ越えた神秘の湖、「然別湖」に、
連れて行っていただきました。
然別湖は、このエリアでは唯一、天然の湖で、
観光遊覧船の他、カヌーなども楽しめる湖です。
湖畔には温泉もあり、真冬、厚さ80センチまで結氷すると、
氷上露天風呂も楽しめるそうですよ。

「菅野温泉」の温泉の周りには、川沿いの露天風呂もあり、
温泉を全て満喫しようとしたら、1泊2日ではムリでしょう。
最低2〜3泊はしないと、その魅力は分からないかもしれません。
ただ、お湯のよさは、評判通り!
良識ある温泉好きの方なら、1度は訪れたい…、
そんな言葉にも納得でございました。
今度は、真冬の菅野温泉を味わってみたいと思います。





2004年7月19日(月曜)

新米ライター望月は、さらに函館本線を東進。
上川地方の中心地・旭川にやってきました。
今回の駅弁膝栗毛は、JR函館本線・旭川駅の駅弁です。



函館を起点とする「函館本線」は、旭川が終着駅。
旭川から先は、稚内方面へ向かう「宗谷本線」となります。
この宗谷本線の2駅目・新旭川から、網走へ石北本線が分岐。
また旭川からは、富良野方面へ、富良野線が分岐して、
一大ジャンクションとなっています。



旭川駅の駅弁は「旭川駅立売」が、販売しています。
固定の売場は、改札を出て、右奥に進んだところ。
販売時間は、朝7時〜夜8時の間。
このほか、特急「スーパ−ホワイトアロ−」「ライラック」の
発車に合わせて、ホームでワゴンでの販売があります。
ひょっとすると、品揃えはホームの立売の方がいいかも!?



最もメジャーなのは「蝦夷わっぱミックス」(1000円)でしょうか。
朝イチから陳列されているので、入手しやすいと思います。
北海道の駅弁らしく、ウニ・カニ・イクラ・ホタテの
4点セットが入って、山菜がいいアクセントでした。



「海鮮いか壺」(1050円)も、食べてみました。
壺の上部に、パックでイクラ・カニの、ちらし寿しがのって、
中には、煮イカが、ドーンと鎮座。
定番通り「いかめし・2つ」かと思いきや、
1つは、意表を突いて「いか煮玉子」でございました。
もちろん、陶器製の「壺」は、そのまま「お土産」となります。



おしまいは、駅弁定番の幕の内、「旭岳べんとう」(890円)。
6月から、若干リニューアルされたばかりとか。
北海道内は、寿し系の駅弁が多いせいか、
帆立フライとカボチャのサラダが、新鮮に感じられました。
幕の内にしては、やや価格が高めですが、
品目が多いので、食べ応えはあるでしょう。
道内を移動するビジネスマン向きかもしれません。

旭川には、まだまだ駅弁がありますので、
機会があれば、また紹介することに致しましょう。


■旅のワンポイント〜新米ライタ−望月・富良野からの風!?

夏の北海道観光の定番といえば、富良野・美瑛。
この魅力満載の地域を、望月が、一足お先に回ってみました。



今回は、旭川10時03分発の臨時列車、
「富良野・美瑛ノロッコ1号」で旅のスタート。
扉が開くと、車掌とノロッコレディが、迎えてくれました。
1時間ほどかけて、中富良野のラベンダー畑を目指します。



オープンエアの車両からは、気持ちいい自然の風。
ノロッコレディ手作りの沿線案内も手渡されて、
旅気分も、自然と盛り上がってきます。
車内では、ノロッコ号オリジナル「地ビール」の販売もあります。



臨時駅「ラベンダー畑」から、歩いて7分で、
有名な観光農園「ファーム富田」に到着します。
さわやかな青い空に、美しい花々が映えますね。



私が訪れた6月中旬は、まだまだラベンダーには早い時期。
辛うじて、ハウス栽培のラベンダーに、間に合いました。
ちょうど今ごろは、一面のラベンダー畑になっていることでしょう。






さて、ラベンダー畑から少し戻って、上富良野駅へ。
ここから、1日3本運行の町営バスで、
道内で最も標高の高い温泉、「十勝岳温泉」を目指します。
その標高を感じさせるのは、山肌の真っ白な残雪。
今宵の宿は、去年改装され、きれいになったばかりの、
「ヒュッテ・バーデンかみふらの」(1人泊・1泊2食9550円)です。



お湯は、鉄分が多い真っ赤なお湯で、ph2.9の強い酸性です。
湧出温度は、28度あまりと低いため、加熱していますが、
お風呂には、もちろん、そのまま流し放し。
ここのお湯は、古くから「翁温泉」として、山で働く人に、
親しまれていましたが、1926年の十勝岳噴火で一旦閉鎖。
およそ60年を経て、1984年に復活した温泉です。
お湯の湧出量は、十勝岳温泉郷(十勝岳・翁・吹上)で最多。
この宿のほか、国民宿舎にも分湯されているということです。



さて、「バーデンかみふらの」から、30分ほど、
山道を歩くと、北海道の中でも“有名な秘湯”があります。
その名は、吹上温泉「吹上露天の湯」(無料・混浴露天風呂)。
明治30年に見つかった温泉で、47度のお湯が、
山の岩肌を伝って、流れ込んでいます。
かつて、この場所には、旅館があったそうですが、
湯量の減少によって、閉鎖されていました。
しかし、88年の十勝岳の噴火によって、温泉が復活。
現在、露天風呂として使われている2つの浴槽は、
旅館時代の「名残」なんですね。
広い方の浴槽は、加水され「ぬる湯」、もう1つが「あつ湯」。
屋根のない「スノコ」の上で着替えて、お湯を味わいます。



本来、静まり返った木立の中で、心洗われる温泉なんですが、
ドラマ「北の国から」で、田中邦衛と宮沢りえが入浴したことから、
観光客が集中、常時、混雑傾向にあるようです。
中には、水着を着用して入浴する方や、
カラスの行水で、ワーッと来て、さっさと帰っていく人も…。
お湯を味わいたい温泉ファンからすると、ちょっと興ざめです。
(確かに、女の人が入るには、勇気が要りますが…)
本当に、秘湯気分を味わいたければ、夜がお薦めということです。



次の日は、お隣の町「美瑛」の丘をめぐります。
JRの切符を持っていれば「ツインクルバス」(600円)が使えます。
丘コース(所要55分)と、拓真館コース(所要90分)があり、
ガイドさんの説明が聞けて、写真撮影タイムもあります。
今回、私が乗ったのは「丘コース」。
駅で「指定券」を発券してもらい、早速、バスに乗り込みます。



美瑛の丘は、TVのCMで、よく使われます。
まずは「スカイライン」のCMで有名になった「ケンとメリーの木」。
近くには、CM当時のスカイラインも置いてあり、
車好きなら、ぜひ訪れたい場所でもあります。



続いて「セブンスターの木」。
タバコ「セブンスター」のCMで使われたカシワの木で、
こちらも、記念撮影スポットです。
今や、タバコのCMも、あまり見られなくなってしまい、
すっかり時代が変わってしまったことを、痛感させる木でもあります。

しかし、なぜ、丘に1本だけ木が立っているのか、疑問ですね。
美瑛の丘は、明治に入って、原野を開拓して、作られた土地です。
開拓の際、何か「目印になるもの」と、
動力源である「馬をつなぎとめておくもの」が必要…、
この2つを満たすものとして、「木」が植えられました。
遠い開拓時代の名残を、今に伝えているわけです。

※富良野・美瑛の観光に便利な「ふらの・びえいフリーきっぷ」
本州から鉄道で行く場合には「ぐるり北海道フリーきっぷ」で、
全てOKですが、飛行機で北海道に乗り込んだ時は、
「ふらの・びえいフリーきっぷ」がお薦めです。
新千歳空港〜フリー区間が、特急自由席利用で7000円。
(10月いっぱいまで利用可。9月までは7200円)
指定席は、指定料金だけ支払えば利用可能です。
なお購入場所は、JR北海道の窓口限定となりますのでご注意!
詳しくは、JR北海道のホームページで。

http://www.jrhokkaido.co.jp/

風光明媚な富良野・美瑛を後にして、
次は、十勝平野の代表都市・帯広を訪れます。
温泉ファンなら1度は行きたい「秘湯」も、ご紹介します。




2004年7月15日(木曜)

北海道シリーズ・第3弾は、
JR函館本線・深川駅の駅弁をご紹介します。



北海道のほぼ中央にある深川には、全ての特急が停車。
札幌から特急で1時間、旭川まで特急で15分ほどです。
留萌方面へ、留萌本線が分岐する駅ですが、
本数が少ないこともあって、とても静かな駅です。



駅弁は(株)高橋商事が、販売しています。
改札を出て、前方右にそば屋と併設された売店があります。
朝8時〜夜7時の営業で、店員さんは2交代制で勤務します。
乗換の場合を除いて、観光では降りることが少ない駅ですが、
実はこの駅には、土・休日限定で、隠れた名駅弁があるんです。



その駅弁とは…「番屋めし」(735円)。
朝の連続テレビ小説「すずらん」の放映で生まれた駅弁です。
ニシン&カズノコの親子、薄味の炊き込みご飯が、見事な逸品。
その上、価格がリーズナブルなのが大きな魅力です。
土・日に日程が合えば、途中下車して味わいたい駅弁です。






ちなみに普段の日の駅弁は「おたのしみ幕の内弁当」(735円)。
極めてオーソドックスな幕の内は、ボリュームもたっぷりです。



この深川駅で、忘れてはならないお土産といえば、
駅弁と同じ「高橋商事」が作る「ウロコダンゴ」(525円〜)。
ういろう・蒸しパン・団子の中間のような食感が特徴です。
駅弁売場で、最も品揃えのいい品です。



特急がほぼ30分おきに発着する以外は、
ゆっくり時間が流れていく深川駅。
待合のベンチで、販売員の方と話をするうちに、
「ウチでキュウリ漬けたんだけど、持ってく?」ということになり、
自家製オリジナルの漬物まで、頂いてしまいました。
初めての旅人を、温かく迎え、送ってくださった
販売員の方の心遣いに、ちょっと幸せになれた様な気がしました。


■旅のワンポイント特別編〜女子バレー・吉原知子選手ご両親を訪ねて



おっ、当番組の石川みゆきさんと畑中チーフですね。
実は今回、北海道にやってきたのは、
日本の女子バレーボール・キャプテン吉原知子選手の、
ご両親にインタビューをするのが、最大の目的でした。
早速、ご実家のある妹背牛町(もせうしちょう)に向かいます。



吉原選手のご両親、昌輝さんと志津子さんにインタビューする、
石川みゆきさんです。
全日本チーム最年長として頑張る、知子さんの人柄や、
幼少時代から、チームを解雇された時のことまで、
じっくりと、お話を伺いました。



知子さんがバレーを始めたのは、中学生になってから。
それまでは、バスケットをされていたそうです。
誠実なお人柄が、うかがえるご両親。
インタビューの模様は、7/17(土)5:40〜、オンエアです。

さ、新米ライター望月は、みゆきさん、畑中さんと別れ、
1人で北海道の旅を、まだまだ続けます。




2004年7月9日(金曜)

新千歳空港から、快速「エアポート」で1時間あまり。
新米ライター望月は、港町・小樽へやってきました。
今回は、JR函館本線・小樽駅の駅弁を、ご紹介します。



北海道の「電化」路線は、本州とつながる「津軽海峡線」。
空港アクセスを担う「千歳線」と「室蘭本線」の一部。
そして、函館本線の「小樽〜旭川間」です。
従って、小樽から先は、ディーゼルカーが活躍しています。



小樽駅の4番線は、幼い頃小樽で暮らした石原裕次郎に因んで、
「裕次郎ホーム」と呼ばれています。
風情のある駅名票と、レトロな感じの建物。
建物の一角では「小樽ゆかりの映画ポスター展」も開催。
裕次郎ファンだけでなく、映画ファンも訪れたいところです。
小樽駅自体も、重要文化財に指定されています。
ちなみに、有名な「裕次郎記念館」は、
小樽駅からは、少し離れているので、バス利用がお薦めです。



小樽駅の駅弁は「小樽駅構内立売商会」が製造しています。
現在は、駅構内での立売や、独自店舗の販売はなく、
改札を出て右前方に見える、大きなキオスクでの販売です。
営業時間は、朝7時〜夜10時までと長丁場。
品揃えは悪くありませんが、コンビニの弁当売場のような
棚で販売していますので、風情は今ひとつです。
散策前、お店に取置きをお願いすることも可能です。(前金)



小樽駅弁の定番は「おたるかにめし」(850円)。
北海のカニを、ふんだんに使ったかにめしは、
単調な味わいのようで、口にすると結構まろやか。
意外とイケます。



かにめしでは、ちょっとモノ足りないという方は、
91年誕生の「北海手綱」(1050円)がお薦め。
カニの他、いくら・鮭フレークが入ったちらし寿司です。
デパートの駅弁大会や「北海道展」などでも人気駅弁。
ご存知の方が、多いかもしれませんね。

量も程よく、味にも定評のある小樽駅弁。
もし、デパートで出会った経験があれば、
ぜひ現地でも、味わってみてください。


■旅のワンポイント〜運河と坂の町・小樽ぶらぶら歩き



函館本線の小樽〜札幌間は、通勤路線でありながら、
路線随一の景勝区間でもあります。
高倉健主演の映画「駅 STATION」(81年)でも使われた、
銭函駅を出ると、右手に石狩湾が広がり、
夏は青く静かで、美しい風景を見せてくれます。
逆に冬は、荒々しい白波が打ち寄せ、迫力満点の路線に。
小樽までの時間は、ゆっくり車窓を楽しみたいものです。



市内の名所をほぼ網羅している「おたる散策バス」。
10〜20分間隔で運行され、時間帯によっては、
画像のような、レトロなバスに出くわすこともあります。
1回乗車に付き200円、1日乗車券(750円)も便利です。



定番の「小樽運河」にやってきました。
ここまでなら、駅から歩いても15分程度。
駅から真っ直ぐ進んだ、中央橋と浅草橋の間が、
最も趣のある景色です。
当然、定番の撮影スポットでもあります。





(こちらは…夜景モードで取ってみました)

日が暮れると、小樽運河は、よりロマンチックな雰囲気に。
夏の北海道の日没は、午後7時半ごろなので、
ライトアップを楽しめるのは、8時過ぎからになります。



こちらは、国の重要文化財に指定されている
「旧日本郵船株式会社小樽支店」。
明治37年に着工し、2年の歳月をかけて完成した、
ルネサンス様式の歴史ある建物です。
特に2階は、日露戦争後、日本とロシアの間で、
国境を策定する会議が行われた歴史的な建物でもあります



市内には、国鉄・手宮線の廃線跡もあります。
この手宮線、明治13年に小樽・手宮〜札幌を結ぶ、
北海道で最初、国内でも3番目の鉄道として開通し、
開拓の礎を築いた路線。
現在は、小樽交通記念館から南小樽駅までの区間が、
遊歩道として、整備が進んでいます。






港町・小樽は「坂の町」でもあります。
駅の南側にある「船見坂」は、小樽を舞台とする、
小説・ドラマ・絵画などに、度々登場しています。
急峻な坂を一気に上りきって振り返ると、
坂の向こうには、小樽の港が。
自分までドラマの主人公になってしまったかのような
気分を味わえるかもしれませんよ。



小樽の街全体を、一望したければ、
天狗山のロープウェイで上るのがイチバン。
バスの1日乗車券を提示すれば、800円で往復できます。
函館・札幌と並ぶ、夜景の名所でもあります。

今回は、夕方から夜にかけて、3時間ほどの駆け足で、
小樽をまわりましたが、港町ならではの開放感はいっぱい。
見所もいっぱいなので、また機会を改めてご紹介しましょう。
それでは、天狗山から見た、積丹沖に沈む夕日でお別れ。
北海道の旅は、まだまだ続きます。




2004年7月1日(木曜)

昨年に引き続き、7月の駅弁膝栗毛は「北海道シリーズ」。
今回は、北海道の空の玄関、新千歳空港からスタートです。
まず、道内でも最大級、30種類以上の駅弁数を誇る、
JR千歳線・新千歳空港駅の駅弁を、ご紹介しましょう。



新千歳空港駅は、1992年、空港直下に開業した新しい駅。
千歳線・南千歳駅から分岐し、3分ほどで到着します。



新千歳空港駅の「駅弁」は、基本的にホームでの販売です。
10時〜19時の間、南千歳寄りの階段を下りた所で、
「佐藤水産」と「三美(みよし)」の弁当を扱っています。
(10〜14時は、ホーム中央での販売もあり。)
2年前までは、「まるい」さんの駅弁もありましたが、
現在、「まるい」は、本拠地・苫小牧駅と、南千歳駅での、
駅弁販売に特化しています。



佐藤水産の看板は、鮭&カニのシンプルな「石狩鮨」(920円)。
若干“解凍した(?!)”ような、印象を受けることがありますが、
素材のよさは、さすが水産会社。
量も程よく、軽〜く平らげることが出来るでしょう。



一方、三美の看板商品は、「よくばり弁当」(1155円)。
ウニ・カニ・イクラ・ホタテと、ま〜ぁ、欲張りです。
私としては、イクラのプリプリ感が、好印象でした。



北海道・夏の定番といえば「ウニ」!
とにかく「ウニ」を食べたいという方には、
「うにごはん」(佐藤水産・1250円)もあります。
ただ、空港内には、生うに丼を扱っているお店もあるので、
時間がない時、リーズナブルにしたい時などは、どうぞ…。
そんな感じでしょうか。



今、ご紹介した「駅弁」、飛行機の出発カウンターがある、
空港ビル2階では、同じものを「空弁」として売っています。
新千歳空港ならではの、二面性を持った弁当なんですね。
駅からは、JAL側の階段を上った場所と、
同じフロアの「センタープラザ」近くで購入できます。
こちらは、夜8時台でも営業していました。



2004年上半期の人気商品番付にも登場した「空弁」。
飛行機搭乗前、ANAのお店で、みつけたのは、
「やん衆めし」(735円・北海道エアポートフーズサービス)です。
ニシン・カズノコの「親子」押寿司は、口あたりも良好。
適量で、駅弁よりリーズナブルで、ペロッとイケました。
ちなみに「やん衆」とは、北海道の鰊漁師を意味するそうです。

「空弁」という、新しいブランドが確立した今年。
「駅弁」にとっても、大きな刺激になったのは、間違いありません。
「駅弁」&「空弁」共に、互いに切磋琢磨しながら、
より魅力的な存在になってほしいものです。

■旅のワンポイント〜最高の空港アクセス!快速「エアポート」



国鉄時代、北海道の玄関といえば、函館でした。
しかし、航空網の発達によって、80年代には、
北海道へ行くのは、飛行機が当たり前となりました。
今や、飛行機の「羽田〜千歳線」は、日本最高のドル箱路線。
鉄道は、飛行機からのアクセスが、最大の使命となったわけです。
JR北海道も、新千歳空港アクセスに、大きな力を注いでいます。



アクセス列車・快速「エアポート」は、15分おきの運転。
空港駅発は、毎時04.19.34.49分、
札幌駅では、毎時10.25.40.55分に、6番線から発車します。
空港駅のホームには、常に列車が在線し、ホームで待つことなく、
列車に乗り込むことが出来るようになっているのも特徴。
最高時速130キロで、札幌〜空港間を36分で結びます。



新千歳空港を、毎時19分に発車する、快速「エアポート」は、
札幌から、特急「スーパーホワイトアロー」となって、
新千歳空港〜旭川間を、およそ2時間で直通します。
車両も、785系・特急型電車が充当され、
快速区間を利用する方にとっては、乗り得電車です。



この快速「エアポート」に、
1両だけ連結されている指定席は「Uシート」と呼ばれています。
わずか300円プラスで、確実着席。
近年、増備された785系の指定席は、
グリーン車と、見間違うような、重厚なヘッドレスト。
深く腰掛けると、固めですが、柔らかく体を包みこんでくれます。



さらに、この座席の素晴らしいところは、
各座席にパソコン用電源が、設置されていること。
背面テーブルも大きく、ビジネスユースにも、バッチリ応えます。

北海道の特急は、移動時間が長いこともあるのか、
よく、パソコン対応がされているのは、特筆すべきこと。
ぜひ、他のJR各社も、見習っていただきたいところです。

さ、北海道シリーズ第2弾は、いよいよ港町・小樽を訪れます。