旅行大好きな、新米ライター望月が、
実際に食べた「駅弁」と、実際に出かけた「小さな旅」を紹介します。
お出かけの時の参考になれば(?)幸いです。





2004年6月23日(木曜)

新快速で行くお城シリーズのラストは、
やっぱり“尾張・名古屋は城でもつ”!?
JR東海道本線・名古屋駅の駅弁です。



JR東海の本社もある名古屋。
東海道線、東海道新幹線はじめ、中央本線、関西本線、
名鉄線、近鉄線、市営地下鉄など、様々な列車が発着する
東海地方一のターミナル駅です。
99年、セントラルタワーズが完成し、大型デパートも開店。
名古屋の中心「栄」に対し、「名駅(めいえき)」周辺は、
ここ数年、名古屋で最も元気なエリアと言えるかもしれません。



名古屋では、だるま、松浦商店、JR東海パッセンジャーズの
3業者が、朝7時ごろから夜10時過ぎまで駅弁を販売しています。
新幹線・在来線のホームでは、別々の店舗を構えるものの、
中央コンコースでは、桜通口・太閤口共に、
3業者が一緒に、駅弁を販売します。
今回は、数ある駅弁の中から、ほんの少しだけ、
「だるま」と「松浦商店」の駅弁を紹介します。



まずは「日本一弁当」(1100円・だるま)から、いきましょう。
自称・日本一の、この駅弁。
日本一のうなぎに、日本一の抹茶、日本一長い守口大根を使って
「日本一」のお弁当なんだとか。
簡単にいえば、名古屋名物「ひつまぶし」ということです。
最近は、だいぶ認知度が上がってきましたが、おさらいすると、
1膳目は「そのまま」、2膳目は「薬味をのせて」、
3膳目は「お茶漬け」にして頂く、うなぎの食べ方です。
味はいいですが、温かいお茶は別途購入ですのでご注意!



続いては「びっくりみそかつ」(980円・だるま)。
これまた、名古屋名物「みそかつ」ですが、
期待を裏切らない「ビックリ度」。
濃厚な八丁味噌の味に、肉厚なカツ、肉汁もバッチリ。
名古屋に打ちのめされること、間違いなしです。



こちらは「とり御飯」(1050円・松浦商店)です。
名物の「名古屋コーチン」を、ふんだんに使った鶏めしは、
あの板東英二さんもファンなんだとか。(売店に表示あり)
鶏そぼろご飯は標準的ですが、
私としては、鶏づくしのおかずが、かなりの魅力。
とても、箸が進む一品です。



名古屋名物を一度に味わってしまいたい方にお薦めなのが、
「名古屋TOP3」(880円・松浦商店)。
味噌カツ、名古屋コーチンのチキンライス、そして!
“えびふりゃ〜”こと「エビフライ」を洋風にまとめています。
最も手軽に、名古屋に来た気分になれる駅弁でしょうか。

この他にも、名古屋は駅弁が充実。
来年は、愛知万博もありますから、
お目にかかる機会が、あるかもしれませんね。


■旅のワンポイント〜新快速で行くお城W「名古屋城」&名古屋B級グルメ



豊橋〜大垣間を15分ヘッドで結ぶ、JR東海の新快速・快速。
特に岐阜方面へは、名古屋発0・15・30・45分に揃えられて、
使いやすくなっています。
今回は、尾張62万石の象徴、「名古屋城」を訪れました。



やっぱり巨大な「名古屋城」。戦前は「国宝」でしたが、
昭和20年の空襲で焼け落ちてしまいました。
その焼ける姿さえ「美しかった」と、伝えられているほどです。
現在は、昭和34年に再建されたものです。



そして名古屋城といえば、ご存知「金の鯱」。
実は、この金の鯱、オスとメスに分かれているんですね。
天守閣の北側にあるものがオスで、南側がメスなんだとか。
オスは、高さ2.621m・重さ1272s・うろこ112枚。
メスは、高さ2.579m・重さ1215s・うろこ126枚と、
微妙に違っているんですね。
今の金額では、6600万円相当になるそうです。



展望台から名古屋駅を望みます。
駅から名古屋城へは、地下鉄東山線で「栄」乗換え、
名城線の「市役所」下車です。(入城料500円)

さて、名古屋で興味深いのは独特の「食文化」。
駅弁にもなっている味噌カツ、ひつまぶしの他にも、
興味深い「食」がいっぱいです。
そんな名古屋の「B級グルメ」を味わってみました。



名古屋には、朝のうちに到着するのがお薦め!
ご存知、喫茶店のモーニングサービスで、軽く腹ごしらえです。
大体、300〜400円程度で、コーヒーの他に、
トースト・ゆで卵が付いてくるのが、標準的です。
今回、私が入ってみたのは、
地下鉄東山線・なごや駅南改札裏にある「ベル・ヘラルド」。
牛丼の「吉野家」の前にあります。



ココでは“モーニング・バイキング”と称して、
399円で、パンの食べ放題をやっています。(7:30〜11:30)
サンドイッチ、クロワッサンにメロンパン、ドーナツまで。
入って飲み物の注文をすると、パンと卵はご自由に…と言われます。
当然ながら、女性(オバちゃん)には、大人気!
隣席の女性は、パンを山盛りで3度も「おかわり」していました。


「寿がき屋」のラーメンでしょう。
市内の至る場所にあり、スーパーの「ユニー」などにも、
よくテナントとして入っています。
ラーメンとソフトクリームがメインの組合せとなります。



今回は「肉入りラーメン」(350円)を食べてみました。
ちなみに普通のラーメンでも、280円と激安。
最高の「特製ラーメン」(全部のせ)でも390円です。
独特の先割れスプーンの形状に、愛着がある方も(?!)
名古屋で小腹が空いたら、行っておきましょう。



そして、究極のB級グルメといえば、知る人ぞ知る名店。
地下鉄名城線・黒川駅4番出口からスグにある、
「どんぶり屋・弘太郎」(11:30〜21:00・無休)でしょうか。



名物は…、ハヤシライスから突き出したエビフライ!!!
これを「しゃちほこ丼」(950円)というんだそうです…。
見かけとはウラハラに(?!)、味はとってもGOOD!
丼モノには、赤だし&サラダも付いてお得です。
お話好きのご主人が、1人で切り盛りする「弘太郎」。
ぜひ一度、お試しあれ!

大阪は「食い倒れ」の街として有名ですが、
名古屋も“妙な”食べ物が、いっぱいの街。
旅の思い出に「名古屋B級グルメ紀行」…、悪くないですよ。




2004年6月17日(木曜)

新快速を使った「お城の旅」は、東海エリアに入ってきました。
今回は、JR東海道本線・岐阜駅の駅弁です。



名古屋から新快速を使えば、わずか17分で、
岐阜県の県庁所在地・岐阜に到着します。
岐阜駅では、東海道本線から高山本線が分岐。
快速・普通列車のほかにも、
下呂・高山方面へ特急「ワイドビューひだ」号が、発着します。



岐阜駅の駅弁は「嘉寿美館加藤商店」が、製造しています。
改札を出て、左手に見える大きなキオスクの、
「駅弁コーナー」が、一番求めやすい場所でしょうか。
10時前には入荷、早速買い求めていく人の姿も見られました。
改札内のキオスクでも、一部の駅弁を販売しています。






岐阜名物は「あゆずし」(1230円)。
鵜飼で有名な長良川も近く“岐阜らしい”駅弁です。
川魚の自然さを活かした味は、お土産向き(!?)



将棋の戦法にちなんだ駅弁、「美濃囲い」(980円)は、
あっさり味の竹の子ご飯を使った、幕の内的弁当。
でも、1つ1つチェックしてみると、
「玉」子や「飛」騨牛コロッケ、「銀」鱈など、
将棋の駒にちなんで、とんちの効いた中味になっているんですね。
700系「のぞみ」号の登場を記念して、作られました。



「お鮓街道」(740円)は、長良川の鮎鮓を将軍家に献上する時、
通った道の名前にちなんだお弁当。
飛騨牛のしぐれが、いいアクセントになっている、ちらし寿司です。
ささやかに松茸と山菜ものって、食べやすいお弁当でした。

東京〜大阪間の移動では、通過してしまいやすい岐阜県ですが、
途中駅にも、しっかり駅弁は根付いています。
たまには立ち止まって、途中下車してみるのも悪くないですね。
なお、新幹線の駅は「岐阜羽島」になりますのでご注意!

■旅のワンポイント〜新快速で行くお城の旅V「岐阜城」&関ヶ原

関西で生まれた「新快速」が、中京地区に登場したのは、
名古屋で世界デザイン博が開かれた、15年前の1989年でした。
80年代半ばまで、名古屋の東海道線は、快速は走っても1時間1本。
1時間の本数も3本程度と、今では考えられない有様でした。
車文化の中心的地域に加え、鉄道は私鉄の名鉄が圧倒的優位。
この現状にメスを入れるため、新生・JR東海が社運をかけて、
時速120キロで走る「新快速」を投入したというわけです。



JR東海の新快速は、99年に投入された2代目・313系電車が、
4〜6両の短編成で、浜松〜米原間を運行。
現在は、より速達の「特別快速」も登場して、
豊橋〜名古屋間を47分(表定速度:時速92キロ)で走破。
名古屋〜岐阜間の17分は、表定速度が106キロにも及び、
“特急並みの普通列車”を誇ります。



今では、名鉄と互角以上の戦いをするまでに成長した「新快速」。
始発駅から、自慢の転換クロスシートは満席で、
名古屋への輸送を担います。
先頭車両からは、前面の展望も楽しめますよ。



さて、今回のお城は「岐阜城」です。
油売りから身を興し、美濃一国を支配するまでに至った
美濃に棲む“蝮”・斎藤道三の居城だった「稲葉山城」が前身。
やがて織田信長が、天下取りの足掛りとした際に、
この地を「岐阜」と改称、「岐阜城」となりました。
実は岐阜城、江戸時代を待たずして、廃城となっており、
今の天守閣は、1956年に再建されたものです。



天守閣がある、標高329メートルの金華山からは、
岐阜市内だけでなく、濃尾平野〜伊吹山地が一望。
岐阜駅・新岐阜駅からバスで岐阜公園へ行き(200円)、
ロープウェーで登る(往復1050円)のが一般的です。
駅前のバス案内所で、ロープウェーの割引券を、
ゲットしてから行くのが、賢いかも。



さて、岐阜から大垣方面へ30分ほど揺られると、
日本最大の古戦場「関ヶ原」です。
天下の分け目は、関東と関西の分かれ目。
お雑煮の角餅・丸餅も、ココで分かれている説があります。



「決戦地」までは、駅から歩いて20分ほど。
駅前の観光案内所で、地図をもらって行きましょう。
アップダウンはきつくないので、各陣地などの古戦場巡りは、
中京地区の、中高年の方たちに人気のようです。
「新快速」を使って、名古屋方面からやって来て、
休日のウォーキングを楽しんでいる姿が、目立ちました。



今では、静かな田園風景が広がる関ヶ原。
400年前、ココで大勢の戦死者を伴う合戦があったとは
とても、思えないでしょう。
ただ、一帯に立ち込めていた「霧」が、
合戦の朝も立ち込めていた「霧」を、想起させる旅となりました。

次回で、新快速で行くお城の旅もラスト。
“どえりゃぁ”(!?)、お城をご紹介します。



2004年6月9日(水曜)

前回の姫路から、新快速電車に揺られること2時間半。
神戸・大阪・京都を乗り換えなしで、すっ飛ばして、
新快速の東端・滋賀県の米原へやってきました。
今回は、JR東海道本線・米原駅の駅弁をご紹介します。



米原は、東海道本線から北陸本線が分岐するジャンクション。
東海道新幹線も、30分に1本停車します。
姫路からの新快速は、北陸線・長浜まで直通。
このほか、私鉄の近江鉄道も発着しています。



米原の駅弁屋は、当番組にふさわしく(?)「井筒屋」さん。
米原のほか、長浜・彦根(キオスク)でも販売しています。
乗換駅ということで、そば屋併設の売店は、各ホームにあり、
西口改札の外、新幹線乗換口のJR東海の売店でも扱っています。
営業時間は、朝10時頃から夜8時ごろまで。
新幹線ホームでは、夜8時半ごろまでの営業です。
また、乗換口の売店は、早朝から販売があります。



井筒屋の人気商品といえば「湖北のおはなし」(1000円)。
JR1周年を記念して作られた「新幹線グルメ」の1つで、
1日300個限定の駅弁です。
このお弁当、夕方にゲットできれば、ラッキーな方で、
たいてい、昼過ぎには、売り切れになっています。
個数限定の理由は、ご飯がもち米を混ぜた「蒸しご飯」であるため。
ご飯は、季節によって異なり、春は山菜、夏はそら豆、
秋は栗、冬は黒豆となっているそうです。
また、非常にレアなケースとして、正月三が日は「お赤飯」。
赤飯バージョンの「湖北のおはなし」を食べたことがある人は、
相当なファン(?)かもしれませんね。
ちなみに「サイコロ」には、醤油あめが入っています。
リピーターが多いと言われる「湖北のおはなし」。
キメ細やかな作りが、人気の秘密でしょうか。



もう1つの看板商品は「ステーキ弁当」(1250円)。
名物・近江牛を使用、肉厚ながら柔らかいお肉が特徴です。
この価格で近江牛ステーキとなれば、お値打ちでしょう。
ちなみに、幕末の「桜田門外の変」の背景には、
この近江牛をめぐるトラブルも、あるとかないとか…?!
そんな“うんちく”も、容器の一部に書かれています。



寿し系では「元祖鱒寿し」(600円)。
一口サイズで、ソフトな口当たりが印象的です。
鱒寿しでは、富山の「ますのすし」が有名ですが、
駅弁としては、米原が“元祖”を名乗っています。
私が食べた600円のものは廉価版で、
しっかりお腹に入れたい時は、1100円のものもあります。



釜めし系では「伊吹釜めし」(900円)です。
薄めの味付けの炊き込みご飯に、山海の幸が盛りだくさん。
ただ焦点がぼやけて、今ひとつメインの具が見えてこないのも事実。
結果的に、ご飯に乗った「おかか」が、いい味を出していました。

今回、井筒屋のオバちゃんから、面白いことを聞きました。
駅弁にも、こってり系とあっさり系があります。
例えば、焼肉はこってり系、幕の内はあっさり系ですね。
たいてい、若い人は「こってり」、年配の人は「あっさり」。
そんなイメージなのかと思ったら、大間違い!
最近では、年配の人ほど「こってり」を好み、
若い人ほど「あっさり」のお弁当を好むというんですね。
その理由を紐解くキーワードは“健康志向”。
駅弁の新しい動きとして、注目ですね。




■旅のワンポイント〜新快速で行くお城の旅U「彦根城」&近江八幡



新快速で行くお城・第2弾は、国宝「彦根城」をご紹介します。
彦根へは、米原から1駅です。



彦根城は、駅から歩いて15分ほど。
「いろは松」脇のお堀には、新緑が映えていますね。
昔“いろは”の47本あった松も、34本が現存しています。



彦根城は、姫路・松本・犬山と並ぶ、国宝四城の1つ。
他の城に比べると、天守閣は幾分小ぶりですが、
1606年に完成し、1952年に国宝に指定されました。
彦根城は、幕末の大老・井伊直弼を輩出した、
井伊氏35万石の居城。
琵琶湖のほとりで、静かなたたずまいです。
併設の庭園もあわせて、500円で入城できます。



天守閣からは、琵琶湖が一望!
湖北地域は、自然を多く残していることもあって、
癒しのパノラマが、広がります。
秋に来れば、一層クリアな景色が広がりますよ。



さ、彦根から、再び新快速・姫路行に揺られて15分。
近江商人発祥の地・近江八幡に行ってみました。
近江八幡の原点は、織田信長の居城だった安土。
信長が、本能寺の変で倒れた後、
豊臣秀吉の養子・秀次が、安土の賑わいを再建する形で、
近江八幡に、美しい街並みを作り上げました。
古い街並みを残す「新町通り」は、駅から歩いて30分ほど。
駆け足で回る時は、頻繁に走っているバス利用がお薦めです。
駅の階段を下りた所の観光協会で、地図をもらって行きましょう。






もう1つ、近江八幡で落とせないのは「八幡堀」。
琵琶湖の水運を使って、人々が往来した時代の名残です。
今では、柳川下りのような観光船が行き来し、旅情をかき立てます。
時代劇の撮影場所としても、隠れた人気です。

※「小さな旅近江八幡」ホームページ
http://www.t-tabi.com/

東京からですと、京都・大阪へは行っても、
どうしても、通過してしまうことが多い琵琶湖の湖畔。
意外と渋い魅力が詰まった地域でもあります。
今回は長浜からの、琵琶湖夕景でお別れ。
次回の新快速で行くお城の旅は、いよいよ東海エリアに入ります。





2004年6月1日(火曜)

今回は、美しいお城のある街・姫路へやってきました。
ご紹介するのは、JR山陽本線・姫路駅の駅弁です。



姫路駅には、去年10月のダイヤ改正で、
一部の「のぞみ」号も停車するようになりました。
この山陽新幹線のほか、山陽本線、播但線、姫新線の
列車が発着する、兵庫県西部のターミナル駅です。



姫路駅の駅弁を販売する「まねき食品」の売店です。
各ホームに、そば屋と併設の売店が見られます。
ちなみにメインの売場は、やはり新幹線乗換口。
始発にあわせて、朝6時ごろには営業開始します。
そのほかの売場も、朝7〜8時には販売を始め、
夜9時ごろまで営業しています。



瀬戸内の玄関口といってもいい姫路。
定番の駅弁、「あなごめし」(900円)と、
独特の形状をした「おかめ弁当」(870円)を食べてみました。



西日本だけあって、あっさり味の「あなごめし」です。
以前、九州から利用したことがある、
寝台特急「なは」号(上り)でも、朝、売られていました。



肉系・魚系、なんでもアリの「おかめ弁当」。
量もそんなに多くないので、ペロッといけますよ。



私が好きなのは「地鶏弁当」(800円)。
鶏ガラが効いたご飯に、鶏肉の濃厚な味。
意外とイケますよ。



こちらは去年、「のぞみ」号の停車を
記念して売り出された「一国一城」(1050円)です。
陶器製の「ミニ姫路城」が、容器になっています。
中は、瀬戸内の海の幸を盛り込んだ、炊き込みご飯。
裾が広がる天守閣の形に加え、上げ底なしの深さで、
食べづらさも“世界遺産”級(?!)
ま、記念にはなるので、容器を楽しむのもいいでしょう。

在来線の旅では、乗り換えになることが多い姫路駅。
“いつでも開いてる”姫路の駅弁には、救われるものです。
お城見物の帰りには、駅弁もお薦めです。


■旅のワンポイント〜新快速で行くお城の旅T「姫路城」

「新快速」…、首都圏では聞かない列車の種別です。
あえて、同等の列車を挙げれば、中央線の「特別快速」でしょうか。
でも、サービスレベルは、格段に違います。



こちらが、JR西日本の看板列車「新快速」です。
北は滋賀県の長浜、永原から、京都・大阪・神戸を貫いて、
西は姫路の先、網干(あぼし)・播州赤穂まで。
200キロ以上の走行距離を、15分ヘッド、
最速130キロの特急並みのスピードで結びます。
首都圏で考えますと、宇都宮・高崎から、東京を直通、
東海道線の熱海まで、特別料金なしの特急が走っている感じです。



かつて「私鉄王国」だった関西で、国鉄が起死回生のため、
1970年から走らせ始めたのが「新快速」です。
かつては、急行電車の余剰車両などが使われていましたが、
80年代からは、快適な「転換クロスシート」装備の、
新快速向けの新車が、ほぼ10年おきに投入され、
現在は、3代目の「223系」電車が、活躍しています。
(関東でいえば京急の「快特」のようなイメージでしょうか)
この「新快速」によって、関西では、鉄道を介した人の交流が拡大、
大阪圏の拡大に貢献したとも言われています。
やはり熾烈な競争は、良質なサービスを生み出すもの。
関西に行ったら「新快速」には、ぜひ乗っておきましょう。



さて、姫路といえば、誰もが思い出すのは「姫路城」。
別名・白鷺城ともいわれ、国宝、世界遺産にも指定されています。
新幹線の車窓からも見えますし、時代劇でもおなじみですね。



姫路に城を築いたのは、室町時代の赤松氏といわれています。
その後、豊臣秀吉が三層の城を築き、
池田輝政の改築を受け、現在に至ります。
中を歩けば、お城ならではの仕掛けが一杯。
見た目の美しさとは違った、要塞であることが分かります。



大天守から姫路駅方面を望みます。
駅南の工場地帯の向こうは、播磨灘。
もう少し、天気がよければ、いい景色だったかもしれませんね。
駅から姫路城までは、歩いても15分ほどです。



さ、駅弁膝栗毛は、次回も「新快速で行くお城」シリーズ。
今度は、湖のほとりに建つ「国宝の城」を予定しています。
お楽しみに。