旅行大好きな、新米ライター望月が、
実際に食べた「駅弁」と、実際に出かけた「小さな旅」を紹介します。
お出かけの時の参考になれば(?)幸いです。




2003年12月30日(火曜)

新米ライター望月は、高松へやってきました。
今回も、まずは「駅弁」から。
JR予讃線・高松駅の駅弁をご紹介します。



かつて、国鉄の宇高連絡船が発着していた高松。
瀬戸大橋が開業してから、早15年が経ちましたが、
今なお、四国の鉄道の拠点であることに、違いはありません。
現在、岡山へは、2階建グリーン車を連結した、
快速「マリンライナー」が、30分ヘッドで運転しています。



高松駅は、改装されたばかりのきれいな駅舎。
各ホームを、バリアフリーで移動できる、
行き止まり式の駅です。
駅弁売場は、改札を出て右側、「みどりの窓口」の前。
朝9時前から、夜9時前くらいまでやってます。



高松の駅弁を取り扱っているのは、
JR四国グループの「高松駅弁」。
代表選手は、瀬戸内ならではの「あなごめし」(920円)。
駅弁大会で、おなじみの方も多いですね。



彩りもよく、意外とボリュームも。
駅弁の中でも、優等生の部類でしょう。



「讃岐コーチン釜めし弁当」(730円)と、
「四国お遍路さん弁当」(880円)も食べてみました。



700円台で、本物の釜を使った釜めしは珍しいです。
大きい鶏で、食べ応えも十分!好印象です。



「お遍路…」は、歩きながらでも食べられる(!?)
おにぎり弁当。笹で出来た篭は、再利用可能です。



も1つ頑張って、押ずしの「カンカン寿し」(840円)。
古くから讃岐の東部に伝わる、郷土ずしなんだそうです。
木のフタで、押ずしを作るときに「カンカン!」と、
音をたてたことから、この名前が付いたんだとか。
うんちくは味わえますが、味覚は少々単調。

「バースデイきっぷ」を使って四国をめぐる場合、
高松に拠点を置いて、足を伸ばしていくのも1つの手。
そんなときは、1日1つずつ、駅弁を味わってみては(?!)



■旅のワンポイント〜「バースデイ四国漫遊記4・讃岐うどん食べあるき」



いよいよ2003年も押し詰まってきました。
今年の食文化を顧みますと、特に首都圏における
「讃岐うどんブーム」は、著しいものがありました。
大都市の生活テンポにマッチした「速い・安い・美味い」という
「讃岐うどん」のコンセプトは、
今や、都市の一部として受け入れられたと言ってもいいでしょう。
そこで今回は、2003年を締めくくる意味をこめ、
本場・高松に乗り込んで、手軽に楽しめる
「讃岐うどんの食べ歩き」をご紹介したいと思います。



遅くなって高松に着いたら、ぜひ行きたいのは「鶴丸」。
夜8時から翌朝5時までの営業時間が特徴的です。
(麺がなくなり次第終了)



「鶴丸」は、打って30分以内の麺しか使わないのがウリ。
注文を受けてから作るので、
うどんが打たれていく様子を、バッチリ見ることができます。
これは、食欲をそそりますよ!



「ぶっかけ天」(850円)を頼んでみました。
打ち立てのうどんに、サクサクの天ぷら。
あっという間に、ぺロリです。



「黒田屋」さんは、朝10時半〜翌朝5時の超ロングラン営業。
部活動帰りの中高生も、気軽に立ち寄る庶民的なお店です。
高松で暮らしたことがある人によれば、
「よそ者には教えたくない(!?)」お店なんだとか…。



「讃岐うどん」で、ぜひ試したいのは「生醤油」(320円)。
うどんの力を、最大限に引き出してくれる食べ方だと思います。
「美味さ」と「コシ」が、ダイレクトに体に響きます。



コシでいえば、「うどん棒」も負けてはいません。
珠玉の「伸びるコシ」がウリです。



独特の「ぶっかけうどん」(470円)。
アゴが痛くなる(?!)インパクトの「コシ」を体感できるでしょう。



どうしても讃岐うどんで、大事な人を「もてなし」たいときは、
有名店の「かな泉(いずみ)」あたりで。
普通の街と同様の、うどん屋さんです。



ただ、讃岐うどんならではの価格は、ここでも健在。
「釜揚げ天」で1000円ですから、
普通の街より数百円は、安いでしょう。



高松から足を伸ばすこと1時間。
「こんぴらさん」へやってきました。
ここの「こんぴらうどん」本店にも、立ち寄ります。



お薦めは「しょうゆうどん」。いわゆる“生醤油”ですね。
私が食べたのは「しょうゆ天」(650円)で、
サクサクの海老天も、いただくことが出来ました。



せっかくなので「金刀比羅宮」にもお参り。
785段の石段を登って、本宮へ向かいます。
すっかり、新年の準備が整っていますね。



団体さんも、一生懸命石段を登ります。
こちらの皆さんが上っているのは「厄払いの石段」。
ガイドさんの軽妙なトークで、爆笑の中、通過していきました。



ようやく本宮に到着。琴平駅から45分程度みておきましょう。
正面からの撮影は禁止されていますので、ご注意!



振り返りますと、この絶景!
正面に讃岐富士を望み、左手には小さいながら瀬戸大橋も見えます。
汗ばんだ体を冷やしながら、しばし景色に見とれていたいものです。



それでも汗が引かなければ、こんぴら温泉郷で一風呂。
「湯元・八千代」は、10時〜16時の間、
750円で、日帰り入浴が可能ですよ。

http://ww81.tiki.ne.jp/~yachiyo/

4回にわたってお送りした、「バースデイきっぷ」でまわる、
3泊4日の「四国漫遊記」。
首都圏にお住まいですと、なかなか行く機会のない四国。
思い切って自分の誕生月に、グリーン車でゆったりと、
出かけてみては、いかがでしょうか…。




2003年12月23日(火曜)

「バースデイきっぷ」でまわる四国の旅・第3弾!
今度は、太平洋側の高知へやってきました。
駅弁は、JR土讃線の高知駅です。



周辺では、高架化工事が始まりつつある高知駅。
今のところ、県庁所在地としては、のどかな風景です。
数年後には、景色も一変しているかもしれませんね。



3月にもご紹介したように、高知の駅弁屋さんは、
今年はじめから「仕出しのあんどう」が、担当しています。
この日は、改札脇のほか、
「1番のりば」中ほどのお店も開いていました。



秋に「あんどう」が出した新商品の田舎寿司、
「ジローと柚子のよさ恋寿司」(950円)と、
装いが新たになった「かつおのたたき弁当」(1050円)を購入します。



ジローとは、高知の地鶏「土佐ジロー」のこと。
この鶏肉を使った「つくね」が、メインのようです。
柚子とゴマ、酢飯が、いい具合に混じって、食が進みます。



おなじみの「かつおのたたき弁当」は、
煮物がエビに変わった程度で、特に変わりありません。

今となっては、土讃線唯一の駅弁販売駅・高知。
業者交代時に、従来の「すし」系の駅弁は失われましたが、
また、新たな駅弁の歴史を、刻み続けて欲しいものです。

■旅のワンポイント〜「バースデイ四国漫遊記3・四万十の秘湯」

香川県の多度津で、予讃線と別れた土讃線は、
途中、琴平・阿波池田・後免・高知・須崎を経由して、
窪川まで結ぶ、およそ200キロの路線です。
車窓のハイライトは、この2ヶ所。



阿波池田駅を出ると、左に右に、美しい渓谷が広がります。
これが「大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)」。
およそ8キロにわたって続きますので、
列車はかなり高速で飛ばしますが、長い時間にわたって、
車窓を楽しむことが出来ます。



もう1つは、須崎駅から土佐久礼(とさ・くれ)駅にかけて。
水平線までバッチリの太平洋が望めます。
ただ、この区間は、トンネルも連続していますので、
シャッターチャンスは、ごくわずかなので、ご注意!



さて、私たちは、事実上、土佐くろしお鉄道とJR予土線が、
分岐している窪川で、特急「南風」号を下車。
ここから、高南観光自動車の路線バスに乗って(810円)、
今宵の宿、「ホテル松葉川温泉」に向かいます。

http://www.asp-japan.jp/~matubakawa/



清流・四万十川に沿って走るこの路線バス、
電光の運賃表もなければ、案内テープもありません。
そしてバス停も、杭が1本立っている程度。
運転手さんが、客にどこまで行くのかを聞いて、
行きたい場所で止めてくれるそうです。
もちろん乗るときも、バス停でない所で、乗車できるそうです。



四万十名物・沈下橋(欄干のない橋)です。
バイパスが出来るまでは、バスも、この橋を渡っていたんだとか…。
乗客は我々だけなので、運転手さんが、ガイドに徹していました。



「ホテル松葉川温泉」は、とてもきれいな建物。
今は、近代的なつくりですが、町の経営になる前は、
営林署を退職した高尾さんという方が営む、一軒宿だったそうです。



松葉川温泉から、遊歩道を数分歩いて、つり橋を渡ると、
四万十川の源流部に降りられます。
川の中をのぞいてみますと…。



透き通る川の流れ。これぞ、「清流」です。



川面を見下ろす露天風呂は、身も心も温まるお湯。
源泉からは、引き湯をして、循環もしているようですが、
それなりに、お湯の成分も感じられました。

せせらぎを聞きながら、お湯に浸かる静寂の時…。
間違いなく都会の喧騒を忘れられる、穴場ですよ。

さて、新米ライター望月、次回は高松へ戻って、
駅弁&讃岐うどんのダブルヘッダーに挑戦します。
どうぞ、お楽しみに!


2003年12月15日(月曜)



新米ライター望月は、特急「しおかぜ」号に揺られて、
伊予灘の夕日を眺めながら、松山へやってきました。
今回は、JR予讃線・松山駅の駅弁をご紹介します。




松山の先、伊予市からは、依然非電化区間。
このため、岡山からの電車特急「しおかぜ」は、松山止まり。
宇和島への直通列車は、ディーゼルカーで運行しています。



松山で駅弁を売っているのは「鈴木弁当店」。
改札を入ってすぐ、特急が発着する「1番のりば」で、
購入することが出来ます。






松山の名物駅弁といえば「醤油めし」(740円)。
絶妙の味付けで、自然と箸がすすむ一品です。
初めて松山へきた場合は、まずコレを選んでおきましょう。



瀬戸内らしい「特選あな子寿司」(1050円)と、
文学の街・松山らしい「坊っちゃん弁当」(550円)も、
食べてみました。



「特選あな子寿司」は、穴子のちらし寿し。
彩りよく、穴子もしっかり、酢めしもしっかり。
食べ応えのある駅弁です。




2000年発売の「坊っちゃん弁当」は、おにぎり弁当。
おにぎりの1つが、きな粉のおにぎりが独特です。
夏目漱石の好物を、たくさん盛り込んでいるんだとか…。
千円札を出しても、結構お釣りがくる価格の割に、
まあまあのボリュームですよ。

静かな瀬戸内の海を眺めながら、のんびり駅弁旅。
ゆったりした時間の流れを、感じることができそうです。

■旅のワンポイント〜「バースデイ四国漫遊記2・道後温泉を歩く」

愛媛県の県庁所在地・松山市は、
人口47万を擁する、四国一の都市。
この松山市内を、縦横無尽に走っているのがコチラ。




伊予鉄道の市内線(路面電車)です。
昭和30年ごろに作られた車両も、今だ現役。
均一料金150円で、重要な市民の足となっています。
私も早速乗って、3000年の歴史を誇る、
日本三古湯の1つ、道後温泉へ向かいました。



温泉のシンボル「道後温泉本館」です。
料金体系は4段階で、神の湯階下(300円)は普通の共同浴場。
神の湯二階席(620円)は、浴衣にお茶、せんべいが付きます。
霊(たま)の湯二階席(980円)は、皇室専用浴室も見学可。
霊の湯階個室(1240円)は、個室で80分間休憩できます。
それぞれ浴衣の色で、区別しているのが、面白いです。
観光目的なら、個室を奮発するのが、お薦めですよ。




私も、今回は「霊の湯・三階個室」にしてみました。
専用の浴衣を着て、お風呂へ向かいます。
ただ、残念ながら「霊の湯」のお風呂撮影はNG。




道後温泉のお湯は、43度ぐらいと熱めなので、
湯上りに個室でゆったりするのが、丁度いいですね。、
お茶と「坊っちゃん団子」も、これまた、よく合います。
ぜひ、歴史の重みが醸しだす風情に、酔いしれてください。




道後温泉とセットで周っておきたいのは、松山城。
姫路・和歌山と並ぶ、日本三大平山城(小高い丘にある城)で、
街中から、その美しい姿を眺めることも出来ます。




伊予鉄では「大街道(おおかいどう)」が、最寄の停留所で、
ロープウェイ・リフトで登っていきます。




天守閣から眺めた伊予灘です。
天気さえよければ、瀬戸内の島並みが一望できることでしょう。

松山のいい所は、観光スポットとビジネススポットが、
比較的近い場所に集まっていること。
出張などで訪れても、息抜きがてら一風呂浴びたり、
市内のパノラマを味わうことが出来ますよ。

さて、次回の駅弁膝栗毛は、ぐるっと太平洋側へまわって、
3月に続いて、高知の駅弁を、ご紹介する予定です。
なお、番組のメルマガでは、ジンバブエディレクターが、
道後温泉の中でも、特に泉質のいい、家庭的な宿をご紹介します。
どうぞ、お楽しみに!



2003年12月12日(金曜)

久々の駅弁膝栗毛、望月は「四国」へやってきました。
「なぜ四国か?」という理由は、後ほどご説明するとして、
今回は、四国一の“渋い”駅弁、JR予讃線・川之江駅をご紹介します。



予讃線は、高松から松山を通り、宇和島まで、
瀬戸内海に沿って結ぶ、四国の大動脈。
川之江は、愛媛県・東予地方に位置する「紙の街」です。
全ての特急が停車、製紙会社のビジネスマンが、
乗降していく姿が見られます。



通常、駅弁は改札を出て左側の「KIOSK」で売っています。
アイスクリームの冷蔵庫の上に、2〜3個置いてあります。



時間のある方は、駅を出て左手に見える「大平食堂」さんへ、
足を運ぶことをお勧めします。
実は、川之江駅弁の調整元は、コチラなんですね。



「大平食堂」の店内メニューを見てみますと、
カレーや丼ものに混じって、なんと「駅弁当」の文字が…。
常時、レジ横に駅弁が置いてあり、店内でも食べられるんですね。
待ち合わせ時間が長いときは、お茶を頼んでみるのも一興。
地元の方の話に耳を傾けながら、駅弁をつまんでいると、
待ち合わせの1時間ぐらい、あっという間でしょう。



肝心の駅弁は、名物の「いなり寿し」(530円)と、
「幕の内弁当」(530円ほか)の2品で、勝負です。



いなりずしが8個入った「いなり寿し」は、
大正時代から続く“伝統の味”です。
薄めの味付けと、ご飯の中の黒ゴマが、マッチしています。
食べやすい大きさも、印象的ですよ。



530円の「幕の内弁当」です。
価格の割に品目が多く、食べ応えがありますね。

駅前食堂が作る、古きよき時代の面影を残した駅弁。
アーケードは、シャッター商店街と化しているようでしたが、
何とか、この“渋い駅弁”だけは、生き残って欲しいもの。
1本次の電車を待っても味わいたい、
「いなり寿し」であることは、間違いありません。



川之江駅ホームから望む「川之江城」

■旅のワンポイント〜「バースデイ四国漫遊記」

井筒監督は、12月生まれですが、
実は私、新米ライター望月も、12月生まれ。
そこで、自分への「誕生日プレゼント」の意味をこめ、一路四国へ!
何と、JR四国には「バースデイきっぷ」という、
お得なきっぷがあるんですね。
誕生月の3日間、JR四国全線のグリーン車が、1万円で乗り放題!
本人だけでなく、3人まで同行者も1万円。
四国は3日もあれば、グリーン車三昧で、全県まわることができます。
インターネットからも購入できますので、
四国在住でなくても、楽に買うことができますよ。

http://www.jr-eki.com/service_ticket/htm/birthday.htm

さて、四国を走る代表的な列車といえば…。



岡山で新幹線「のぞみ」に接続している、特急「しおかぜ」号。
予讃線を松山・宇和島へ向かいます。一部を除いて、
振子付電車で、カーブでもスピードを落とさずに走行可能です。



多度津を過ぎると、右手に瀬戸内海を見ながら走ります。
日ごろ、外海の荒々しさを見慣れている人にとっては、
瀬戸内の静けさは、旅情を誘うものです。



こちらは、岡山から瀬戸大橋を渡って、土讃線を、
高知・中村・宿毛(すくも)方面へ向かう特急「南風(なんぷう)」号。
振子付ディーゼルカーで、四国山地をパワフルに走り抜けます。
現在は、アンパンマン列車のペイントが施された車両も…。






グリーン車は先頭車両で、展望が開けるようになっています。
吉野川の鉄橋も、一気に、そして豪快に渡ります
トンネル直前のカーブでも、バッチリ振子が効いてますね。



グリーン車は、首都圏には少ない2−1の3列シート。
足載せも装備し、基本を押さえた重厚なシートで、快適です。

ただ、ちょっと残念なのは、この10月から四国の特急列車では、
車内販売がなくなってしまったこと。
四国の特急に乗る際は、乗る前に駅弁と飲み物を、
しっかり買っておくことを、お薦めします。

実は今回の“四国漫遊”、番組のジンバブエディレクターも一緒です。
特急「しおかぜ」号に揺られて、向かうのは、
日本三古湯の1つ、三千年の歴史を誇る、松山・道後温泉!
もちろん、松山駅の駅弁とあわせて、ご紹介します。
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