旅行大好きな、新米ライター望月が、
実際に食べた「駅弁」と、実際に出かけた「小さな旅」を紹介します。
お出かけの時の参考になれば(?)幸いです。




2003年3月30日(日曜)



今回は、JR篠ノ井線・松本駅にやってきました。
新宿から特急で2時間半あまり。信州の中核都市です。




松本駅の駅弁業者は「イイダヤ軒」。
一番大きな駅弁売場は、改札口を入ってすぐの所にあります。




特急の発車前には、ホームにこのような特設の
駅弁売場もあります。




販売員さんお薦めの名物駅弁は、この2つ。
「月見五味(ごもく)めし」(820円・右)と、
「安曇野釜めし」(820円・左)です。




「月見五味めし」は、昭和35年発売のロングセラー。
豊富な山菜は、信州ならでは。
満月を思わせるうずらの玉子が印象的です。




「安曇野釜めし」は、合鴨の肉が結構ジューシーです。
中味は、「月見…」とかなり重複しています。

もちろん松本駅には、これ以外にもヤマメを使った「すし」や、
「鶏めし」など、いっぱいメニューが揃っています。
東京方面へは、特急列車の始発駅となる松本駅。
信州からの帰りに、1度召し上がってみてはいかがでしょうか。


■旅のワンポイント〜実写・唄の世界…

「8時ちょうどのあずさ号」で行く信州♪明日私は 旅に出ます
あなたの知らない ひととふたりで…♪
こうして、唄の主人公が旅立ったのは、「春まだ浅い信濃路」でした。
乗った列車は、「8時ちょうどのあずさ2号」。

狩人の大ヒット曲、「あずさ2号」を聴く限り、この季節、
信州は何かもの悲しさを感じる場所のように思えてしまいます。
果して、「現在の」8時ちょうどのあずさ号は、
どんな列車なのか、どんな車窓が現れるのか?
この目で確かめてみることに致しました。



現在、新宿駅8時ちょうどに発車するのは、特急「スーパーあずさ3号」。
歌がヒットした翌年(1978年)、下りが奇数・上りは偶数と改められました。
さらに10年程前からは「スーパーあずさ」に。
列車は、松本から大糸線に入り、南小谷(みなみおたり)まで行きます。




こちらが「スーパーあずさ3号」。振子装置のおかげで、
カーブでもあまり速度を落とさずに走ることが可能なんだそうです。
唄に登場したころの「あずさ」の車両は、去年までに引退してしまいました。




「JR東日本パス」の最終日だったこともあって、
スキーやハイキングに出かける人で、この日は満席。
学生風のグループも目立ち、
唄の雰囲気とは違った「にぎやかな」車内でした。

8時ちょうどに定刻通り、新宿を発車した「スーパーあずさ3号」は、途中、
八王子・甲府・小淵沢・茅野・上諏訪・岡谷・塩尻・松本と停車していきます。
普通、都会から郊外へ「徐々に」景色が移り変わっていくものですが、
中央線は、高尾をすぎた途端、「一気に」のどかな景色に変わります。
新宿からおよそ1時間、笹子トンネルを抜けた列車は、勝沼付近へ。




ブドウ畑の中を甲府盆地へ下り、9時28分には甲府に到着します。
ここから再び列車は、上り坂を登っていきます。



小淵沢付近から左手に見える南アルプスです。
見えてくると車内からは歓声が上がりました。
本来ならこの付近、右手には八ヶ岳が望めるのですが、
この日は、あいにく雲の中でした。

松本には10時37分の到着。
大糸線直通ということもあって、大町・白馬方面へ向かう人が
多く見られました。松本の観光にピッタリなのがこちら。




「タウンスニーカー」と呼ばれる100円バスです。
駅前から毎時「0分・30分」に発車します。
松本城に行くときは、奥の乗り場へ。




日本にわずか4つしかない「国宝」の城・松本城。
国宝の城にはすべて行ったことがありますが、
私が一番好きなのは、やはり松本城ですね。



天守閣に上るために、急な階段を上ります。
ひざが弱い方には、ちょっとつらいです。




中央の洋館は、「旧・開智学校」。
今回は時間の都合で行くことが出来ませんでしたが、
前に訪れた時には、歴代の教科書などが展示してあり、
懐かしい教科書などを見ることが出来ました。
城から歩いていくことができますから、
松本城まで来たら、ついでに行くのがいいでしょう。




松本駅へ戻って、特急「しなの」号で長野へ移動。
名古屋始発のため、JR東海の車両で運転されています。
松本と長野の間は、50分ほどかかります。



姨捨(おばすて)付近から、千曲川を望みます。
この景色が開けてきたら、終着の長野はもうすぐ。
以前、この区間を早朝時間帯に乗ったことがありますが、
「朝もや」が、実に幻想的だった記憶があります。
松本→長野間に限れば、進行方向「右側」がお薦めです。

「あずさ2号」の唄に誘われて、やってきた信州。
所々に雪が残っているものの、陽射しは強く、
確実に春が近付いていることが感じられました。
次回は、長野駅の駅弁と善光寺、名湯・野沢温泉をご紹介します。

※現在、「あずさ」号が発車する新宿駅は工事中。
 特急ホームまで行くのに、時間がかかりますから、
 お出かけの際は、時間に余裕を見ておいた方がいいですよ。



2003年3月18日(火曜)

さあ「JR東日本パス」で行く下北半島の旅・続編!
駅弁はJR東北本線・野辺地(のへじ)駅をピックアップします。




青森の方以外は、あまりピンとこない地名かもしれませんが、
だいたい下北半島(地図上で右側の半島)の付け根のあたりです。
JR大湊線が分岐しています。




野辺地駅の駅弁は、東北一帯にネットワークを広げる
「伯養軒」の野辺地営業所が、作っています。
駅弁売場は、改札横の待合室と、2・3番線のそば屋です。
(画像は待合室。ストーブが風情を醸し出していますね)




ここの名物は「とりめし」(700円)。ひし形の容器が特徴的です。
最近、じわりじわりと人気が出ているとか。




シンプルな作りですが、そんなに飽きはこないですよ。
もし、おかずが欲しい場合は、少し高めの900円タイプもあります。



こちらは「緑の響(おと)」(1000円)。
お茶がサービスされました。




野辺地駅には、明治26年に作られた
日本最古にして日本一の「鉄道防雪林」なるものがあります。
この「防雪林」を記念して作られたお弁当なんだそうです。
中味は「とりめし」の鶏肉が「ホタテ」に変わった感じでしょうか。



こちらが「防雪林」。駅のホームから見渡すことが出来ます。
(特急「つがる」号・車内から撮影)

大湊線へは、東北本線からの直通列車が設定されていますが、
野辺地駅の停車時間が、比較的長くなっていますので、
ホームに下りて、駅弁購入可能な列車が多いと思います。
(ちなみに私が乗った列車は23分も停車しました。)


■旅のワンポイント〜JR東日本パスで行く下北半島(その2)



下北の名湯・下風呂温泉にやってきました。
半島の先端、大間までは、すぐのところ。
天気さえよければ、海の向こうに北海道・函館の街が望めます。




宿泊した「長谷旅館」のお風呂です。
海に近い温泉は、塩辛い温泉が多いものですが、
下風呂温泉は、目の前に海がありながら、
白濁した硫黄泉が湧いています。




坂を登って、共同浴場の1つ、「大湯」(300円)にやってきました。
昼間は、漁を終えた漁師さんたち。(実に男らしい頑丈な体をしてます)
夕方〜夜は、近所の人たちが入れ替わりでやってきます。
(ちなみに前夜は、20代とみられる若い女性が車で来ていました。
色白の肌と濡れた髪、そして訛のある言葉がとても印象的!)




硫黄の匂いと木の香が混ざって、癒しの空間を作りだします。
窓から差し込む陽の光を浴びながら、
湯端で「寝転ぶ」のが、もう最高!




下風呂温泉には、もう1つ「新湯」という共同浴場があります。
こちらも料金は300円です。




こちらは、浴槽は一つです。
大湯とは、源泉が違います。新湯の方は白濁はしてませんが
硫黄臭が漂う良いお風呂です。




「大湯」から少し歩いたところにある
海の幸を出してくれる「あさの食堂」を訪ねました。




「うに丼」(2200円)は、すごいボリューム。
口の中でとろけていく感覚がたまりません!




お世話になった「長谷旅館」は、下風呂バス停の前にあります。
作家・井上靖が「海峡」を執筆した宿として有名ですね。
1泊2日で帰ってしまうのは、ああ!勿体無い。

下風呂温泉に「何かをやろう」と思って来ない方がいいでしょう。
本州最果ての地に来た感慨にふけりながら、
硫黄の香に包まれて、新鮮な魚介類に舌鼓を打つ。
やることは、これだけでいいんです。
これこそ「最高の贅沢」なんです。

※もっと詳しく知りたい方は、当番組のメールマガジンで。
ジンバブエディレクターがレポートしています。
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2003年3月11日(火曜)

「はやて」開業から3ヶ月、JR八戸駅を訪ねてみました。



新幹線開業までの八戸駅は、比較的小さい駅でしたが、
今や八戸市を「代表」する駅に大きく生まれ変わりました。




明るくきれいな新幹線のコンコースです。
八戸を発着する新幹線は、全て「はやて」号ですね。



こちらは、八戸駅(在来線)の駅名票です。
東北本線から久慈方面へ、八戸線が分岐します。
新幹線開業の一方で、それまでの東北本線は、
盛岡〜八戸間が第3セクターの管轄へ。
「IGRいわて銀河鉄道」と「青い森鉄道」。
厳しい経営環境を地域密着度で、どこまでクリアできるか?
課題は山積みです。




一番大きな駅弁売場は、新幹線改札の中。
ほかに在来線改札の横や、各ホームにもあります。
どの売場にも「NRE」と表示がありますが「伯養軒」や、
元からの業者「吉田屋」、新規参入の「ニュー八」の駅弁も
扱っています。




ちょうど「吉田屋」さんが、駅弁の補充にやってきていました。
「少しでも作りたてに近い状態でお弁当を届けたい…」という
感じでしょうか。さて、八戸の名物駅弁といえば!




「八戸小唄寿司」(1050円・吉田屋)ですね。
民謡・八戸小唄にちなんだネーミングです。




一緒に入っている「撥(ばち)」で、サバとサーモンの
彩り鮮やかな押寿司を切って食べるところがユニークです。
この他の駅弁も見てみましょう。




左から「いわしの蒲焼風弁当」(630円・吉田屋)、
「菊ずし」(1000円・ニュー八)、「いかめし」(680円・吉田屋)です。




「いわしの蒲焼風弁当」を開けると、蒲焼の風味が香ってきます。
レモン汁との組み合わせがいいですよ。
価格もリーズナブルですし、望月はこれがイチ押し!




八戸はイカの水揚げも多い港です。
八戸の「いかめし」は…、ちょっと飽きるかも。



ラストは、去年12月からの新しい駅弁「菊ずし」をご紹介します。
元々、八戸市内の仕出し業者だった「ニュー八」は、
新幹線開業と共に駅弁に参入してきました。
味としては「小唄寿司」に近いものがありますが、
ウニ・イカ・帆立と、バリエーションがあるのが特徴です。

ライバルの存在が、物事をよりよい方向へ動かしていくことは、
よくあることです。これ、駅弁とて、同じこと。
八戸の4つの駅弁業者が切磋琢磨しあえば、
よりレベルの高い駅弁を見られる日がやってくるかもしれません。




■旅のワンポイント〜JR東日本パスで行く下北半島(その1)

今月、JR東日本は「お客様感謝月間」と題して、
画期的なチケットを発売しました。
その名も東日本・全線乗り放題の「JR東日本パス」。
土・日2日間有効で12000円、指定席も4回利用可能。
この機会を逃すまいと、ジンバブエディレクターと、
青森・下北半島へ1泊2日の強行軍で行って参りました。



スタートは、やっぱり全車指定席の「はやて」!
東京〜八戸をおよそ3時間で結んでいます。
番組後に出かけたこともあって、大宮で眠りにつき、
気付いた時には八戸でした。(速い!)



私たちが乗った「はやて」は、広窓タイプの新しい車両でした。



座席も、ボタンが2つあって、
背ずりと座面がスライドするものになっています。




始発の東京駅からどんどん席が埋まり、立席も出る大盛況。
上野・大宮と乗客は増えて、ほとんどの人が八戸まで。
翌日の東奥日報(青森の新聞)・社会面トップは、
JR東日本パスで混雑する八戸駅の様子を伝えていました。




八戸では、大湊線直通の快速「しもきた」号に乗り換えます。
2両編成の車内は、ラッシュ並の大混雑となりました。




ワンマン運転仕様の車内のため、先頭からは前面の展望が開けます。
時速130キロでやってくる特急「つがる」号とすれ違います。




東京からおよそ4時間45分。
大湊線終着の1つ手前、「下北」で快速列車をおります。
下北駅は、JR東日本・最北(=てっぺん)の駅になるんですね。




ここから「佐井車庫」行きの下北交通バスに乗り換えます。
人々の服装が、雪国風になってきましたね。

さらにバスに揺られること1時間15分。
下北の名湯「下風呂温泉」の模様は、また次回…。
駅弁は、JR野辺地(のへじ)駅をご紹介します。




2003年3月3日(月曜)

新米ライター望月、今回は南国・高知にやって来ました。




初登場!JR四国の駅名票ですね。
JR四国は、明るいブルーがコーポレートカラーです。




駅弁売場は、改札口のとなりに1ヶ所。
1番線のホームからも購入できます。
高知駅には、「日本唯一の」駅弁があるんです。
ご存知ですか?




その名も「かつおたたき弁当」。
日本でここだけの「お刺身」が入った駅弁なんですね。




「えっ?刺身をお弁当にして持つはずないでしょ。」と
思われた方。実は「かつおのたたき」の部分は、
冷蔵庫で保存されています。ですから、お弁当を
頼むと、「たたき」を冷蔵庫から取り出して、
このように、ご飯と組み合わされて出てきます。
保冷剤も入っていますから、数時間以内なら大丈夫です。
私も今回、1時間ほどしてから食べましたが、全く問題
ありませんでした。




肉厚な「かつおのたたき」が5切れ。
たっぷりしょうゆをかけて頂きます。
お弁当なのに「お刺身」を食べられる感動は、
なかなか味わえないですよ。




もう1つ、「うなぎめし」(840円)も食べてみました。



コンパクトにまとまっています。
「かつおのたたき…」と共通仕様の容器にタレが入っていますから、
こちらも、たっぷりタレをかけて、頂くことが出来ます。
「タレ好き」の方には、たまらないでしょうね。

高知駅の駅弁は、1月25日まで「中央食堂」という業者が
作っていました。しかし事情によって、以降は市内の
仕出し業者「あんどう」が生産。今までどおりの駅弁を
販売しています。(ちなみに駅前にあった「中央食堂」の
お店も閉じられておりました)東京方面からは、なかなか
出かける機会は少ないと思いますが、出かけた折には、
召し上がってみてはいかがですか。




(高知駅に到着した岡山からの特急「南風(なんぷう)」号」。)

■旅のワンポイント
西武ライオンズ・春野キャンプレポート&高知の街を歩く




ライオンズ好きな、新米ライター望月。
今年で最後となる「春野キャンプ」に飛行機で一っ飛び。
高知へ行ってまいりました。




春野球場の前には、垂れ幕がかかります。



当日の練習メニューもわかります。
この日のメインは、何といっても「紅白戦」でした。




独特のフォームで素振りをする背番号7・松井稼頭央選手です。
「リトル・松井」も、いつかはメジャーの日が来るのか?!




松井選手に投げ込むのは、なんと松坂大輔投手。
普段は見られない、同じチームの一流選手同士の
対決が見られるのも、キャンプならではですね。




試合後、松坂投手は記者陣に囲まれて、取材を受けていました。
次の日の一面になったスポーツ紙もありましたね。
現場で聴いた感覚では、松坂投手の球は、「音」が全く違います。
スピードは、ほかの投手とそんなに変わらないんですが…。
球が「重い」というのでしょうか。
去年、悔しい思いをしただけに、
今季はぜひ、シーズンを通して活躍して欲しいものです。
そして、指揮官は今年もこの人!




2年目の伊原春樹監督です。
「当たり前」の野球を「当たり前」に見せてくれることでしょう。

さて、キャンプのあとは、高知市街へ戻ります。
春野球場からバスに25分ほど揺られて、
有名な「はりまや橋」の近くで下車します。




交通が激しい現在の「はりまや橋」。
その中を走っていくのは、土佐電鉄の「路面電車」です。
高知市民の大事な生活の足となっています。
早速、乗ってみることに致しましょう。




昭和30年代に作られた車両も、かなりの数が現役で
活躍中です。木の床が、風情を醸し出していますね。
市街中心地は、ほとんど180円均一。
(10〜16時の間は100円で乗ることが出来る区間もあります)
「高知城前」で下りて、高知城へ行ってみます。



追手門から天守閣(重要文化財)を望みます。
高知城は、本丸の建物のほとんどが現存する
唯一の城なんだそうです。とても美しいお城です。




城内には、板垣退助の銅像がありました。
ほかに、山内一豊の妻の銅像もあります。
高知城に続いて、あの有名人の「誕生地」まで歩きます。




高知といえば、やっぱり坂本龍馬!
現場には「坂本龍馬誕生地」と書かれた石碑が建っています。

私も高知の街を歩いてみたのは、今回が初めてでした。
近代日本の礎を築いた人たちを生んだ「南国・土佐」。
見所はまだまだありそうです。
次回はもう少し、時間をかけて歩いてみたいと思います。
おしまいは、路面電車の方向幕に注目しながら、この画像で。
それでは!